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 2015年10月14日 日本郵政

 原稿を書いて暮らしを立てていらっしゃる方々なら、恐らく

 「よくぞやってくれた!」

 と快哉を叫ばれるのではあるまいか。そんな珍事が降ってきた。物書きとは、他人のミスをあげつらって飯を食う職業である。

 ネット上のTSUTAYAと契約、毎月定額制で、CDDVD、ブルーレイをレンタルしていることは、ずいぶん前に書いた。我が家の音楽環境がネットワーク対応になって、音源はすべてflacファイルとしてNASに納めれば済むため、自分でCDを持つ必要がなくなったのである。
 つまり、パソコンを使ってCDのデータをflac形式で抜き取り、それをNASに納める。そうすると、ネットワークプレーヤーで再生できるようになり、しかもCDCDプレーヤーで再生するよりはるかにいい音で再生してくれるから、CDを持つ必要がない。欲しい音楽はCDをレンタルし、パソコンで抜き取ったあとは返却すればよいのである。
 一度flac形式で保存すれば、何らかの事情でもとのCDが必要になったときは、CDに入っていたデータ形式とまったく同じものに戻してCD-Rに焼くことができる。つまり、もとのCDをそっくりそのまま復元できる。これもCDを持つ必要がない理由だ。
 DVDやブルーレイはそのついでである。

 ということで、TSUTAYAの毎月定額制のレンタルシステムは大変に重宝している。
 1度に2枚づつ送られてきて、私が返送したものが届けば次の2枚を送るシステムで、我が家でのリッピング(音楽データを抜き取る作業)には1枚10分前後しかかからないから、2日に1度送られてくる。つまり1ヶ月で30枚前後のCDの音楽が私のNASに蓄積され、音楽ライブラリが増えていく。1枚あたりの単価は60円前後。実によい時代に巡り会うことができた。

 で、だ。
 今日はCDが届くはずの日であった。届けば直ちにリッピングし、即座に返送しなければならない。
 と思っていたら、来ないのである、TSUTAYAからの便が。

 TSUTAYAからの便は「追跡ゆうメール」で送られてくる。その郵便物が今どこにあるかをWebで確認できるシステムで、TSUTAYAから発送したとのメールが入ったのが今朝のことだ。すぐに追跡してみたら埼玉県川越西郵便局に昨夕届いたことが確認できた。

 「であれば、いつものように昼過ぎには来るはずだ」

 と待っていた。ところが、来ない。

 「おい、この時間に来なければ、今日の最終便で返送できないじゃないか」

 と思いつつ仕事で外出、夕方戻ってくると、まだ来ていない。

 「この時間に来ないとは。今どこにあるんだ?」

 と再び追跡すると、相変わらず川越西郵便局である。
 そんなバカなことがあるか!

 川越西に着いたのは、昨日の17時30分。であれば、遅くとも今朝には桐生郵便局に届き、お昼前後には我が家に配達されているはずだ。

 「のはずなんだけど、私宛の郵便物はどうなってますか?」

 川越西郵便局に電話をした。

 「お待ちください。はい、こちらからは出ていますので、桐生郵便局からご連絡させます」

 しばらく待つと、桐生郵便局から電話が来た。

 「こちらにはまだ届いておりませんが」

 おいおい、川越から桐生までどれほどの距離があるというんだ? あれか、川越から地球を反対回りして、アメリカ、ヨーロッパ、インド、東南アジアを経由して桐生に届けるので、もう少し時間がかかるということか?

 「この郵便物は、県内ではまず高崎の局に集まって、そこからこちらに流れてきますので、高崎局からお返事させます」

 高崎から電話が来た。

 「はい、こちらにはまだ届いておりません」

 ちょっと待て、コラ!
 川越西は出したといってるんだ。それが、高崎に届いていない? だったら、いまどこにあるんだ?

 「はい、もういちど探してご連絡します」

 待った。

 「やはり、こちらにはまだ届いておりません」

 ふーん、おかしなことが起きるもんだね。だったら、いまどこにあるの?

 「と申されましても、何とも……」

 ということは、これ、事故だよね。川越西がなくしちゃったか、どこか他の局あての袋に入れちゃったか、それとも輸送の途中で、私宛の郵便物が入った袋が落っこっちゃったか。高崎に着いてなくなったか。あるいは、中身がCDだとしって盗んだヤツがいるか。

 「その辺は何とも……」

 で、なくなった場合、TSUTAYAとの間では損害賠償の問題が起きるわね。だって、TSUTAYACDをなくしちゃったんだから。でもさ、私との間にも損害賠償問題が起きるとは思わない?

