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 2013年9月23日 格闘

 朝方、東京のSさんから荷物が届いた。
 
 ADVC HD50

 といっても、普通の方にはおわかりあるまい。うん、分からないのが普通で、こんな符号で

 「えっ、そんなものが送ってきたの!?」

 などと騒ぐ方は、己がいかに異様な暮らしをしているかを重々反省された方がよろしい。
 私もSさんも、反省という概念から外れたところで生きているらしく、2人の間では「ADVC HD50」で十分に話が通じてしまう。
 困ったことである。

 これは、HDMIの信号をIEEEにしてはき出してくれるブラックボックスである。それぞれがどんなものかは、それぞれのリンク先で学習していただきたい。
 という私も、実はよくわからないので、まあ、拙文をお読みいただく限りにおいては、学ぶ必要はないと思量される。

 要は、ハイビジョン映像をやりとりする時の規格である。で、何故変換せねばならないかというと、既存のハイビジョン映像をコピーするときに必要であるからだ。
 現行の映像機器は、ほとんどが映像、音声信号をHDMIでやりとりする。それはいいのだが、困ったことに、レコーダーはHDMIでは信号を受け取らず、もっぱらIEEEでしか受け付けない。
 ために、コピーをしようと思えば、この二つの信号を変換するADVC HD50が必要になるのである。

 ここまではご理解いただけたでしょうか?

 何故こんなものが必要とするのかは、折に触れて書いた記憶がある。しかしまあ、私の書いたことをすべてご記憶の方は稀であろう。なにしろ、書いた当人の私にしてからが、

 「ん、これ、書いたっけな?」

 ということがしばしばだから、記憶に留めていらっしゃらない皆様を責める気は毛頭ない。よって、ざっと振り返る。

 我が家には、ハイビジョン映像の保存手段としてデジタルビデオデッキしかなかった時代のテープが200本ほど残っている。当初はもっとたくさんあったのだが、再放送されるたびに録画し直し、ブルーレイに置き換えた。しかし、なかなか再放送されない映画や音楽番組がこれだけ残っているのである。

 これを何とかブルーレイ・ディスクに置き換えたい。長年の夢であった。何しろ、テープは場所を取る。
 そこに、プロスペックDVE795という画像安定装置が現れた。テープからディスクへのコピーを阻んできたコピーワンスの信号をはずしてくれる。D端子で入力を受け付け、同じくD端子ではき出す。

 「おっ、これで出来そうだ!」

 喜び勇んだ私が購入したのは1ヶ月ほど前のことであった。
 デジタルビデオデッキでデジタルテープを再生する場合、デッキに映像のデコーダー(デジタル化された映像をアナログに戻すパーツ)が搭載されていない。よって、デッキの信号をまず、かつて存在したデジタルハイビジョンチューナーに送り、チューナーにはいっているデコーダーで映像を戻してテレビに映し出した。

 「だったら、デッキとチューナーの間に、この機器を挟めばコピー制限が解除できるではないか」

 浅はかだった。デッキとチューナーはIEEEでの接続しかできなかったのである。事前に気がつかなかった私のミスだ。それはいいとして、これでは、せっかく買ったプロスペックDVE795が死ぬ。

 調べた。もうひとつ、同じプロスペックにHVE-701という機械があった。これはデジタル端子で受け取った信号をUSBHDMIで吐き出す。これなら、外付けのハードディスクへの保存は出来る。
 だが、これでもまだ、ブルーレイ・レコーダーは信号を受け取れない。つまり、ブルーレイ・ディスクには出来ない。そこでADVC HD50の出番なのである。
 そう、これはHDMIで受け取り、IEEEで吐き出す。どうだ、これならデジタルテープのコピーが出来る!

