中欧編 V : トイレットペーパー

 【10月8日】
 P.S.

 迎賓館のトイレットペーパーは博物館ものだ。新聞紙ほどではないが、固い。不揃いでもある。丸くロールし、下上でカットすれば、両端はきれいにそろうはずなのに、両端がそろっていない。いったいどんな作り方をしているのか。町には、日本並の紙も売っているというが、ここの国民には高すぎて買えないのだそうだ。それにしても、旧共産圏の指導者たちは、よほど丈夫なけつを持っていたらしい。

 

 

(解説)
日本に限らず、ほとんどの国のトイレットペーパーって、最初から最後までつながっているよね。それをカラカラカラって引き出して、必要なところでカットして使うわけだ。
ところが、ここで使ったトイレットペーパーは、つながっていない! 途中で勝手に切れている!
だから、日本で使うトイレットペーパーホルダーは
カラカラカラカラ
と、引き出している間、心地よいリズムを刻む。「本日も快食、快眠、快便」を実感するひとときでもある。
しかし、ここでは
カラカラカ……(無音)
出そうで出ない便秘のようなリズムしか奏でてくれない。
しかも、切れ方に法則性がない。18センチ程度の長さの紙も、37センチ程度の紙も、それこそ勝手に巻き付けてあった。あちこちの使い残しを集めてきて、人手を使って巻いたのか?
だから両端がそろっていないわけだ。

 

 ベッドのシーツは清潔に洗濯してある。ところが洗濯しすぎて、擦り切れている。そうした穴が3カ所ほど見つかった。国の貧しさの故か。
 出てきた紅茶は、紅茶風味ホットレモネードといった代物。しかし、建物そのものは立派だし、この迎賓館に置いてある陶器などの装飾品もかなり値打ちものらしい。悲しいアンバランスだ。

 

 

解説)
我が家のシーツに穴はない。洗濯も、そこそこしてある。だが、値打ちものの陶器は、はっきりって1つもない。これも「悲しいアンバランス」?

 

 迎賓館は緑に取り囲まれている。爽やかな木立の中に作られたと言ってもいい。思わず、胸一杯に空気を吸い込んでしまう。我々を送迎するバスは、木の梢をこすりながらというより、木の梢にぶつかりながらラックの玄関まで行き着く。日本ではなかなかないことだ。
 だから、野鳥も多い。糞をかけられた仲間もいる。

 迎賓館の存在は、市民もあまり知らないそうだ。タクシーに乗って“Guest House”といっても、連れていってくれないと聞いた。

 

 

(解説)
独裁政権は、国民から多くの物を隠していた。これもその一例か。
それとも、そもそも「迎賓館」にタクシーで乗り付ける人間がいるはずがないのか。
じっくり考えた結果、どうも後者が正解だと思えてきた。

 

 国民車は、Dacia 。かつてルノーの技術を入れて生産しているらしい。価格は、2000ドルとも40万円ともいうが、よくわからない。国民の平均所得が月100ドルというから、安くはない。それでも、年間9万台が生産され、売れている。
 町は車であふれている。韓国の大宇がここで作っている車は、90万円程度とか。これは、高級車だ。人口2300万人の国で、毎年12万台の車が売れる。
 自動車メーカーに努めているツアー仲間は「地球環境問題を解決するためにも、日本車をもっと売らなくては」。確かに、排ガスの臭いは相当なものだ。

 町を歩くと、きれいな女性が目に付く。これまで回った国の中では最高というのが、一行の合意点。特に、眉のきれいな女性が多い。細くてきれいな三日月眉である。

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(解説)
「街中で、『ここからここまで』って女性を買えたらいいなあ。ハーレムを作るんだよ」
ティファニー本店で、「ここからここまで」といって宝飾品を買った日本人女性が話題になったことがあるが、その人間版。
「会社を辞めて、退職金を持ってここに移住したい」
ハーレム発言の主が、そう付け加えたことも付記しておく。
発言者は、
もちろん、私、ではない。
断じて、私、ではない。
絶対に、私、ではない。
多分、私、ではない。
きっと、私、ではないだろう。
おそらく、私、ではないはずだ。
ひょっとしたら、私かもしれない。
だが、本日現在、
私は会社を辞めてない!
退職金ももらってない!!
退職金をもらっても、1人で勝手に使える見通しはない!!!

 

 今日は、ルーマニア料理。さて、いかなるものが出てくるか。文化的には、トルコの影響と、もちろんローマの影響を受けているわけだから、期待しているが。

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(事後の報告)
期待は、裏切られるためにあった。

 

 この項、続く 。

 


【初出2002年8月2日】
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