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 2015年3月20日 成長

 夕刻、横浜の次女から電話が来た。

 「あのさあ、瑛汰の数学なんだけど」

 数学? 瑛汰はまだ小学2年生、来月からやっと3年生だぞ。算数の間違いだろう。

 「そうじゃないの。瑛汰は公文でもう中学段階に進んでいるの」

 はあ、そうなの。小学2年生で中学数学ね。ま、鶴亀算なんて面倒臭いことをしなくても、未知数xを使えば簡単に解ける問題は多いわな。それで?

 「でね、xが−1/2の時、−xの2乗のマイナスなんだけど」

 ちょいと待て。おい、紙と鉛筆! よし、いってみろ。

 「公文でやってきたの。で、答えはあってるんだけど、途中式が」

 待て。とりあえず式を書いてみる。マイナスの括弧−xの二乗な。うん、分かった。まず、−xの二乗はx二乗だろう。でxが−1/2だから、ここはプラスの1/4だよな。それに−がついてるから、答えは−1/4だ。

 「やっぱりそれでいいのよね。何か、瑛汰は途中式が間違ってて、でも答えだけ合って○をもらってきてるんだけど」

 どうやっても、答えは変わらない。に最初から−1/2を代入してもいいし、xのまま計算して、答えは−x二乗。そこに−1/2を代入してもいい。一般的には、まず文字式のまま計算して、最後に代入した方が間違いが少ない。

 「うん、そうよね」


 「ボス!」


 傍らから、瑛汰の甲高い声が聞こえた。おお、瑛汰、どうした?

 「あのさ、今日本が届いたよ」

 そうか。昨日amazonに注文した、斉藤隆介の本だな。

 「それでさ、璃子がふてくされてるんだよ」

 どうして?

 「だって、ボスはお兄ちゃんにばかり送ってくる、って怒ってるんだ」

 ん? ああ、そうか。

 この2,3日の間に、四日市の啓樹と横浜の瑛汰に2冊ずつ本を送った。
 1冊は「理科好きな子に育つ ふしぎのお話365」。新聞の書籍広告で見て、啓樹も瑛汰も興味津々で読んでくれる本ではないかと思った。
 もう1冊は昨日手配した「斎藤隆介童話集」である。先日横浜に行ったとき、ふと「ベロ出しちょんま」を、瑛汰と璃子に読んでやりたくなった。我が家には、斉藤隆介の童話集が、ハードカバーであったはずである。と思って本棚を探したが、ない。

 「おかしいな。何処に行った? でも、あれ、本当のやさしさと勇気を教える、実はとっても恐ろしい本だ。啓樹も瑛汰も璃子も嵩悟も、一度は読んでおいた方がいい」

 と注文したのである。
 で、四日市に送る分は、どちらも啓樹宛にした。
 横浜に送る分は瑛汰宛である。

 「どうしてお兄ちゃんばかりに来るの。璃子には来ないの? ボス、璃子のこと嫌いなの?」

 ということなのだろう。
 瑛汰、璃子を電話に出して。
 
 「璃子、璃子も本がほしかったら、ボスにお手紙を書いて、その中でこの本がほしいっていってきな。四日市の嵩悟はこの前手紙をくれてな。なにかパトカーの本、消防車の本、働く車の本、全部で7冊ほしいって書いてきたんだ。だから、ボスは7冊全部送ってあげた。璃子も、そうやってボスにお手紙を書きなさい」

 「うん、分かった」

 「それに、お兄ちゃんに送ったけど、あの本、璃子も読んでいいんだよ。読めなかったらママに読んでもらいなさい。あれはお兄ちゃんひとりだけの本ではないんだから。そうか、次に送るときは、璃子に送ろうかね」

 「うん! でも、璃子さ、今日図書館に行って、本をいっぱい借りてきたんだ」


 「そうか、璃子、偉いなあ。それで、ボスに買ってほしい本があったら、お手紙を書くんだよ。そうしたら、璃子に送ってあげるからね」

 どうやら機嫌は戻ったようである。

 2つの小包がボスからお兄ちゃんに送られてきた。それなのに自分には来ない。ボス、いったい何やってるのよ?

 と怒るのは、成長の証である。お兄ちゃんと自分はそれぞれ別の人格であり、お兄ちゃんが愛されるのと同じように、あるいはそれ以上に自分も愛されたい、とは自我の目覚めである。

 璃子、心配するのではない。ボスにとって、お兄ちゃんも璃子も、それに四日市の啓樹も嵩悟も、みんな可愛いのだ。安心してボスに甘えるがよい。

 「で、璃子。今度横浜に行くときは、何をお土産に持っていこうか。璃子は何を食べたい?」

 「えーっと、璃子は何でもいい」

 分かった。何がいいか考えて持っていくから待っていなさい!



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