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 2016年7月24日 苛立ち

 腰痛なのか神経痛なのか。
 ま、病名はどうでもいいとして、こいつ、どうしてこんなに長く俺に居座るんだ?

 昨日、今日と、電気風呂に行ってきた。
 次女の旦那の両親は私より年上で、そのためなのか、神経痛という症状に見舞われたのは私より早かったようである。

 「お父さん、電気風呂に行ってみたら。だって、あっちの両親は神経痛が出ると電気風呂に行って治してるんだって」

 電気風呂。聞いたこともなかった。何だ、それ? そんなもん、桐生にあるのか?

 「あるよ。大きな入浴施設に行けば居間はどこだってやってるって」

 効くのか、そんなもん。電気椅子は人を殺す道具だぞ。が、ものは試しである。ネットで、桐生が誇る「桐生温泉 湯らら」をググってみた。あるわ。確かにある、電気風呂。ま、多くの人が使うわけだから、電気椅子とは少しは違うらしい。でも、それって、湯に浸かっている間、ずっとビリビリしているわけ?

 そんな疑問を抱きながら、でも、痛みは一刻も早く蹴飛ばした方がいい。多少のビリビリでそれができるのなら、やってやろうじゃないか。
 というわけで、昨夕と今朝、そのビリビリに行ってきた。

 いまの私にとって、最大の難題は移動である。腰を延ばすと足の付け根の前部に痛みが走る。それをなだめながらでないと歩けない。よって、どうしても腰が曲がる。腰を曲げれば痛みフリーで歩けるかというと、そうでもない。やっぱり痛みが追いかけてきて、思わず座り込みたくなる。

 「ああ、そうか。昔のじいさん、ばあさんの腰が曲がっていたのは、この神経痛の痛みで前屈みの姿勢をとり続けたのが固まったのか」

 おもわず、そんなことも考える。ということはあれか? 俺の腰、そのうち曲がる?

 駐車場に車を止める。そこから屋内に入る。受付で金を払い、浴場へ。そう歩行数は200歩? 300歩? 発症前は至近距離だったのに、いまやいつたどり着けるか不安になる距離である。

 さて、その困難をクリアしてたどり着いた電気風呂はというと。
 湯船の壁に、何やら金属の板が取り付けてある。こいつが電気を流す電極なのだろう。その前に腰を下ろす。身体はちょうど半身浴である。おっ、これか、電気風呂。
 例えてみれば、その金属板から湯の固まりが絶え間なく突き出されて私の身体にぶつかる感じだ。患部を叩き続けてくれる、といった方がいいかも知れない。
 ドスン、ドスン、という感じで衝撃が身体に伝わり、近づくと身体全体が揺れるほどの衝撃がある。そこにひたすら痛む部分をさらす。
 ま、マッサージを受けるのに似ている。

 湯船には、読みかけだった

 「バーニング・ワイヤー」(ジェフリー・ディーバー著、文春文庫)

 を持って入った。何にもなしにただ湯に浸かっている、という時間を嫌う私ならではのことかも知れない。ひょっとしたら怪訝な顔をしていた入浴者がいたかも知れないが、私の目は本意しか行かないから気にもならない。

 この本、電気を使って次々に人を殺す犯罪者と、ほぼ全身不随の捜査官、電気に頼らなくては生きていくことも出来ないリンカーン・ライムの知恵比べである。いまの暮らしになくてはならない電気が、ちょっとした使い方で簡単に人を殺す。電気は目に見えないから、その恐怖感たるや、ほかの武器には比較できない。ライムはこの無軌道な殺人者を追い込めるのか?
 
 読み始めると引き込まれる。だけど、電気風呂に入りながら、電気が連続殺人する本を読む? 私はマゾヒストなのかも知れない。

 さて、その電気風呂が私の症状を改善してくれたのか? 
 はっきり言ってわからない。よくなったような気もするし、変わらないような気もするし。

 リリカもあって、症状は少しずつ改善しているとは感じる。だが、薄紙を剥がすがごときのろさに、苛立ちを募らせる私ではある。


 にしてもだ。東京都知事選。
 小池のおばさんが先行して、増田のオッサンが追いかける。なんとかへばりつこうとする鳥越のじいさん、といった構図のようである。
 それを頭に置いて、NHKのニュースで3人の発言を聞いた。

 小池のおばさん、東京を世界で一番安全な都市にするのだそうな。ま、言うのは簡単だわな。だけど、オランダのような海抜0メートル地帯を多数抱え、明日関東大震災が来てもおかしくないという東京を、どうやったら世界一安全な都市に出来るのか?
 選挙では、言うはやすし、行うは難し、という哲理を勝手に忘れる人しか立候補しないのか? 
 こんなんが知事になったら、東京、どうなる? ま、都民ではない私には他人事ではあるが。

