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 2013年9月6日 五輪に思う

 何だか、テレビといわず、新聞といわず、

 「おいで、おいで、オリンピック。東京へ!」

 の一色報道になってきた。

 私の記憶では、日本における東京オリンピック賛成派が半分にも満たなかったのは、ホンの2、3年前である。それが、いつの間にか賛成が7割を超えてしまった。
 賛成派がまだ少なかったとき、

 「何故、いま東京でオリンピックを開催せねばならないのか?」

 と疑問を呈していたメディアも複数あったと思う。
 それがどうだ。2020年の開催地が間もなく決まるといういまになると、日本国民がこぞって東京開催を請い願ってでもいるかのような報道ばかりになった。賛成派が急増したのも疑問といえば疑問なのだが、そこに切り込むメディアは、少なくとも私の目にはとまらない。

 「えーっと、おたくの新聞は、確か東京五輪開催に否定的でしたよね」

 といってやりたいのだが、さて、どのメディアが否定的だったか、はっきりした記憶がないので、それもできない。何となくイライラする。


 そもそも私は、東京五輪反対派である。
 というと、怪訝な顔をする人が周りに多いことも確かに事実だ。

 「本物、見たいじゃない? 生きてる間にこの目で」

 見てどうする、あんなもの。

 かつて五輪は、アマチュアスポーツの祭典だった。しかし、いつからか、アマチュアという言葉が外れた。競輪の選手、プロ野球の選手、プロバスケットボールの選手。何でもいいからおいでおいで。人気の高いサッカーだって、出場する選手はほぼ(というのは、確かめていないからである)プロプレイヤーばかりだ。

 オリンピックのアマチュアリズムに異を唱え得た人々は、

 「だって、社会主義圏の選手たちは、いってみれば国が抱えたプロばかりではないか」

 と言いつのった。だから、資本主義陣営からプロの選手を出して何が悪い? 官のプロと、民のプロに違いはあるか?
 確かに一理ある。だから、いつの間にか、オリンピックはアマチュアの祭典ではなくなった。

 そこまではいいとしよう。だが、同時に進行したのが、開催権の金銭化である。オリンピックは金まみれになった。
 中でも、テレビの放映権料は眼に余る。日本など、開催のたびに数十億円をふんだくられている。いや、私の知識はちょっと古くなったので、ひょっとしたらもう100億円を超えているかも知れない。テレビ局がその放映権を買い、スポンサーから金を取り、スポンサーは消費者から盗み取る。

 であれば、こんなものは祭典ではない。単なるイベントである。

 「だけど、あんただって見るでしょ」

 確かに、見たいものは見る。何処で開かれようと、我が家の50インチのテレビで見る

 「それを、生で見られるんだぜ」

 あなたは誤解している。テレビで見るから、バレーのすぐあとで柔道を見、チャンネルを変えて陸上を観戦する、ひょっとしたら、バレーにチャンネルを合わせるかも知れない、ということができる。生で見るということは、自分で足を運んだ試合会場以外の競技は見ないということである。
 それって、もったいなくないか?

 ただでさえ混み合っている東京に、世界中から人が押し寄せるのも不快である。電車も地下鉄も混む。車は渋滞で動けまい。そんな思いを住人が堪え忍ばねばならないのか? 
 あ、私は桐生の住人だが。

 要は、石原慎太郎という老人の思いつきで始まった騒ぎである。
 なぜか、猪瀬というチビの物書きが、その後を継いだ。そういえば猪瀬、チビで人をねめつけるような不快な目線であることを自覚せず、モテモテを気取っているとの週刊誌報道もあった。まあ、いいけど。
 
 ヤツの「ミカドの肖像」は、ずっと昔に読んだ。西武の堤一族の蓄財術を解きほぐした本である。堤一族は、旧皇族の土地を次々と手に入れて財をなした。
 それを読んで、

 「いい書き手が出てきた」

 と思った。その著者がいつの間にか石原慎太郎に取り入り、後を継いでにやけながらふんぞり返るチビ都知事に変身するとは考えてもみなかった。
 私の本の読み方が浅かったのかも知れない。

 ま、その猪瀬が、どういうわけか政治生命を賭して五輪招致に向かうことになった。
 この事実だけでも、東京五輪などまっぴらだという理由に十分である。
 語弊があることは充分承知でいいたい。
 福島が楯になって東京招致を防ぎ止める転回を望む。

 
 そういえば、皇族の一人が東京五輪招致に向けたスピーチをするそうだ。

 「皇族の政治行為は憲法違反だ」

 と言う声に対し、自民党のあるアホは

 「オリンピックは政治ではない」

 といったそうだ。

 モスクワ五輪を、ソ連がアフガニスタンに侵攻したという理由でボイコットしたのはアメリカ、中国、イラン、パキスタンなどである。日本もボイコット組の一員であった。
 次のロサンゼルス五輪は、その報復を受けた。アメリカのグレナダ侵攻を理由に、当時の東側諸国の多くが参加しなかった。
 ベルリンオリンピックは、ヒトラーの国威発揚策として開催されたのは歴史の常識である。1940年に東京で開催されるはずだったオリンピックを日本政府が返上したのは、日中戦争のあおりだった。

 オリンピックと政治は切っても切れない縁がある。オリンピックがどれほど商業化しようと、オリンピックが政治の具である本質には変わりはない。


 若いころに頸椎を損傷し、首から下が全く動かなくなったのに、パソコンを使ってイラストを描く人がいる、とは、今日のNHKのローカルニュースが報じたところである。
 その人、45歳の男性。

 描かれた絵を見てギョッとした。
 眼はあくまでパッチリ、ふっくらと濡れた唇と男に媚びるような視線を持つ美女である。この女、何をしても許してくれる。怒るほどの知性がないからだが、だったら、あれもしたい、これもしたい……。
 いってみれば、若くて性欲盛んなころの男が

 「ああ、こんな女と一発やりてぇ!」

 と叫ぶセクシー美女である。男の妄想をそのまま絵にしたといってもいい。
 えっ、45にもなった男が、こんな絵を描く? 首から下が動かなくなったためか?

 彼はいま、イラストレーターとして評価されているという。体が不自由になった人が自力で生きる術を手にするのは喜ばしい。
 その彼が、請われてテレビ局のイメージキャラクターを描いたそうだ。やっぱり、同種の美女である。
 その絵を見て、そのテレビ局の女性が言った。

 「素晴らしい絵で、見た瞬間鳥肌が立って……」

 おいおい、あんた女だろ? これほど卑しく書かれた女の絵を見て鳥肌が立つ? あんた、○○か?

 このニュースを見て思った。
 
 バカがバカをバカに届けるのがニュースである。

 1番目のバカ:いわずとしれたNHK
 2番目のバカ:取材を受けたイラストレーター
 3番目のバカ:視聴者


 この表現、刺激的すぎる?
 まあ、私も3番目のバカの一員ということで……。

 

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