 「えっ?」

 だってさ、私は毎月一定額を払ってCDをレンタルしてるわけだ。で、事故がなければ今日の昼前後には届いていて、すぐにリッピングして返送する。そうすると、明後日、また新しいCDが送られてくるわけだ。
 でも、今日届かなかった。そして何処にあるのか分からないのだから、いつ届くか分からない。例え明日届くとしても、次のCDが来るのは1日遅れるわね。これ、損害でしょ? 届くのが遅れれば遅れるほど、私の損害は拡大するのよ。どうしてくれる?

 「いや、私どもには、郵便物のお届け先の損害を補填する規定はございませんので」

 ちょっと待ってよ。あんたんとこは、これから株式を上場しようという会社でしょ? それが、利用者に損害を与えて知らぬ顔を決め込むわけ? それで客の信頼をつなぎ止めることができると思ってるの?

 「と申されましても……」

 普通、企業ってのは、こんな事故が起きると、全力をあげて亡くなったものを探しだし、どんなに遅くなっても特別に車で届けるとか、信頼をつなぎ止める努力をするのだよ。それなのに、ゴメン、の一言で済ませる気なのかい?

 「いや、お客様のお怒りの趣旨は上司に必ず伝えますので」

 おいおい、サラリーマンの定型句を使っちゃいけないよ。そんなこといって上司に報告するヤツは皆無だし、ひょっとして報告したとしても、その上司が私に謝罪してくるなんて事は絶対にないんだから。つまり、私に泣き寝入りしろ、っていってんだよね、あんた。

 「分かりました。もういちど全力で探してお電話を差し上げます」

 待った。2時間ほど待った。待った結果、電話をかけてきたのは川越西だった。高崎はなしのつぶてである。

 「申し訳ありません。いま現在、何処にあるのかが不明でして、必ず明日一番でお届けしますのでお待ちください」

 この人も訳のわからないことをいう。
 あなたさ、いまどこにあるか分からない郵便物を、どうやったら明日一番で私に届けることができるの? 

 「いや、それは……」

 そうでしょ。そんなこと、約束できないでしょ? だったら、絶対に口にしてはいけないことなのですよ。

 「はい、とにかく、全力で対処しますので」

 で、さっき高崎の人にも言ったんだけど、これ、TSUTAYAと日本郵政の間では損害賠償問題になるよね。実質的には私にも損害が発生しているわけだ。今日2枚、明後日2枚レンタルできたはずが、少なくとも1日無駄になった。明日も届かないとなると、無駄になる日はもっと増える。それをどう補填してくれるわけ? 2日遅れたら、次回のレンタルを4枚とか6枚に増やしてくれるの?

 「わかりました。これからTSUTAYAさんと連絡を取りまして、かならずご連絡を差し上げます」

 5分ほどしたら電話が来た。

 「申し訳ありません。TSUTAYAさんはこの時間、どなたも電話に出ていただけなくて。というわけで、明日、TSUTAYAさんと連絡を取って必ずご連絡を差し上げますので、それまでお待ちいただきたいのですが……」

 このあたりで、とりあえず今日は放免してやった。

 ま、月1800円程度で30枚前後レンタルできるのだから、1枚あたりのコストは60円である。1回分120円。さしたる額ではない。私のイライラが募るのが最大の損害である。
 が、だ。会社の性格、窓口になった個人の性格、能力は、トラブルに直面したときにあからさまになる。という視点から観察すると、高崎のオッちゃんは口先で客を誤魔化そうとした。単なるトラブルに油を注いで紛争に拡大しかねない阿呆である。私が管理職なら、こんな性格の男をクレーム対応窓口には使わない。
 川越西のオッちゃんも、最初は同様の手口を使おうとした。が、流石に私に突っ込まれて、まずいと気がついたらしく、その後の対応を変えた。そこだけは褒めてやる。

 さて、明日、川越西のオッちゃんから、どんな電話が入るのか、あるいは入らないのか。
 楽しみではある。

 ちなみに、今日届くはずだったCDは、B.B.キングの

 Blues Is King
 Deuces Wild


 でありました。
 この2枚、いつ届くのか……。



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