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 2015年6月19日 麻薬

 私はトヨタ自動車の車はほしくない。
 レクサスを私にプレゼントしたいという奇特な人がいれば、もちろん、

 「それはそれは。本当にありがとうございます」

 とありがたく受け取る、そのあと、直ちにガリバーに査定に出して売却するのはいうまでもない。できた金をふところにBMWのディーラーを目指す……。

 そのトヨタ自動車の、開闢以来初めてという米国人女性役員が、麻薬を密輸した疑いで逮捕された。
 私みたいなトヨタ嫌いなら

 「それ見たことか!」

 と快哉を叫ぶのが普通かも知れない。
 だが、私は普通の人ではない。究極のへそ曲がりである。究極のへそ曲がりは、こう考える。

 「ん? 日本の警察は、トヨタ自動車、アメリカ合衆国を相手に喧嘩を売るつもりなのか?」


 メディアで報じられている容疑は、たいしたものではない。
 オキシコドンという鎮痛剤を57錠、密輸入しようとしたというものだ。

 この薬、麻薬の一種ではあるが、モルヒネが効かない患者にも効果がある鎮痛剤で、米国では普通に処方されている。また、処方箋なしで薬局で買うこともできるという、普通の薬である。
 日本でも医療麻薬として承認されているが、処方箋がなければ手に入らない。そして、日本に持ち込む場合は、医師の処方箋を添え、自分で持ってくるのが条件なのだそうだ。以上は、新聞から得た知識である。
 それを、逮捕されたトヨタ自動車常務役員のジュリー・ハンプさんは、日本のホテル宛ての小包で持ち込もうとした、というのが容疑らしい。

 どうでもいいじゃん。

 と私は思う。こんなものにまで目くじらを立てるとは、日本の警察って、よっぽど暇なのかね? そういえば、最近は政治家の大物も、高級官僚も、一流企業の経営者も、ちっとも逮捕されないもんな。

 なぜ、どうでもいいのか。

 まず、米国では一般薬である。それを日本では麻薬として取り締まっている。要は、国の制度の違いなのだ。車は右の国から日本に来て、思わず右を走ってしまったようなものだ。それが原因で事故が起きれば別だが、この程度のこと、普通は

 「御免なさい。知らなかったもので」

 で済ませるのが人間社会の知恵ではないか?
 考えてみるがいい。彼女が持ち込んだのは、たったの57錠である。数万錠持ち込んだのなら、闇でさばいて利益を得ようとしたとも解釈できるが、たったの57錠。自分で服用するための数でしかない。恐らく、米国でもしばしば服用していたのに違いない。その自分用の常備薬を、しばらく滞在することになった日本に持ち込んだだけなのだ。
 それって、目くじらを立てることか?

 では、その薬を服用した彼女が他人に危害を加えてことはあるのか? 少なくともこれまでの報道では、そのような事実はない。この薬、服用すると多幸感を得られるとあるから、恐らくダウン系の麻薬なのだろう。
 かくいう私も、かつて、彼のラスベガスで、普通の2倍量のモルヒネをお尻に注射したことがある。

 「ん? そうだっけ?」

 と関心を持たれた方は、こちらこちらを。

 だが、その後はモルヒネに頼ることもなく、健全な一市民としての暮らしを続けておる。彼女だって、時折オキシコドンを服用するのかも知れないが、そのために他人に危害を加えるのでなければ、個人の自由として放置されるべきではないか?

 「何を言ってる! 麻薬だぞ! 麻薬!!」

 あのね、どれが麻薬にあたるかというのは国が勝手に決めるものなのだよ。勝手に、これとこれは麻薬、と決めた上で、

 「麻薬はこんなに危ないのだ!」

 とキャンペーンを展開する。阿呆なメディアは、国が敷いた絨毯の上で

 「危ない、危ない、麻薬、麻薬」

 と踊り狂う。
 国が始めた戦争を、メディアをあげて煽ったあの頃と同じ構造なのだ。こうして、かつては鬼畜米英、が国民の常識となり、いまは麻薬=悪が通り相場となった。

 ねえ、一部の麻薬より遥かに習慣性が強いという酒やタバコがどうして許されているのだろう?
 タバコより習慣性は遥かに少なく、体への害も小さいという大麻が、どうしていまだに麻薬なのだろう? 確か、オランダなどでは解禁されているはずなのに。

 加えていえば、アメリカには、コカインなどの麻薬を解禁したらどうか、という議論もあると聞く。政府が禁ずるから闇商人がはびこり、巨額の不当利益が出て、資金洗浄が行われ、巨万の富を築く輩が生まれる。であれば解禁して、堂々と一般市場で売ればいいではないか。そうすれば、需給関係で自ずから価格は決まり、巨額の黒い利益が生まれることもなくなる。
 その上で、科学的に解明された麻薬の害は大々的にキャンペーンしたらよろしい。つまり、今のタバコのように

 「喫煙は、あなたにとって心筋梗塞の危険を高めます」

 みたいなことを販売用の箱に書くわけだ。それでも

 「俺は阿片をやる」

 「いや、コカインがいい」


 という方はご勝手に。ただし、やった上で犯罪に手を染めたら、びしびし取り締まって普通より厳しい刑を言い渡すぞ。

 それでいいのではないか?

 という程度のことも考えずに、警察が垂れ流す情報に群がり寄って、知性のかけらもないニュースを量産する「察担」といわれる記者グループは、幼稚園児並みの知能の持ち主の集まりか?

 きっと、このような連中が権力と呼吸を合わせて、アメリカとの開戦に国民を煽るのだな。
 であれば我々小国民は、正しきものと間違ったものを見抜く透徹した目を持って自衛するしかない。

 さあ、みんな、自衛戦争への備えはできてるかな?!
 まずは、ジュリー・ハンプさんの釈放を願おうではないか。



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