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 2013年1月10日 休み

 昨日、肩痛体操を休んだ。肩痛体操どころではなかった、というのが実相である。
 何しろ、朝からが痛んだ。

 「えっ、そんな! 薬はちゃんと飲んでるぞ」

 朝から痛み出した腰に、そんな抗議しても始まらない。とにかく腰の周りが重苦しく、洗面所で髭を剃る際に腰を曲げることが怖い。左手を洗面台に置いて体を支えながら、右手でボールの湯を髭を剃る患部に浴びせて塗らするという体たらくであった。
 情けないにもほどがある。

 何故か? このような事態に陥れば、人は必ず原因を求める。私も考えた。思い当たるのは一つしかない。最近、我が暮らしで変わったもの。

 体操

 である。これしかない。体を動かすのが悪かったのか?

 肩痛体操、と書かなかったのには訳がある。
 前日の8日、この間の肩痛体操で肩が楽になった気がし始めた私は、新たな試みをした。腰痛体操まで取り入れたのである。同じ「Tarzan」に写真入りで出ている。こいつも効果があるのでは、と期待したのだ。
 といっても、たいしたことではない。腰を伸ばし、ひねっただけだ。

 「それだけで、腰に痛みが出るか?」

 そう抗議したくもなるが、出たのだから仕方がない。様子見で、昨日は一切の体操を禁止した。

 加えて、昨日は朝から何となく気分が優れなかった。気力が出ない、体が重い。

 「風邪かな?」

 腰に加えて、これである。こういう時は、自分に甘くするしかない。

 一切の仕事をやめよ。一切の苦行をやめよ。心地よいことにのみ時間を費やせ。

 なかなかそうもいかないのが現実だが、それでも、極力体を休めることに務めた。おかげで今日は、朝から気分も良く、腰もそれほど気にならない。肩痛体操を休んだためか、肩こりは戻ったが、まあ、痛みがあるのは生きている証である、と考えるしかない。

 しかし、敏感な体になってきた。これが老いるということか。
 よく考える。目が悪くならず、髪が白くならず(人によっては、髪がなくならず)、シワやシミができず、腰も肩も痛くならず、酒を飲んでも翌朝快調に目が覚め、腹回りが膨れなければ、老いるのはいいことばかりである。

 知識が増え、見識に厚みが加わる。人の表と裏が見え始め、おおむねの人間は、一目見れば信頼できるか否かが何となく判断できる。酸いも甘いもかみ分けるゆとりだってできる。人としての風格が出来上がるのも私の年代である。

 だから、老いて良かった、とも思う。ただ、目が悪くならず、髪が白くならず(人によっては、髪がなくならず)、シワやシミができず、腰も肩も痛くならず、酒を飲んでも翌朝快調に目が覚め、腹回りが膨れなければ、ではあるが。

 ま、人生、得るものがあれば失うものもある。それでプラスマイナスゼロとなり、バランスが取れるのだろう。だって、いまの私のまま20歳になってしまえば、私に匹敵する男はこの世にいなくなるではないか……。いや、単なる言葉の勢いである。


 夕刻、入浴直前に、裸体の私に瑛汰から電話。

 「ボス、あのさ、テレビでさ、でっかいイカをやるんだよね。ね、撮って」

 そういえば、NHKの番組宣伝で、巨大イカの映像を見た記憶がある。あれか。

 「いつやるんだ?」

 「13日なんだよ」


 そうか、そこまでチェックして電話をしてきたか。いいだろう。

 「分かった。ところで瑛汰、お前が頼んできたので撮った鯨とシャチの対決のやつ、あれ、もう見たのか?」

 瑛汰に頼まれたのは昨年のことだ。ディスクにして年末に送ってやった。

 「うーん。まだ。だってさ、忙しくてさ、なかなか見る時間がなくて」

 最近の幼稚園児は、私以上に多忙なのか? 私はいま、アカデミー賞受賞作を夜な夜な見てるぞ。昨夜見た2007年の短編実写賞を受賞した「おもちゃの国」(独、ヨヘン・アレクサンダー・フライダンク監督)、わずか13分の作品だが、素晴らしいの一言に尽きる。

 「撮るのはいいけど、瑛汰が見なかったら意味がないじゃないか?」

 「分かった」


 瑛汰は最近、大自然の驚異に関心を持つようだ。科学心が芽生えたか。

 13日、確かに録画予約したそ、瑛汰。ディスクにして持って行ってやるから待ってろ。

 18日、会社の最後の同期生会が東京である。我が同期生は、今年で全員が定年を迎える。だから最後なのである。
 会場は築地。同期の老人たちと酒を飲み、その日は横浜、瑛汰のところに泊まる。その時に持って行ってやる予定である。

 

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