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 2014年12月21日 弱り目に

 別に言い訳をする必要はないと思うのだが、とりあえず、

 18日木曜日は、突然飲み会が発生した。
 19日金曜日は、前橋で会社の忘年会であった。
 20日から、我が妻女殿の歯の治療簿ために横浜にいった。
 そして今日戻ってきた。

 というわけで、この間、日誌を書くゆとりがなかったのであります。
 やっぱり言い訳かな、これ。

 で、である。
 今回の横浜行き、実によろしくない横浜行きであった。

 土曜日の9時半頃桐生を出た。北関東自動車道路→関越自動車道→圏央道とたどって、次女の旦那が歯科医を開業している相模原までの2時間足らずのドライブである。
 このルートをたどるのは、今回が2回目である。今回はかなり空いていて、おおむね追い越し車線を走る我が愛車は、140q程度の高速で流れている追い越し車線を走り続けた。
 念のために申し上げると、私は140q、150qという高速で走ることを求めるものではない。ま、100qで走るのはかったるいとしても、とてつもない速度で走ろうとは思わぬ。
 では、なぜ140q、150qにまで速度が上がるのか? ひとえに、私の前を走る車がその速度を出すからに過ぎぬ。

 「前の車が150qではしっても、お前は110qで走ればいいではないか」

 という当然の疑問も持たれよう。そう、そこが肝なのだ。
 前の車が150qで走り、後続の私の車が110qで走ると、当然ながらどんどん引き離され、車間距離が膨大に空く。私には、それが許せないのだ。膨大な車間距離とは、究極の無駄である。だって、そこに多額の建設費をかけた道路があるのに車が1台もいないのだ。それを無駄と呼ばずに、何を無駄と呼ぶ? 私はそれが許せない。
 ひいては、そのようんば無駄を許容する心が渋滞を招く。すべての車が前の車と同じ速度、同じ車間距離で走り続ければ、信号のない高速道路では渋滞はまず起きない。そして、渋滞とは時間と燃料の無駄をもたらすものである。

 というわけで昨日はそのような速度になったのであって、私があえて速く走って見せようなどという不埒な考えを持つものでないことはおわかりいただいたと思う。

 で、入間の少し手前であった。突然、

 ピシッ!

 という音がした。発生源は我が愛車である。走行中に、愛車が異音を出すのは心臓に悪い。異音の原因が走行系に関わるところであれば事故につながりかねないのである。だから、いつも

 「ドキッ」

 として発生源を探すのだが、まず見つからない。車が何事もなくそのまま走り続けるから、

 「たいしたことではなかったのだろう」

 と考えるだけで、でも、音源不明のままでは

 「間もなく決定的な不具合が発生するのではないか?」

 と心配し続けることになる。で、ほとんどの場合、何事もなく目的地に着き、自宅に帰り着き、やがて音がしたことを忘れるのである。

 昨日の異音は、珍しく、直ちに発生源が分かった。フロントウインドウである。見つけたのは妻女殿で

 「あ、割れてる!」

 見ると、フロントガラスの中央やや下部に傷が入っている。はねた石がぶつかったらしい。なにしろこちらは、多分140q程度で走っているのだ。その速度で硬いものがガラスにぶつかれば、この程度の障害が起きるのはあたり前といえば当たり前である。しかし、一体どこから飛んできた石なのか?

 ま、そのような事を詮索しても始まらない。私は異音の原因が直ちに明確になったことで、

 「ああ、車の安全には何の問題もない」

 と胸をなで下ろした。胸をなで下ろすと、思考は現実に向かう。

 「これ、ガラスをそっくり取り替えるのかなあ? 結構金かかるぞ。どうする?」

 ふと思い出したのは、車の保険である。かつて、自分に責任がない原因で車に傷ができた場合、等級が下がることなく、保険で修理ができる制度を1度だけ使ったことがあるのだ。そのときも原因ははねた石で、ボディに数カ所、凹みが入っていた。

 「今回もそれで行くか」

 と考えて、

 「待てよ」

 と思いついた。いつのことだったか、車の保険料が結構上がった。その後保険の更新をしたのだが、あまりに保険料が高くなったため、保険内容を削れるだけ削ったのである。

 「削れるだけ削ったけど、この事故、等級を下げずに修理できるかな?」

 これは週明け、保険代理店に聞くしかない。暗い気持ちになった。

 妻女殿を、歯の治療にお連れする、いってみれば奉仕活動をしているのに、何故にこのような目に合わねばならぬのか?
 何となく納得できないまま、歯の修理を終わられた妻女殿を車に乗せて発信すると、えっ、警告灯が点いている! それも、なんと、前回と同じ警告灯である。エンジンでガソリンが完全燃焼していないことを示す。

 「おい、それって、つい先日同じ症状が出たんでプラグとコイルを換えたばかりなんだよ。それなのに、何で再現する?」

 ガラスに傷ができ、挙げ句の果てに、修理して1ヶ月もしないのに同じ症状が出る。弱り目に祟り目って、こんなことを言うんじゃない?

