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 2014年2月25日 有識者会議

 というのが跋扈している。
 googleでググったら、まあ、たくさんあるんだね。

 ・電気料金有識者会議
 ・秘密保全法制 有識者会議
 ・クールジャパン有識者会議
 ・退職給付 有識者会議
 ・原子力委員会 有識者会議

 まだまだあるぞ。

 ・経済社会構造に関する有識者会議
 ・皇室典範に関する有識者会議
 ・国内の石油業界の供給過剰構造を是正するための有識者会議
 ・今後の治水対策のあり方に関する有識者会
 ・子どもの自殺予防策を考える文有識者会議


 おいおい、日本は有識者で埋め尽くされているのか? でも、俺の身のまわり、ちっとも有識者らしいヤツいないぞ。自称文化人は掃いて捨てるほどいるが。

 と悪態をつき始めたきっかけは、午後7時の、我ら国民のNHKのニュースである。なんでも、最後に例示した「子どもの自殺予防策を考える文部科学省の有識者会議」が開かれて、そこに列席した有識者の1人が

 「子供が自殺するとまずいじめが疑われ、いじめがないと判断されるとその後の調査がずさんになる。いじめが原因ではない場合も、きちんと調査すべきだ」

 という趣旨の発言をされたそうな。

 何それ? そんなん、有識者、つまり人並み優れた知識がないといわないことかい? 落語に出て来る横町のご隠居さんだって、

 「何だって? 長屋の与太郎んとこのボンが首くくった? おいおい、何があったんでえ。昨今、寺子屋で虐められてオッ死んじゃった、って話はいっぱい聞くけど。え、あのボン、虐められるような玉じゃねえって? そうだなあ、うん、そうだ。あいつはそんな玉じゃねえ。だったら、何で首なんかくくりやがった? えっ、分かりません? 虐めじゃなきゃ、寺子屋の責任じゃないんで、お上もそれ以上は調べません、だって? おう、クマ公、あのなあ、はばかりながら、いくらガキだとはいえ、人間一人が首くくってんだぜ。もっと調べて、ああなるほど、そりゃあ、あのボンも首くくりたくなるわなあ、って、残った俺たちが納得しなきゃあ、死んだボンが浮かばれねえじゃないか。おい、クマ公、そこで何をボーッと突っ立ってやんでえ。行かねえか、走れよ、ほら。どこに、何しに行きますかだと? てやんでえ、このスットコドッコイ。ボンが何で首くくったか調べるんだよ。調べて分かるまで、このうちの敷居はまたがせねえから、そう思って、さっさと行きやガレ!」

 ぐらいの啖呵は切る。ご隠居さん、大学はおろか、高校だって卒業しちゃいまい。絶対に。有識者なんぞではない。
 つまりだ。そんな当たり前のことを、

 「私は並優れた知識を所有するものです」

 という方がおっしゃるのが、どうにも肩書きにそぐわないのだ。
 まあ、この有識者、他にもいろいろおっしゃったのだろう。その中からここだけ抜き出して電波に乗せた我らがNHKの識見も滅茶苦茶変だ。
 しかし、深い知識をお持ちのはずの偉い先生が、こんな長屋のご隠居さん同等の見識を述べて、

 「私は並優れた知識を所有するものです」

 と胸を張っておられるのも、どうにも腑に落ちない。あんた、自分がしょってる肩書きが恥ずかしくないの?

 知識人とは、己の知るところより、己の知らないところに神経を尖らせる人々である。だから彼らは、常に劣等感に苛まれる。

 「ああ、まだ我が知識は全世界を覆うまでには至っていない!」

 だから、彼らは研鑽を積む。
 のではないか?
 と私は思う。

 それなのに、

 「私は並優れた知識を所有するものです」

 と胸を張って、有識者会議に列席する者どもとは何か。
 一言で言えば、恥知らず、である。

 「確かに、私は勉学を積みました。従って、多少は皆様より知るところは多く、ひょっとしたらお役に立てるかもしれません。その限度なら、いくらでもご協力します。しかし、私の知が及んでいないことについては、どうかご容赦願いたい」

 まっとうに知を研鑽する人々なら、そう思うはずである。そして、

 有識者会議

 などというおどろおどろしいものには、

 「まっぴら御免。我はその任に非ず」

 と席を立つ。

 何か、すべてが軽く軽くなる時代だ。
 スクリーンからもディスプレーからもスターが消え、ちょっと可愛い程度の隣の姉ちゃんタイプがもてはやされる。どのような手立てを使っても金を貯めたヤツが仰ぎ見られる。深く訴えるキャラより、とにかく笑いを取るタレントがのし歩く。音楽そのものより、音楽を見せる舞台装置、パフォーマンスが重視されるのは、マイケル・ジャクソンに始まった堕落か。まあ、マイケルさんはそれでもいい曲も作っているが。
 それが、知の世界に及んだとしても、不思議ではない。

 信じまい。こんな詰まらぬ有識者なるものがまとめる答申なんて頭から疑おう。
 ヤツら、世の行く末より、己の名声政府からのご愛顧を重視しているに違いないのだから。
 信じまい。こんな詰まらぬ有識者なるものがまとめる答申なんて頭から疑おう。

 はっ、久々に堅苦しいことを吐き出した。名声も政府からのご愛顧もない一市井人の恨み辛みと読み飛ばしていただければ幸いである。

 さあ、気分直しに映画でも見るか?

 

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