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 2016年6月7日 前途多難

 まずもって、お詫びから始める。
 前回の日誌の日付を間違っていた。「3日」とあったのは、「4日」の間違いである。お詫びして訂正する。確認を怠ったのが原因でありました。というか、寄る年波で注意力が散漫になったというか、毎日が日曜日に近い暮らしをし始めたために日付への注意が薄くなっていたというか。

 にしても、このパターンの訂正・謝罪が増えてないか、このところ。

 
 ネットワークプレーヤー自作の旅が、本日スタートした。我が師MさんのもとにDACのキットが到着、私の元には、米国、と思っていたらどうやらスイスらしいのだが、そこに発注したRaspberry Pi用の基板を船積みしたのとメールが入った。1、2週間で到着するとのことである。

 で、そのような時の流れを背景に、本日、MさんがDACキットを持って我が家を尋ねてくださった。

 「これなんですけどね」

 見せていただいたキットは、ここに注文していただいたものである。そして、注文していただいたのは、これだ。

 まあ、そのあたりは関心をお寄せの方だけがご確認いただければいいのだが、さて、この私、見せられたキットを目にして、ギョッとした。
 何にギョッとしたのか。

 まず、あまりにも少ない部品にギョッとした。入っていたのは基板が1枚、それに10点を多少超えるだろうか、という数少ないパーツである。

 「えっ、これで1万1100円?

 と驚きを声に出してしまった私であった。

 「ちょっと高いんじゃないですかねえ?」

 という私に、Mさんは静かに説明してくださった。

 「まあ、これ、基板の設計料じゃないですかね」

 なるほど、そういう解釈もあるか。

 だが、そのあとMさんの口から発せられた話に、再度ギョッとした。

 「いやあ、これ、必要な部品が全部揃っているんじゃないんですね」

 え、必要な部品が揃ってない?

 「まあ、入っていない部品はどれも安いもので、買いそろえても1000円か2000円ですけどね。東京に出たついでに秋葉原によって、私がそろえてきますわ」

 そう、部品が揃っていないキット……。これも初体験である。

 だが、私を絶望の淵に追い込んだのは、そんな表面的な驚きではなかった。

 「えーっ、これ、私が作るんですか?」

 いや、私だってクリスキットなら多分3桁台、作った。ハンダ付けだって、まあ、人並み以上にできるとの自負もある。だが、その私でも、目の前の基板を見て絶望感に駆られたのである。

 電子キットであるから、作業はパーツを基板にハンダ付けすることに終始する。その程度の覚悟はあった。だが、この基板は尋常ではない。とにかく、狭いのだ、ハンダ介する箇所と箇所の間が。

 これは、多分ICというのだろうが、ちっぽけな薄っぺらいパーツから沢山の足が生えている。例え100本の足が生えても、そのチップが10p四方なら1辺から出る足は25本。ということは、足と足の間は、10p÷25=0.4p、つまり4oである。と計算してしまうと、算数では×しかもらえない不正確な答えだが、まあ、その程度ではある。
 ところがこのチップ、多分、サイズは1辺1p以下か。その1辺から7、8本の足が生えている。足の太さ、足と足の隙間は、たった0.5o程度しかない。

 「これを、ここにハンダ付けするの?」

 ハンダとは導電体である。電気を通してしまう。だから、隣り合った足は絶対にハンダを介してくっついてはならない。だが、隙間が0.5o。ハンダ付けの作業中、すぐにハンダが隣の足にくっついてしまう距離である。

 「これを、ここにハンダ付けするの?」

 Mさんは冷静である。

 「えっ、安堂さん、あなた、この回路図を見て、これがいいとおっしゃったのではなかったのですか? だから、この程度のハンダ付けには自信をお持ちだと思っていたのですが」

 Mさん、人をバカにするのではない。私がそんなことを事前に確認した上でことを起こす慎重居士に見えますか? もしそうであれば、仕事にしろ、暮らしにしろ、結婚にしろ、違った選択肢があったはずで、結果として、私はいまの私ではなかったに違いないのですぞ。
 それに、でござる。私、確かにこの機種のお話をしましたが、できればさらに数ランク上のこれをつくってみたいな、と思っておったのであります。価格は3倍になりますが。

 まあ、それはそれとして、さあ、どうしたら?

 「ま、ほかの人がやってるんだからできないことはないでしょう」

 ふーむ、Mさんはオプチミストである。

 「いや、私も目が悪くなってチップの印刷もよく見えないので、これは拡大鏡がいると思って、いいのがないかとネットで探してるんです」

 申し訳ありませんが、いいのがあったら、私の分まで買っておいてください。

 「それでもねえ、こんなに小さなところをどうやってハンダ付けするか。まあ、ネットで検索してノウハウを探しておきますよ」

 はい、よろしく御願いします。私はただヨタヨタと後を着いて歩きますので。

 という次第で、作業はMさんが必要なパーツを調達し、さらにスイスからRaspberry Pi用のボードが届いた後に始めることにした。
 まあ、見たところ、ハンダ付けの箇所はそれほど多くはない。始めれば、難所のハンダ付けのノウハウをMさんが見つけてくれさえすれば、1日もかからないであろう。

 ああ、思えばクリスキットを組み立てている時は天国であった。だって、こんなに駒かなハンダ付けはなかったもん。基板とリード線にハンダごてを押し当てて防犯だの先をくっつければ、きれいにハンダが流れたもん。

 さて、いかがな結果に相成るか。
 失敗覚悟の、67歳における挑戦である。


 にしても、大変であるなあ、ペルーの大統領選挙。開票率95%を越えても1ポイント未満の差しかない接戦である。
 ま、日本のメディアは、日系のフジモリ嬢が、大統領だった父の後を継げるか、という野次馬根性丸出しの報道しかしていないが、問題はそこではないだろう。

 ペルーの国情はそれほど落ち着いているとはいえない。その国で、国のトップを選ぶ選挙でこれほどの接戦である。恐らくフジモリ嬢が庶民、貧民の期待を担っているんだろうが、それでも、だ。これ、どちらがとりあえず勝利しても、負けた方は

 「開票に不正があった。もういちど数え直せ」

 と騒ぎ出すのが目に見えている。
 で、数え直して決着しても、だ。ペルーのような国で国論が真っ二つに割れれば、その後の治安は乱れがちである。負けた方のテロ、勝った方の弾圧、という泥沼に足を突っ込むことはないのか。

 まあ、どうなろうと地球の反対側にある、日本とはたいした関係はない国ことである。他人事、と切り捨ててもいいのかも知れないが……。
 またまた不幸の連鎖が燃え上がる地域が地球上に生まれる、と考えると、他人面ばかりしているのが能ではないだろう、と思えてしまう私である。

 さて、どちらが、とりあえずの勝利を手にするのか。

 これに比べれば、せこさ極まる舛添問題なんて、コップの中の嵐。満天下に己のせこさ加減をさらしてしまった禿げ舛添、今日は都議会で追及されて声にも張りがなかったが、よもや自殺するなんてことはない? そんなことになるといじめ甲斐がないんだけどなあ。



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