 増田のオッサンは、高齢者が生き生きと活躍できる都市に、みたいなことを言っていた。うん、流石行政経験者。私のような高齢者にはありがたい話だし、やってできないこともなかろうとは思う。だが、それって、人数が多く、投票率も高い年寄りにすり寄って票を集めようという選挙戦術に過ぎないのではないの? という疑念が、多くの政治家を見てきた経験から湧き出るのは避けがたい。

 鳥越のじいさん。なんと、東京を非核都市にするんだって。地熱や風力、太陽光なんぞでエネルギーをまかない、原発のない世の中を作るんだと。
 これが元ジャーナリストの言うことかね。このエネルギー多消費社会で、そんなものですべてのエネルギーがまかなえるんだったら、誰も苦労はしない。原発の稼働率が落ちても毎日電気が使えるのは石炭や石油、天然ガスでの発電を増やしているためだし、こんなエネルギー源は、一昔前は地球温暖化の元凶として忌み嫌われていたものではないか。再生可能エネルギーですべてのエネルギーをまかなう秘策でもお持ちなのかな、鳥越のじいさん。
 ジャーナリストとは空理空論を振りまく人々のことか。老醜をいつまでさらす気なんだ?

 などと考えていて、この3人が知事の座を争っているという世論調査の結果も見て、私はいまの代議制民主主義に絶望している。
 かつて、学生時代に学んだ代議制民主種意義の存在理由とは

 民衆は正しい判断を下す能力には欠けるかも知れないが、正しい判断を下す人を選ぶ能力はある

 というものだった。若き日の私は

 「そんなものかなあ」

 という程度の受け止め方しかできなかったが、いまははっきり言える。

 政治をポエムで語るな

 で、これからは単なる私案である。
 そもそも、いまの代議制民主主義で最も欠けているのは、候補者情報である。都知事選で言えば、小池、増田、鳥越の3人の政策、人柄、知見、交友範囲、思想、金、そんなものの50%を知っている有権者がいったい何%いるのか。ほとんどの有権者が、本当は知らなければならない情報をまったく知らないまま、ただ人を選ばなければならない。そんな制度で、まともな人間が浮かび上がるはずもなく、だから、マスメディアに加須多く顔を出した著名人だけが候補者として担がれることになる。単なる人気投票なのである。

 考えてみよう。
 30人のクラスで委員長を選ぶのは易しいことである。安堂君は成績はいいし、人に親切だ。とくに女の子に優しい。クラス行事ではいつもリーダーシップをとって見事にまとめてくれる。先生の信頼も絶大だ。
 学校にいる間、常に一緒にいるのだからそんなことは全員が知る。中には

 「安堂はさ、女の子の着替えを覗き見してたんだぜ」

 という情報をいいふらす子もいるかも知れない。
 いずれにしても、ほぼすべての情報を全員が持っているなかで委員長選挙が行われる。

 生徒会長になればやや事情は変わる。同学年なら、ある程度候補者のことは知ってるはずだ。だが、ほかの学年は表面的な事実しか知らない。だから、同学年の投票は各候補者をかなり厳密に評価するだろうが、ほかの学年の投票は人気投票に似る。

 ましてや、地方選挙、国政選挙となると、利害が絡み、利害に関係ない有権者は、おおむね人気投票をしてしまう。こんな制度で、政治が動いていいとはとても思えない。だから、私はほとんど投票所に足を運ばないのである。

 どうだろう。まあ、知事にしろ市長にしろ、各種議員にしろ、それが必要かどうかにはまた議論があると思うが、とりあえず現状のままとして、その選び方を変えたらどうだろう?

 前提は、民衆には代表を選ぶ能力はない、という事実である。
 では、どうするか。
 民衆には、代表を選ぶ選挙人を選んでもらう。その選挙人は有給の職とし、仕事として次の選挙に出る人々とお付き合いしていただく。定期的に酒を飲むのもよし、議論するのもよし、一緒にゴルフをやったって構わない。現職の公的活動にはすべて付き合うのも責務の1つとする。多面的な触れあいで各候補者の真実を見抜くのが仕事である。そして、時期が来たら代表者を選ぶ。

 こうすれば、舌先だけ、実は空理空論の政策綱領では代表に選ばれるのは難しかろう。いい子ちゃんブリッコも選ばれないはずである。

 と考えるのだが、もちろん、課題はたくさんある。最大の課題は誘惑だ。何らかの代表になろうという意欲を持つ人々は、多くの選挙人に賄賂を贈る、あるいは様々な手練手管ですり寄るに違いない。それを公表し、賄賂を申し出た候補者にバッテンをつける選挙人もいるだろうが、ばれないと思って受け取る選挙人だって多数にのぼるかも知れない。

 ふむ、いまの制度は下らないが、新しい制度を考えても問題点は次々に出て来る。まったくもって、人の世とは度し難いものである。

 だけど俺、その選挙人になりたいな。立候補しようという奴らに偉そうな顔が出来て、上手くすれば多額の賄賂が懐に入る。一度やったら辞められないだろうなあ。
 だれか、制度改革をしてくれない?



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