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 2013年3月31日 知の逆転

 昨日、予定通りiPhone5iPadを購入した。
 形は小さいとはいえ、こいつらはもう、立派なコンピューターである。午前中に買い物に出かけ、昼飯を終えて設定作業をした。そう、初期設定をしてやらないと、いうことを聞かないのである。

 iPhoneの方は簡単だ。私の机上のMacと接続すれば、OSの最新バージョンを勝手にインストールし、電話帳など必要なデータを読み込んでくれる。すでにiPhoneは3台目。慣れた作業だ。

 iPadには手こずった。Macに接続してOSを最新バージョンにするところまでは同じ。あわせて、パソコンの
iPhotoに蓄えた写真を同期した。無線LANルーターも買ってきたので、iPadをネットにつなげた。せっかくiPadがあるのなら、「らかす」をiPadで見るのもいいのではないか? ここまでは何の困難もなく進んだ。

 ところが、使用目的の一つである、データベースソフト、
Bentoの同期がうまくいかない。

 Macに有線で接続し、データを同期させようとした。iPhoneなら、これで簡単に同期する。だが、iPadは意地悪だ。何度試みても、どうしても同期してくれない。パソコン上には、これをクリックしたら同期が始まるというボタンが表示されるのだが、こいつがクリックできない。
 どうやったら同期できるんだ? ネットで解答を探した。土曜日なのである。問い合わせ窓口はお休みなのだ。頼るべきはネットしかない日なのである。

 慌てず、騒がず、でも焦りながら探すこと、約1時間。やっと見つけた。
 どうやら、
Macの方も無線LANに接続しなければいけないらしい。おいおい、せっかく有線でつないでるんだから、これでやってくれよ、といいたいところだが、そういう風にしかできていないのなら、いっても仕方がない。
 MacからLANケーブルを抜き、無線LANに接続した。ここまで来るのに約3時間。同期が始まったとき、渡井は躍り上がりたい気分になった。
 いまや我が家のiPadは、映画、音楽の映像ソフトのデータベースを内蔵する強い味方である。


 という混乱から1日。本日は、最近読んだ本の中から1冊紹介する。

 
「知の逆転」NHK出版新書、吉成真由美インタビュー・編)

 新聞の書評欄で見て関心を持ち、
amazonで取り寄せた。その書評には

 「人類の科学文明を支える知の巨人たちへのインタビュー集。読んで絶対に損しない」

 とあった。
 でも、何だか損をした気がするのは、私が天の邪鬼だからだろうか?

 吉成真由美という人が、6人の「知の代表」にインタビューし、一問一答形式でまとめたものだ。

 
「銃・病原菌・鉄」「文明崩壊」(なぜか、どちらも読んじゃった。ついでに「セックスはなぜ楽しいか?」なんて本も)など、ベストセラーを書きまくっている生理学者、ジャレド・ダイアモンド

 マサチューセッツ工科大学教授の
ノーム・チョムスキー。言語学が専門で、人間は産まれながらにして言語の基本文法を備えている、という説を唱えている、というより、我々の世代には、ベトナム戦争に反対した学者としてのイメージが強い。

 
「レナードの朝」( ロバート・デ・ニーロ主演の映画)の原作者というより、アルバート・アインシュタイン医科大学脳神経科医として脳の研究を深めるオリバー・サックス

 ………。

 こうしたレベルの知的巨人に、日本人の女性がインタビューして書いた本である。

 いやあ、吉成さんという人、実に下準備を積み重ねられたようで、世界の知のトップに堂々たる質問をぶつけている。例えば。

 「1941年にルーズベルト大統領が、日本への経済封鎖の一環として、日本への石油の通商禁止を強いたことが、石油の8割をアメリカからの輸入に頼って戦争していた日本にとって打撃となりました。このことが結局、第二次世界大戦における日本とアメリカの戦争の引き金になったと言ってもいいと思いますが、日本のように自然資源に乏しい国が将来生き残っていくためには、どのようにすればいいのでしょう」

 うむ。私には、そこまで詳しい知識はなかったなあ。
ABCD包囲網、なんて記憶の断片はあるが。確か、アメリカ、イギリス、中国、オランダが日本への経済制裁というか、貿易制限をして、追い込まれた日本が資源を求めて東南アジアに戦線を広げた、んではなかったっけ? へーっ、当時の日本はアメリカに8割もの石油を頼ってたの。そんな相手と、よく戦争を始めたなあ。

 「では、『セックスはなぜ楽しいか?』についてうかがいたいと思います。なぜ人間にとってセックスが楽しいものになったのか。またなぜ不倫が頻繁に起こるのでしょう」

 とか。
 ま、これは、特段の勉強なんてしなくても聞けるか。もっとも、楽しくないセックスだってあるし、夫婦間でのセックスと不倫との間に、生きもの、動物としての人間にとってどんな違いがあるのか、私にはよくわからないという問題もあるのだが。

 こんなのもあった。

 「アジアでは伝統的に特に強い一神教というものがありません。ですから、自分が何を求めているかはっきりしない場合、あるいは強い信念や基盤のようなものがない場合は、何かよって立つもの寄りかかれるものを求めて、見かけやプロパガンダに惑わされることになると思うのですが」

 あのー、勉強熱心なのはわかるけど、この論によると、一神教のもとで生きているキリスト教徒やイスラム教徒は、アホなセクシー美人より、ブスな大学教授に惚れるのか? コカコーラがどれほど
CMを流しても、誰も買おうとしないのか? そもそも、商品を売るためのマーケティング、広告戦略なんて、ほとんどがアメリカ生まれだと思っていたけど……。

 という突っ込みどころには事欠かないのだが、しかし、世界の碩学にオープンに語らせた力量は認める。

 税抜きで860円。手っ取り早く、世界最先端の知性の一部に触れてみたいという方には、お薦めの1冊、かもしれない。

 

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