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 2012年2月9日 ギャラクシー

 世は、スマホ時代であるらしい。会社が、社員全員にスマホを配り始めた。私も昨日、わざわざ前橋までで出かけ、1時間半にわたる講習を受けた末、スマホを1台渡された。

 サムソンのGALAXSYUである。iPhoneを持たないNTT docomoの最新機種である。だが、それを社員が使うのに、1時間半の講習を受けなければならないことで、このGALAXSYUの素性はすべて明らかである。

 使えない。

 まず、でっかいiPhoneに比べると、確実に一回りは大きい。小さすぎる携帯電話も使いにくいが、大きすぎるのも可愛げがない。この手の機種は、大が小を兼ねるわけではない。

 付属のカバーが、本体に上手くフィットしない。どこかにサイズの不適合があるのだろう。カバーが浮き上がっている。何となく心許ない。

 使われているフォント、アイコンにも違和感がある。美観に欠けるのである。

 昨日の講習会で、最大のショックは電池の持ちであった。

 「で、これ、電池、どれくらい持つの?」

 と訪ねる私に、講師は答えた。

 「私は使っていますが、ま、だいたい25、6時間ですね」

 つまり、このスマホは、普通の状態で丸1日しか電池が持たない。毎日充電しなければならない。ということは、何かの必要があってあちこちに電話をかけまくっていれば、数時間のうちに電池がドライアップするということである。

 なるほど。先日、この機種を持つ人に

 「もう車に乗った。これから迎えに行く」

 と伝えようと思って電話をしたら、出ない。

 「話し中かな?」

 と数分待ってかけても出ない。
 会ったあとで、

 「電話には出てもらわないと」

 と苦情を言うと、

 「バッテリーが上がっちゃって、充電中だった」

 ということがよく理解できる。

 そういえば、このスマホには「ポケットチャージャー」というものがついてきた。出先でこのスマホに充電するためのものであるらしい。

 ま、機種の欠陥を補う対策がきちんと取られているといえばいえる。だが、対策は電話機本体で済ませるべきである。本体で対策できなかったから、そのための付属機器を同梱しました、では困る。
 このスマホ、スマホ本体だけでなく、チャージャーも持ち歩かなければならないではないか。邪魔である。

 それでも、何とか使えるようにはなった。会社のサーバーに繋がったためだろう、連絡先のリストも落ちてきた。だが、ただ500件前後のリストが表示されるだけで、何の秩序もない。ダラダラと表示される500件のリストから、電話をかける相手を選択するのは至難の業である。
 グルーピングをしなければ、この連絡先リストは使えない。

 と思い、今日は連絡先のグルーピングに取り組んだ。連絡先リストは、会社支給のウインドウズパソコンに入っているマイクロソフト・アウトルックが管理している。そこで、アウトルックで連絡先をフォルダで区分けし、スマホと同期した。

 新しく作ったフォルダがスマホでは出てこない。おかしい。何かやりかたを間違ったか?

 担当部署に問い合わせの電話を入れた。電話に出た担当者は、問題を説明すると

 「えっ」

 といった。

 「調べて、結果をメールでご連絡します」

 1時間ほどしてメールが来た。結論は

 「できません」

 結局、パソコン側ではグルーピングはできず、すべての連絡先を一つのフォルダに入れておくしかない。そうしないと、スマホと同期しない。
 グルーピングはスマホでやるしかないという。

 「だけどさ、こんな作業はパソコン側でやった方がはるかに楽だよね」

 「私もそう思います。でも、それしかやりようがないのです」

 私にいわせれば、GALAXSYU欠陥スマホである。
 iPhoneは、別に講習など受けなくても、自然に使えた。パソコンで連絡先を入力し、グルーピングしたフォルダに放り込んでiPhoneをつなげば、勝手に同期してくれる。ストレスがはるかに少ない。

 さらにショッキングな事実に出会ったのは、つい先ほどである。
 前橋から電話がかかってきた。そこで、スマホの画面に現れた、受話器を持ち上げるアイコンをタッチした。何事も起きない。

 「上手くタッチできなかったかな?」

 と思って、もう一度タッチした。それでも何事も起きない。そのうち、電話が切れた。

 「スマホを取ろうと思ってアイコンにタッチしたんだけど、取れないんだよな。どうすりゃいいの?」

 仕方なくこちらから前橋に電話をし、用件のついでに聞いた。

 「あ、タッチするだけじゃダメなんです。タッチして跳ね上げなくては電話が繋がらないんです」

 「跳ね上げる? それ、どうすりゃいいの?」

 「何というかなあ。カタカナの『レ』を書くというか、そんな感じです」

 前橋から電話をかけてもらい、スマホのパネル上で受話器のアイコンにタッチ、そのまま「レ」を書いた。確かに繋がった。

 ま、使い方を知らなかった私が悪いと言ってもいい。だが、連絡先のグルーピングといい、受話器の取り方といい、このスマホは、人の自然な動きに逆らいすぎる。つまり、使いにくい。欠陥商品である。


 会社がスマホを全社員に配った意図はよく分かる。
 これまでは、携帯電話は個人持ちであった。会社はその使用料のうち、社業に使った分を支払っていた。多分、中にはけしからぬ社員がいて。私用で使った通話料も会社に請求していたのであろう。
 会社が支給したスマホを使わせれば、そのような問題がかなり解消できる。
 その上、

 「ピックアップして私用に使ったどうかをチェックするので、そのつもりで使え」

 というお達しまであった。
 うちの会社、固定電話に関しては使い放題である。誰も、何のチェックもしない。だが、携帯電話だけはどこにかけたかをチェックするらしい。それ、プライバシーの侵害では? デリヘルを呼ぶときは、固定電話を使えってか?

 加えて、社員は各人ごとに内線番号を持たされた。社員間で通話するには、この内線番号を使えという。多分、ドコモとの間で、内線番号を使った通話は無料という契約をしているのであろう。
 それに、私有携帯電話の社業使用にたいする補助は5月で打ち切るのだそうだ。

 いずれにしても、コスト削減策である。

 おかげで、こんな使いづらいスマホを使わねばならない。
 おまけに、これまでお付き合いがあった人たちには、全員に、私有のスマホ、つまりiPhoneの電話番号を教えてある。それをこれから、いちいち新しいスマホの番号に入れ替えていかねばならない。
 iPhoneに登録してある電話番号も、新しいスマホには移せない(いや、移す方法はあるのだが、現実的ではない)ので、新しいスマホでもう一度、連絡先を登録し直さなければならない。
 新しいスマホの電話番号しか知らない人は、私が会社を退き、会社支給のスマホを返還すれば、私への連絡手段を断たれる。

 使う側からすると、いいことは一つもないのである。それが、コストカットのために押しつけられる。

 こんなつまらないことを発想し、実現させた内務官僚に鉄槌が下したい!

 とりあえず、こんなスマホ、トイレに放り込んでやろうか?

 

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