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 2013年7月29日  Long time

 no see you.


 と最初にいわれたとき、

 「冗談も休み休みにしとき。そんなジャパニーズ・イングリッシュが通じるわけなかろうが」

 とバカにした。
 それが、実際にアメリカで使われている日常語だと知り、

 「入試で私を悩ませた英語とは、何といい加減な言葉であることか」

 と馬鹿馬鹿しくなった。
 とはいえ、近年の日本語の乱れを見れば、英語だけをバカにするわけにもいかぬ、と最近では思っている。

 で、何を書きたいのかというと、

 「皆様、長らくご無沙汰をしておりました。私、本日、長の旅から無事桐生に戻り、日誌を書き継げるようになりました」

 ということでしたかない。インテリとは、単純なことを複雑怪奇に表現する人種のことである。

 25日に桐生を出立、その夜は小菊で湊屋藤助と秀逸な魚を楽しみ、翌26日午前9時羽田発の全日空機で福岡に向かった。引き連れたのは、四日市から来た啓樹と、横浜から同道した瑛汰である。

 福岡空港近くのニッポンレンタカーでスバルB4を借りだし、大牟田へ。91歳になる我が母と、介護役としての弟嫁を車に乗せ、「つるや」でラーメンの昼食。終えて、阿蘇へ。

 翌日は阿蘇で啓樹、瑛汰を馬に乗せ、流しそうめんを食べさせ、大牟田に戻る。休む暇もなく、2人にせっつかれて三井グリーンランドのプールへ。
 
 「まだ遊びたい!」

 という2人を張り倒して生家に戻ると、すでに弟が(といっても、すでに58歳のオッサンではあるが)スタンバイしており、私はシャワーで汗を洗い流すだけで夕食の席へ。つまり、阿蘇から戻るのが遅かったので自宅で夕食の支度をする時間がないということで、外食をしに行った。

 戻って2人を寝かしつける。間もなく、私も睡魔に襲われ、寝につく。
 翌朝は、朝食を済ませ、生家の仏壇にロウソクを灯し、線香を焚きながら啓樹、瑛汰に手をあわせさせながら、私は手を合わせもせず、その儀式が終わると、弟に大牟田駅まで送らせ、西鉄大牟田線で福岡へ。

 「啓樹、瑛汰、これからお土産を買う。自分で、『これをパパ、ママ、ババ、璃子、嵩悟に持って行ったらきっと喜ぶ』と思う物を選べ。それをボスが買う」

 と命じての買い物。これは人に贈りものをするときの鉄則である。鉄則は若いうちからたたき込んでおいた方がよろしい。
 とはいえ、幼い2人はなかなか選べぬ。そのまま、空腹を訴える2人に促されて、

 お寿司が食べたい」

 とのことなので、かつて知った名店、音羽寿司で昼食。8歳と7歳のガキには過ぎた贅沢である、とは思う。が、味覚はいい物を沢山口に入れねば身につかぬ。親の立場では子に贅沢をさせることに躊躇する。親ではなくなった私は躊躇しない。世は、沢山の「立場の違い」から成り立っているのである。

 が、だ。福岡を代表する寿司店であったはずのこの店に、冷や麦やそうめん、鍋料理の品揃えがあって、

 「あ、何でもアリの場末の寿司店になっちゃった」

 との寂しい思いを抱きながら1575円×3の料金を支払う。終えて再び買い物。

 午後3時55分の全日空で羽田へ。そのままタクシーで横浜の次女宅。1泊して今朝、啓樹を新横浜駅まで送り、新幹線のチケットを買い与えて乗せ、私は次女宅で昼食を済ませて桐生に戻った。

 誠に慌ただしい旅であった。
 母親が91歳。いつ身罷ってもおかしくない歳である。恐らく長男である私の顔は見たいであろう。あわせて、ひ孫の顔も見たいに違いにない。いや、生意気盛りになった2人と時間をともにすれば喜ぶに決まっている。今年を逃したら、その機会は永遠に巡ってこないかも知れない。
 と思い立っての旅であった。

 その、死にかけであるはずの我が母は、頭はまだら惚けとなり、足は不確かになり、足が痛いと訴える老婆になっているのではあるが、ホテルでは出てきた料理の8割方を平らげた。

 「おいおい、これが死にかけた人間の食欲かよ!」

 当分、私が葬式で九州に行くことはなさそうである。

 で、桐生に戻っての私の感想は……。

 「疲れた!」

 桃太郎が犬、猿、キジを引き連れて行ったのは快適な旅であったろう。しかし、64歳がわんぱく盛りの2人の面倒を見ながらの旅は、実に己の体力との勝負であった。

 「おいおい、我が腰よ、爆発するなよ」

 「何で左腕が痺れる?」

 自分の体と相談しながらの旅であった。

 というわけで、疲労困憊の本日は、旅の中身までは踏み込まない。
 明日以降、微に入り細を穿ち、旅行記を書いてみようかな、と思って、今日は幕を閉じる。

 乞う、ご期待!!

 というわけで、私は寝る。寝て、すり減った体力の回復を図る。さて、回復してくれればいいが……。

 

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