 プラグとコイルを修理してくれた工場に電話をした。

 「どうなってんの。修理してもらったばかりなのに、また同じ警告灯が点いたんだけどさ。しかも、いま相模原でさ、おたくに車を持っていくわけにも行かないし、さて、このまま桐生に戻れるかどうかもわかんないんだよね」

 工場さんは恐縮した。恐縮した挙げ句、

 「申し訳ありません。そちらで何とか修理していただけませんか。その費用はうちで持たせていただきます」

 ま、当然の反応ではある。

 取扱説明書を見ると、この警告灯が出た場合は、走り続けてもいいが、高速走行はだめ。それを守りながら、直ちに正規ディーラーに持ち込め、とある。
 その時走っていたのは国道16号。いつも渋滞している道である。車のディーラーもたくさんあったはずだ。目を皿のようにしてBMWのディーラーを探した。

 「この警告灯が出て、プラグとコイルをすべて取り替えてから1ヶ月にもならない。どうして同じ警告灯が出るのか?」

 私の問いに、ディーラーの整備担当がいった。

 「だとすると、今回は吸気バブルのタイミングを取る機材のあたりだと思われます」

 「だって、この警告灯はシリンダーでの点火異常を示すのでは?」

 「いや、結果として排気が汚れていることを示すので、原因はプラグ系統でないこともあるのです」

 「分かりました。じゃあ、修理してください」

 「といわれましても、この修理には3、4日かかります」

 「えっ、それは困る。私はいま桐生市に住んでいて、明日は桐生に戻らねばならない。だから、それほど長い間車を預けるわけにはいかない」


 困り果てるとは、このようなことをいう。

 「分かりました。でも、現状から判断する限り、桐生までならこのまま走っていただいても大丈夫だと思われます。修理は桐生に戻られてから、向こうでおやりください」

 「でも、取説には、高速走行はするなと書いてある。高速道路を通らないと帰れないんだが」

 「大丈夫だと思われます」


 ということで、私の車は警告灯を消す処置を受けただけで、また現役に戻った。

 「しかし、その修理にはいくらぐらいかかるので?」

 「はあ、15万円から20万円程度かと」

 「はあ、そんなに」

 「はい」

 「で、その修理をすると、そのほかに経年劣化するところはなくなるのかな? すでにプラグとコイルは換えた。先日は少しオイルが漏れていたのでオイルパンを換えた。その前は冷却水の継ぎ手が壊れたのですべて取り替えた。経年劣化部品はその程度だといわれているんだけど」


 「いえ、まだあります。オイル系統でも、取り替えていただいたのは下の方にあるオイルパンだけで、上の方にもパッキンはありますし、フィルターもあります。それにミッション系統もありますし、ほかにも……」

 「そんなに?」

 「やっぱり9万qともなりますと」

 「ねえ、あなたがこの車のオーナーだとして、これ、修理する? それとも買い換える?」

 「はあ、私なら買い換えます」

 「欧州の車ってそんなに弱っちいのかね?」

 「いえ、国産車は10万qを越えると全体に壊れてきますよ」


 暗い気持ちでディーラーを出た。
 買い換え? 予定にないぞ! それにしても、結構年代物のBMWに乗っている連中は、そんなに修理代を払っているのかね? 飛びこんだ先がディーラーだけに、脅しをきかせて買い換えさせようってか?

 そういえば、整備担当は

 「運転していて、何か違和感はありませんでしたか?」

 としつこく聞いていたな。ということは、ひょっとしたら正確な原因は分かっていないのではないか? とりあえず警告灯が出た。オーナーの話では、プラグとコイルは取り替えたばかりだという。おい、だとしたら何で警告灯が点く?
 と考えて、可能性のひとつを上げただけではないか?

 「どうしようもないんなら買い換えを考えてもいいわよ」

 と妻女殿は珍しく同情的である。ま、車とそれを運転する私がないと妻女殿は通院すらできないのだから、そのように考えたくもなるのだろうが……。

 まだ結論に至ってはいない。
 できることなら、買い換えはBMWの次のモデルにしたい。世に出るのは恐らく4年後。それが叶わぬなら、せめてマイナーチェンジ後にしたい。日本車と違い、欧州車はマイナーチェンジで中身を思いっきり進化させてくる。私が乗っている車も、マイナーチェンジで燃費が2割以上良くなっていたのである。

 警告灯が消えた我が愛車は今日、再び同じような速度を出して首都高、東北道を通って桐生に戻った。快調である。しかも、警告灯は消えたまま。
 あれ、ひょっとしたら単なるセンサー異常で警告灯が点いただけじゃないのかね? という疑いを消せない私である。

 さて、どうしたものか……。思いは千々に乱れる。


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