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 2015年11月28日 算数

 しかし、である。
 今時の小学生は、その中で優秀なのは、こんな問題がすんなり解けるのだろうか?

 A駅からB駅に向かって時速40qで走っているバスが、道路と平行に走っている電車に3分ごとに出会い、9分ごとに追いこされました。電車が一定間隔で走っているとすると、電車の車速はいくらですか」

 「算数プラスワン問題集」(東京出版)

 の「速さに関する文章題」

 の一つである。
 
 これ、正直に言って途方に暮れた。
 普通、この手の問題は方程式を使って解く。解けたあとで

 「そうか、小学生はまだ方程式は習ってないか」

 と思い直し

 「こんな問題を解かせるのなら、もっと早く方程式を教えておけば、鶴亀算とか何たら算とか、まるでクイズでもやっているような解き方を覚える必要はないのに」

 とブーたれながら方程式を使わない解き方を考える。
 だが、この問題で方程式? どんな式が成り立つ?

 いや、じっくり考えれば式が立てられるのかも知れない。しかし、これを定数にして、これを未知数にして、とこねくり回しているうちに、

 「いや、これ、わからん」

 と投げ出した。そして、方程式を使わない解き方を考えた。しかし、どう考えても、数式だけで解けるとは思えない。そこで図を使うことにした。ダイヤグラムである。

 まず、出会う方を図にした。電車は一定間隔で走っている。この間隔をtとする。
 これを原則として、斜めの平行線を引いた。これが電車である。この平行線にクロスする直線を引いた。バスだ。クロスするところが出会いの場所だ。
 この図を見て、何となく全体の様子がわかった。
 そして、今度は追いこされる方のダイヤグラムを書く。今度は反対向きに、つまりバスト同じ向きに、傾きを強めた平行線を引く。バスの線と交わるところで、電車がバスを追いこす。

 こうして図で見て計算すると、電車の速度は時速80qと出た。答えを見ると、幸い正解である。頭はまだ惚けてはいないらしい。
 解答を見る。こちらは線図で解いてある。ふむ、この問題は方程式では解けないのか……。

 いや、今時算数の勉強を再開したのは、啓樹対策である。
 四日市の啓樹はもう5年生になる。来春からは小学校の最終学年だ。
 その啓樹が、5年生の前期は児童会の副会長を務めた。ということは、いろいろな面でうまくやっているのだろう。だが、好事魔多し、である。スムーズに学校生活が送れているものだから慢心したのか、何となく勉強をなめ始めたようなのだ。

 iPhonefacetimeをする。
 用件が終わって、最後に

 「啓樹、勉強しているか?」

 と聞く。本人は

 「うーん、まあまあ」

 と答える。そばからママが

 「まあまあ、だって?!」

 と素っ頓狂な声を出す。この2人の掛け合いが意味するところは明瞭だ。どうやら啓樹、最近は勉強の手を抜いているらしい。

 勉強とは積み重ねである。中でも算数、数学は、学んだことの上にで次の課題を学ぶ。前が分かっていなければ徐々にできないことが増え、いつしか算数・数学嫌いになり。落ちこぼれる。高校2年生の私は、それで躓いた。だから、2年生の夏休みのほぼすべてを、高校1年の数学の復習にあてねばならなかった。

 小学生の間は、算数と国語をきちんと学んでおけばよい。他の教科は日常生活の延長である。中学受験でもするのではないかぎり、教室で学べば十分だ。
 このうち、国語は本を沢山読めば自然と身につく。だが、算数は、やっぱり問題と取り組まねば身につかない。

 そこで、啓樹に問題集を送った。それが冒頭に紹介した本である。東京出版は、恐らく一番難しく、取り組めば一番身になる問題を集める出版社だ。これに取り組ませようと思った。

 「ボス」

 数日して、啓樹からfacetimeが来た。

 「この問題、分からないんだけど」

 問題を読み上げさせたが、よくわからない。

 「よし啓樹。ボスも同じ本を買うわ。質問はそれからにしろ」

 こうしてわたしの元にもその問題集が届き、その日から、わたしは算数の問題を解き始めた。

 解ければいい、というものではない。啓樹に理解できるように解かねばならない。
 まず、私なりのやりかたで、ということは方程式も使いながら解く。それから解答を見て、私の解き方と、示された解答のどちらが分かりやすいかを考える。そして、

 「この考え方も身につけておいたほうがいいな」

 と思えば、解答を解説する。何しろこの問題集、解答があまり親切ではない。私でも一読ではなぜそうなるのかが理解できないものが頻出する。

 こうして解き進み、ノートが1冊終わったら、それをコピーして啓樹に送る。いわば、模範回答集だ。

 効果は2つ期待できる。
 一つは、私の惚け防止である。
 もうひとつは、啓樹を学校では接しない算数の考え方、解き方に馴染ませることだ。馴染めば、自ずと実力がつき、中学に進んでも数学にすんなりと入ることができるはずである。

 だから、最初は解けなくていい。解けない問題は本の解答なり、私が送る模範回答集を見て、どちらか取っつきやすい方を理解する。そして、しばらくして自分で解いてみる
 そういう勉強の仕方を指導している。こうすれば、離れていても啓樹の成長の手助けができる。

 さて問題集、あと16問で「速さに関する文章題」が終わり、次は図形だ。そして「数の性質」「規則性」「推理・論理」「場合の数」と進み、あとはテーマ別の問題があって、最後に入試問題集だ。できれば、年内に終わらせたい、と思うが、冒頭に紹介したような難問が頻出するようになれば、さて、年内に終わるかどうか。

 今日は、朝10時過ぎから始めて午後3時頃までやっていた。
 私は小学生の頃、自宅で勉強をした記憶がない。中学生でも、せいぜい宿題をこなし、初めて接して興味を持った英語の教科書を自宅で読む程度であった。
 だからいまがある。小学生の頃にこんなに勉強をしていたら、居眠りしながらでも東大に通ったんとちゃうか? 
 今ごろ後悔するような、いや、だけど東大に通っていてもたいして変わりはないでしょう、と開き直るような気分でいる。

 ということで、どうやら、高校数学はしばらくお預けの私である。



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