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 2016年12月23日 帰還

 多くのご家庭でも同じかも知れない。今日は年賀状づくりの日であった。朝から「宛名職人」と向かい合い、プリンタに年賀ハガキをセットしてひたすら印刷する。

 「今年こそ、失敗をなくすぞ!」

 毎年、作業前は意気込む。だが、失敗作が1枚もない年の瀬を一度も迎えたことがないのはどういう訳か? ソフトウエアの完成度が低いのか、キヤノンのプリンターに問題があるのか、作成者、つまり私がが迂闊であるためか。
 それはそれとして、今年は過去最多の失敗作を出してしまった。

 印刷にかかって、毎回気になるのはハガキの上下、裏表である。何しろプリンタで大量にハガキ印刷するなんて年に1回限りの作業である。作業時は記憶するのだが、1年もすれば完璧に忘れてしまう。そのため、ハガキに同梱されてくる厚紙で試したりするのが毎度だが、刷り上がりを見て

 「あれ、この厚紙、どっちが上で、どっちが表だったっけ?」

 と首をひねることになる。やっぱり私が迂闊なのか。いずれにしても首をひねっても答えは出てこない。やむなく今年の初めに受け取った年賀状を1枚とりだし、改めて試刷りして確認することになる。

 ここまで進んで、まず印刷するのは裏面、つまり通信面である。ネットで拾ってきた

 「謹賀新年」

 の画像と、来年の干支である酉のイラストが張り付けられ、年賀の挨拶が書いてある。印刷枚数は200枚。ここまでは何の問題もなく進んだ。

 さて、次は宛名面だ。キヤノンのプリンターは薄いトレーにハガキをセットするため、1度に印刷できるのは30〜40枚程度である。それが終わると、次の束をセットする。
 事故はこの時起きた。ハガキの束の裏表を間違ってしまったのだ。吐き出されたハガキは印刷済みの通信面に宛名が印刷され、何が何だか分からないほどにグチャグチャになっていた。

 かような場合にはどうするか。すぐに印刷を止める。その上でハガキを表裏入れ替える。誰もが踏む当然の作業工程である。

 「あれまあ、失敗作が5枚か。えーっと、この5枚はあとで改めて印刷するしかないな」

 その5人分の名前を書き出し、印刷を再開した。
 失敗ゼロは達成できなかったが、まあ毎度のことである。それほど気に病むことではない。失敗ゼロは来年の目標にすればいい。
 と開き直って構えていた。しばらくすると、不思議な情景が目にとまった。

 「ん? この宛名、すでに印刷済みではなかったか?」

 私は慌てて、印刷済みのハガキと、目の前でプリンターが吐き出すハガキを比べた。同じである。印刷済みのハガキと同じ宛名をプリンターは吐き出している。

 「何で?」

 「宛名職人」は、住所録を作成して印刷すべき宛名にチェックをしておくと、自動的にすべての宛名をハガキに印刷してくれる。喪中ハガキをいただいた方など、年賀状を送らない先のチェックを外しておけば、作業は自動的に進む。そしていまの症状は、自動的に印刷してくれるのはいいのだが、一度印刷を止めたあとで印刷を再開したら、続きを印刷するのではなく、何と最初から印刷を始めてしまったようなのだ。

 どうする? どうしようもない。なぜならば、再び印刷を中断すれば、再開した時にまた同じ現象、またまた最初から印刷を始めてしまう危険があるではないか。

 かくして、印刷済みと同じ宛名を印刷し続けるプリンターを、私は放っておいた。放っておくしかなかった。結果として、約40組の、同じ宛名の年賀状ができてしまった……。

 まあ、済んだことは済んだことだ。悔やんでも始まらない。週明けに郵便局に出向き、印刷に失敗したハガキを新しいハガキと交換すれば済む。いくらか手数料を取られるが、それが失敗の代償である。失敗は高くつく。人生の哲理をこの年の瀬に再び学んだと思えば、その程度は甘んじて受けるしかあるまい。

 というわけで、私の机には印刷済みの賀状の束がドーンと置いてある。あとは一筆筒書き加えて投函するのみである。
 なんだか、仕上がりは例年より早い。これも定職がなくなったためだろうか?


 そんな作業をしていたら、動かなくなった私の車を預かってディーラーに修理に出していてくれた修理工場から電話があった。

 「戻ってきましたよ!」

 愛車の帰還である。すぐに工場に駆けつけ、車を引き取った。

 「で、修理代はいくらだった?」

 私は財布からクレジットカードを取り出しながら尋ねた。

 「それが、年末でBMさんも忙しいらしくて、まだ請求書が来ないんですよ。車だけが来ちゃって。まあ、見積もりが35万円だったので、その前後だとは思いますが。明日か週明けには請求書が届くと思いますので、来たらすぐに連絡します」

 というわけで、本日の支払いはなし。
 BMWの担当員、請求書を出すのを永遠に忘れてくれる、なんてことはないよなあ……。

 借りていたトヨタのどでかいワンボックスをお返しし、久しぶりに愛車のドライバーズシートに納まった。エンジンをかけて走り出す。なんだかエンジンの回転が重い。いつもエンジンブレーキがかかっているような重さだ。
 そういえば、11年近く前にこの車を新車で受け取った時も同じように感じたのではなかったか? 今回の故障はエンジン系統。ということは、修理でエンジンが新車状態に近くなったということか?

 いかん。当初計画では、あと2年この車に乗って買い換えるはずだった。だが、このエンジンフィーリング。またまたこの車に惚れそうである。

 「大枚の修理代を払うことだし、この際、買い換えは4年後にするか」

 でも、横浜のBMWデーラーの担当員、Y君はがっかりするだろうなあ、などと考えながら家路についた私であった。



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