 とは考えた。しかし、価格を見て足がすくんだ。スペックDVE795は2万円強だ。足がすくむほどではない。HVE-701は3万円弱。ここまで来たのだ、その程度は踏ん張らねばなるまい。
 ところが、なのだ。ADVC HD508万円弱。………。

 そこに救いの主として現れたのが、このホームページを通じて知り合ったSさんだった。何度かのメールをやりとりした。私が買いますというSさんに、

 「それは筋が通りません」

 と拒否権を発動した。切実に必要としているのは私なのである。私が保存する映像資産のいくらかが欲しいからといって、そんな負担をするいわれは毛頭ない。
 ところが、Sさんはいってきた。

 「はあ、会社の研究費で落とせると思いますので」

 この提案に私は飛び乗った

 というわけで近々、SさんがADVC HD50をひっさげて桐生にお見えになるはずだった。それがちょいとしたいきさつがあり、今日、機器だけ届いたというわけである。

 まあ、夢に見続けた3種の神器がすべて揃った。これを前に、じっとしておれるほど私は大人ではない。朝からそわそわと落ち着かず、機器が届くと同時に開封し、接続を始めた。

 「ん、これじゃつなげないじゃないか」

 とケーブルを買いに電気屋に走った。
 が、急(せ)いては事をし損じる。テープにはまだ手をつけず、ブルーレイ・プレーヤーからD端子経由で信号を出し、レコーダーでの録画を試みた。
 その挙げ句が、

 「信号が出てこない!」

 レコーダーは、頑として、受け取る信号がないことを主張した。どこかに問題がある。

 このようなときは、最初の段階から検証していった方がいい。

 最初にプレーヤーの信号を受け取るのはDVE795である。ところが、こいつには映像信号出力はD端子しかない。なのにテレビにはD端子がない。
 であれば、HVE-701もつなぎ、そのHDMI出力からテレビに出すしかない。つないで、プレーヤを再生した。音は出た。ところが、映像が出ない。テレビの画面は真っ黒のままである。黒い画面の中で、サザンオールスターズが歌っている。そう、再生したのは、昨日WOWOWが生放送した

 サザンオールスターズ35周年スペシャル『灼熱のマンピー!! G★スポット解禁!!』

 のライブなのだ。

 音声信号だけなら、画像安定装置なんてなくても取り出せる。肝心の映像が出ないんでは、DVE795よ、お前の立場がないんじゃないか!?

 どうやっても映像が出ない。一時は断念した。
 しかし、何故映像が出ない? 音声がHDMIケーブル経由でテレビに送り込まれているということは、機器は正常に作動しているのではないか? だったら、映像に関する設定がどこか違っているのか?

 違っていた。
 DVE795の初期設定は、デジタル端子で映像を受け取らないことになっていた!
 それに気がついたのは、もう夕方である。設定を、D3にすると、見事に映像まで出るではないか!

 が、だ。D3とは、映像で言うと最高のスペックではない。この上にD4があり、D5がある。DVE795D4まで対応していると解説書にあるが、D4に設定すると、出ないのだ、映像が。
 何故か。我が家のプレーヤーはD3でしか映像を出していないのか? 放送自体がD3の規格のなのか?

 まあ、山場は越した。もう焦ることはない。明日、問い合わせる予定である。

 ふーっ、そういえば、朝から2ヶ月ぶりぐらいで車を洗った。終えてこの作業に没頭した。一時断念したあとは、高校入試の数学に取り組んだ。空間図形。灘高校の問題は、やっぱり難しい。

 「そんな作図が出来るかよ!」

 と怒鳴りつけたくなった。
 灘の卒業生は、こんな問題を解いたヤツばかりなのか。その割に、

 「こいつはすごい!」

 という御仁にはなかなかぶつからないが。


 夕刻、瑛汰から電話。

 「ボス、新聞面白いからさ、買って」

 そうだった。7月から9月までの3ヶ月限定で、朝日小学生新聞を瑛汰と啓樹に読ませていたのだった。桐生の販売店に頼み、お金を払うと向こうの販売店が届けてくれる。
 瑛汰は、気に入った記事をスクラップして、もう何冊にもなったそうである。

 「瑛汰は、もっと読みたいんだって。啓樹、お前はどうする?」

 こちらから電話をした。

 「うーん、考えとく」

 「あんまり面白くないのか?」

 「面白いんだけどさ、考えて返事する」


 啓樹は慎重派だ。
 啓樹、ボスに遠慮する必要はないからな。


 明日は時間を盗んでADVC HD50の接続に挑戦、コピーに挑みそうな私である。うまくできるかな?

 

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