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 2015年9月16日 数

 といっても、ボツボツと勉強、というか、高校の参考書を楽しんでいる数学の話ではない。
 事はもっと現実的な話で、メディアなどでよく使われる

 「数の暴力」

 の話である。

 いま、安倍政権は安全保障関連法案を国会で通して成立させようとしている。今夜、参議院の特別委員会で採決されそうな雲行きである。特別委員会を通れば参議院本会議に出され、採決されて成立する。

 それを許してはならぬ。憲法9条を守り通さねばならぬ。戦争は嫌だ。徴兵制などとんでもない。
 様々な反対論がある。その、反対する人たちが口にするのが

 の暴力」

 である。自民党、公明党でつくる政府はいま、国会で圧倒的多数を持つ。だから、その数を生かして安保関連法案の成立を目指すのだが、

 「そんな! 国会で過半数を超える多数派だからといって勝手なことをしていいはずがない。数の暴力を許してはならい。数の暴力を許せば民主主義が破壊される」

 まあ、おおざっぱに言えば、そんな反対論が渦巻いている。

 なるほど、私も安保関連法案にはきな臭さを感じる。日本が直ちに戦争をする国になるとは思わないが、戦争ができる国になるのは間違いないからだ。
 だが、この法案を国会で通すのは

 「数の暴力」

 なのだろうか?
 民主市議を破壊するものなのだろうか?

 原理原則に戻って考える。それをラディカルという。ラディカルとは、決して「過激」という意味ではない。
 で、いまの事態をラディカルに考えるとどうなるか?

 政党が第一党の座を目指してしのぎを削って選挙戦を展開する。それは自民党も民主党も共産党も変わるまい。そして有権者は、自民党が選挙民を大量買収したわけでもなく、警察権力を動員して反対勢力をつぶし認可買ったわけでもないまっとうな選挙戦で、その中から自民党に圧倒的多数を与えた。それに、コバンザメのようにくっつく公明党を加えれば、民主党以下の政党は芥子粒のような、吹けば飛ぶような存在でしかない。

 つまり、国民、有権者は、自民党にフリーハンドを与えたのである。であれば、自民党が党是とする防衛力の強化、日米防衛同盟の強化を図るのは当たり前である。己の主義主張を国政に反映させるために国会で多数になることを目指し、実現した。であれば、何を躊躇することがある?
 そもそも、そのための選挙であり、自民党は民主主義のルールに則ってその地位を得たのだ。

 だが、安保法政に反対する国民が数多くいるではないか。その主張を切り捨てていいのか?

 いいのである。そうやって国としての意志決定を図るのが代議制民主主義なのだ。多数を制した政権政党が少数派の反対を無視して政策を実現する権限を与えたのは、国権の主体である国民なのである。何をためらうことがある。

 「いや、それでも」

 という方にお訪ねしたい。
 では、475人いる衆議院議員のうち、たった1人だけが反対する法案を賛成多数で成立させてはいけないのか?
 反対が2人ならどうするのか?
 3人なら、4人なら……。
 反対がどの程度の数になれば、法案を成立させることが

 「数の暴力」

 になるのか? 賛成375対反対100ならどうか? 賛成275対反対200なら? 237対236なら?
 
 さて、数の暴力が成立する境界線はどこか。あなたは何処に線引きされるのか?

 私は、法律に定められたルール通りに物事を進めるしかないと思う。与党も野党も国民も、そのルールを知った上で選挙をし、結果を出すのだ。であれば最初からあったルールに沿うしかないのではないか? その多数決ルールに沿って法案が成立するかぎり、それは合法であり、数の暴力ではない、と考えざるを得ないのではないか?

 「だけど、こんな危険な法案をどうする? 安倍の横暴は許せない!」

 私も同意する。同意した我々に、どのような道があるのか?
 次の選挙で自民党、公明党を野党に叩き落とすしかないのである。安保法案を推し進めた奴らを冷や飯食いの野党にし、今回成立する安保法案を、すべて廃棄する法案を国会に提出し、賛成多数で決める。
 さてその時、自民党の支持者、公明党の支持者は

 「一度成立した法律を多数の力で廃止するなど、数の暴力だ!」

 と騒ぐであろうか?

 無論、いまの民主党の体たらく、顕微鏡で見なければならぬほどの少数でしかないその他の政党の存在感のなさを考えれば、私の提案は夢物語かも知れない。
 だが、よくよく考えて欲しい。それ以外に道を見いだそうとすれば、かつての連合赤軍のように武装蜂起し、軍事力でクーデターを起こして安倍政権を倒すしかなくなる。あなたはそんな道をお選びになるのだろうか?


 にしても、である。
 またまた出ました、という感じの

 「俺たち、有名人」

 型の反安保法制のデモンストレーション。私は反吐が出る。
 いったい、自分を何様だと思っているのだろう? 人様に名前を売らねば暮らしていけない仕事を選択し、たまたま成功したが故に著名人になったに過ぎない連中は、我々一般庶民が1人1票しか持たない制度の中で、著名であるが故に1人100票持って然るべきだとでも思っているのか?

 「俺、有名だから、政府だって俺の主張に耳を傾けるべきだ」

 とでも思い上がっているのか。
 安保法案に反対するのは国民の権利である。どのような仕事をしていようと、どのような立場にあろうと、国民の案安保法制のうねりの中の一員となり、見ず知らぬ人と腕を組み、フランスデモの一員となって主張を通す努力をする、程度の常識を持ち合わせないのか?

 「えっ、ひょっとしたら、あなた、坂本龍一さん?」

 フランスデモで銀座を歩きながら、そんな体験をした「庶民」は、あなたのことを仲間として忘れまい。しかし、

 「俺、有名だから」

 と庶民と離れ、空疎なコメントを出し、有名人のグループで動くあなたには、反吐を吐く私のような庶民がいることも知っておいていただきたい。

 そうだね。
 著名である方々は、次の衆議院選挙を目指して、寄り集まって政党をお作りになってはいかがか。
 目的は唯一、安保関連法の廃棄。ズルズルの民主党とは一線を画し、決して同調しない。「平和党」なんて名前をつけて、300人が立候補して全員当選を目指す。衆議院で300の議席を占めれば、目的は簡単に達することができる。安保関連法をすべて廃棄したら直ちに衆議院を解散、次の選挙には全員が立候補しない。
 さて、その際の首相は大橋巨泉? 高畑勲?

 いずれにしても、世界史に残る画期的な運動になると思うが……。



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