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 2013年6月30日 あゝ結婚

 といっても、惚れた女が、私が止めるのも聴かずに

 「だって、あなたは私と結婚してくれないじゃない。できないじゃない。私、一人で生きるのが怖いのよ」

 などとほざいて、どこかの馬の骨と結婚、入籍しちまった、という話ではない。
 少し前なら、そんな話もあったかも知れないが、このところトンとご無沙汰である。寂しいね、と思わぬこともないが、何しろ、私をそんな気にさせる相手が根絶やしされた様子で、艶話にはめっきり縁がなくなった。

 「あんたも歳なんだよ」

 と嬉しそうにほざく輩もいるが、

 「冗談じゃない。俺は枯れてない。環境が悪いだけだ!」

 とわめき続けておる。何しろ、この町では30代以下の女性に巡り会うことがほとんどなく……。

 
 いや、そんな嘆きを書き連ねたくてパソコンの前に座ったのではない。

 「結婚? 結婚って、いったい何のよ?」

 と考え込みたくなるできごとがあったのが、執筆の動機である。
 何でも、アメリカの最高裁が、同性間の結婚を認めたのだそうだ。というか、結婚を男女間のものと定めている結婚保護法が、憲法に違反しているという判断を示した。 

 そりゃあ、アメリカっていう国は一風変わった国であることはとうに承知している。サンフランシスコでは、レインボウフラッグを掲げた店がたくさんある。なんでも、自分たちがゲイであることを公然と主張するためのシンボルであるらしい。

 「俺は男としかセックスしないんだ。女となんかできるか!」

 という宣言旗である。
 私は女性としかしないが、それでも、旗を立てて

 「ほら、そこの姉ちゃん、ちょっと遊んでいかない?」

 などと誘う気はない。世の中、十人十色であるとは思う。
 ま、それはいい。
 しかし、同性で、つまり男と男が結婚、女と女が結婚。なんかそれ、違わない? 結婚って、何なのさ??

 人と人とが惹かれあう。体も通じて惹かれあうことを恋愛という。私は、恋愛の相手として女性しか思い描けないが、まあ、世の中には男性に恋い焦がれる男性もいる。それは自由である。恋愛は自由なのだ。

 自由であるから、その2人は何をしてもいい。一緒に住もうと住むまいと、一緒に風呂に入ろうと入るまいと、食事はお互いに食べさせ合おうとどうしようと、日曜日は起き抜け、午前10時、お昼過ぎ、午後3時、夕食後、入浴後、就寝前に体で愛を確かめ合おうと、すべてが自由である。

 惹かれあう2人は、それで充分に幸せなはずだ。何か問題ある? 矢でも鉄砲でも持ってこい! と叫びたくなるはずだ。
 なのに、どうして結婚するのだろう? 役所に登録するのだろう?

 結婚とは何か。手元の広辞苑を開いたら

 「男女が夫婦となること」

 とあった。
 こんなことしか書かなくて、高い金で辞書を売るのはなかなか勇気のいることである。

 ま、それは別として、結婚って何だろう?

 それは、愛の証ではない。
 2人の愛が長続きすることを保証するものではない。
 2人が一緒に住むことを保証するものではない。
 2人が幸せになることを保証するものではない。

 結婚なんてしなくたってセックスはできる。一緒に住むこともできる。助け合うこともできる。子供を作ることだってできる。子供を育てることだってできる。愛が残り火のようになっても、お互いを労りながら一緒に暮らすこともできる。
 なのに、どうして結婚する? 結婚って、何にも保証してはくれないぜ。

 いったい、結婚って何だろう? 愛し合ったら、何故結婚しなければならないのだろう?
 どう考えても不思議な制度である。

 それでも、男女間であれば

 「子供が片親ってのはかわいそうだよな」

 程度の役割はある。今のところ日本では、片親の子はいじめにあいやすいということになっているからである。相続問題も絡んでくるから、やはり、子供を作るのであれば、親子関係を法的にはっきりさせておいた方が何かと便利ではある。

 でも、同性間では子供が生まれるはずもない。それなのに、どうして「結婚」しなければならないのか? 愛し合う男同士(書きながら、やっぱり趣味に合わないと思うが)、女同士(これは、見た目は遥かにエロっぽい)で愛し合うのは自由である。しかし、愛し合う同士が、

 「君たちはパートナーである」

 という公権力の認め印をどうして欲しがるのか? 自分たちの愛だけでは、何かが足りないのか? その足りないものを公権力が充たしてくれるのか?
 少数派の愛の世界を生きる人たちが、多数派の制度に組み込まれることを願う。どこかが違う気がしてならない。

 なお、私が貴女に

 「結婚しよう」

 といわないのは、私がすでに結婚しているからである。不便なことに、日本の法制度は重婚を認めていない。
 だが、いわなくても、いえなくても、貴女への愛が変わるわけではない。それは分かってるよね? だったら、たまには電話ぐらいしてくれてもいいじゃないか……。

 

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