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 2011年10月2日 財務省主導

 このところ、WOWOWのドラマにはまり込んでいる。
 昨夜から今朝にかけて、「パンドラ」の7回目、8回目を見た。ずっと前に、1回約50分、全8回で放映されたのをブルーレイにとっておいたものだ。1日2回分ずつ見て、昨夜はとうとう最終回まで見てしまった。

 あらゆるガンを完治する夢の新薬が開発された。ヒトデから抽出した薬用成分を、風邪のウイルスに乗せてガン患者の体内に送り込む。患者は風邪をひくが、同時にウイルスが有効成分をガン細胞に運び、有効成分がガン細胞を殺す。開発したのは大学病院でお邪魔虫扱いされていた研究者。何しろ、18年間、この新薬の開発しかやってこなかった変わり者で、ガンは発生部位によって性格が違い、すべてのがんに効く薬などできるはずがないという常識を覆した。彼はその薬を「パンドラ」と名付ける。

 こうして、パンドラの蓋が開く。

 死因の3分の1を占めるガンが完治する。それは、人類の福音であるはずだった。ところが、世にはガンより恐ろしいものがたくさんあった。金銭欲、名誉欲、事業欲、権力欲……。
 夢の新薬を巡って人のあらゆる欲望が噴き出した。事件が起き、裏切りがあり、人が殺され、開発者は追い詰められる。一度蓋が開いたパンドラの箱に底に残るのは絶望なのか、希望なのか……。

 全8回、楽しませてもらった。

 笑ってしまったのは、政府の対応である。
 最初に新薬を知るのは厚生労働大臣である。まあ、立場上、そうであろう。生粋の政治家である彼は、己の野望の実現に使える、と即座に判断する。そりゃあそうだろう。人類の夢である薬が、自分が厚生労働大臣である間に日本で開発されれば、総理の座だって夢ではない。

 そこに、壁が立ちふさがる。テレビのアナウンサー出身の女性政治家である。総理大臣の側近で、総理に人事の相談も持ちかけられるという。つまりは、政治はベッドの中で生まれるということを寸毫も疑わない女性らしい。

 が、この女性政治家にとっても、日本でガンの特効薬が開発されることがありがたくないわけはない。困るのは、それが厚生労働大臣の手柄になることである。

 こうした図式の中で、手柄を独り占めしたい厚生労働大臣の意を受けた秘書は、自分たちの欲望を実現するため犯罪に手を染める。すべては大臣と自分のためなのだが、練りに練った計画に齟齬が生まれ、大臣に

 「死んでくれ」

 といわれた秘書は、大臣を道連れにした死を選ぶ。そして、あの女性代議士が、後任の厚生労働大臣に就任する……。

 ん?

 と思いません? アナウンサー出身で、与党の女性代議士で、厚生労働大臣
 そう、最近テレビで見ると、話ながらやたらに首をふり、

 「ひょっとしたらチック症?」

 と思わせてくれるあのおばさんである。ん、あのおばさん、首相と懇ろなのか? ……。

 このドラマ、2008年に日本民間放送連盟賞 番組部門テレビドラマ番組優秀賞を受傷している。そう、まだ民主党が政権を取る前に作られ、放映されたものだ。
 まるで、いまを予言したようではないか?

 ま、予言がせっかく当たるのなら、厚生労働大臣にあのおばさんが就任する部分より、あらゆるガンを死滅させる夢の新薬が生まれるほうであればよかったのになあ。


 と思うにつけ、野田内閣が懸念されてならない。
 
 直勝内閣

 野田内閣に奉られたニックネームだ。勝とは、財務省の勝栄二郎事務次官のことである。つまり、野田内閣は財務省の言いなりである、という意味である。
 そういえば、野田首相のキャッチフレーズは

 正心誠意

 だった。最初は誤植かと思った。だって、誠心誠意は、心誠意と書くのだ。心誠意と書けば、テストで○はもらえない。
 それが勝海舟の言葉なのだという。いや、夏目漱石を見ても、あの時代の人たちは、漢字を勝手に使っているので、誠心誠意とそれほど違った意味はあるまい。なのに、野田首相はあえて、正心誠意、を使う。
 勝海舟は勝栄二郎事務次官のご先祖である、と知ってしまえば、

 直勝内閣

 も納得がいく。

 とにかく増税、どうしても増税、という野田内閣の方針は、何があっても財政再建という財務省と響き合う。首相になるまで財務相であったこともあり、野田首相は財務相に洗脳されたという見方が出てきても、不思議ではない。

 だが、と思う。日本でいちばん頭のいい人たちの集まりである財務省が、そんなバカなことをするはずがない。政府の金庫を握る財務省は、元々憎まれ役である。その上、首相まで顎で使っていると見られてしまっては、ますます憎まれてしまうことは目に見えている。
 彼らが、そんな貧乏くじを引くはずがない。

 首相は1省庁の主張を鵜呑みにしていいものではない。では、首相の立論の根拠は何か。最大の根拠は世論である。では、世論を作ればいいではないか?
 世論は誰が作るのか。小沢さんの裁判を見るまでもなく、世論を作るのはメディアである。世には愚かな人の方が多い。メディアが報じることを己の意見とすることで、己は知的であると証明できると思っている脳天気が多すぎる。
 であれば、新聞記者、テレビ記者を洗脳すればいい。何しろメディアでは、学生時代に成績優秀であったことを誇りとする人々が決定権を持つ。

 「ねえ、国の借金はこんなに膨れあがっているんだよ。増税しなきゃ、やがて財政がパンクすることが理解できないとしたら、君たちの頭はよほど粗雑にできているね」

 頭が粗雑といわれれば、プライドが傷つく。そこで、財務省にせっせと通い、財務省が用意した資料で学習を重ね、国の財政を理解した気になる。

 「そうだよ、増税しかないですよね」

 「よく理解できたねえ。やっぱりあなたは優秀だ」

 ということが繰り返されたとしか思えないニュース、記事が量産され続けている。増税だ、増税だ、国民に苦い薬を飲ませるのを避ける政治家は腰抜けだ……。
 この人たち、自分の財布、己の世帯の家計簿を覗いたことがあるのだろうか? 組織ジャーナリストとは、そんなものを見る必要がないほど暮らしにゆとりがある人たちの集まりであるのか?

 だけどね、国の予算は90兆円を超えている。それに対して、税収は34.5兆円(2009年度)だ。差額は55兆5000億円。これを1億人の人口で割ると、55万5000円(計算、あってるよな? こんな大きな数字、あまり計算したことがないので……)。国の毎年の収入不足を増税でまかなおうとすれば、一人あたりこれだけ増税しなければならない。4人世帯なら200万円を超える増税である。
 加えて、法人税は減税しないと企業が海外出て行ってしまうからと、法人税は減税の方向である。だとすれば、国民の負担はもっと増える。4人世帯で毎年300万円の負担増ということにもなりかねない。
 そんな負担、できる?

 しかも、だ。それだけの負担に耐えたとしても、国の借金が減るわけではない。借金を減らそうと思えば、さらに家庭の負担額は増える。

 ということを、

 直勝内閣

 はおっしゃっているのである。
 メディアの方々はおっしゃっているのである。
 メディアの方々がおっしゃるから、野田首相は

 「特定の省の誰かに洗脳されたわけではない」

 といってのけることができる。財務省に洗脳されたわけではない。新聞やテレビに現れる世論の動向を見ながら、必要な施策を進めるだけだ、ということができる。

 いったい、この国はどこに行くのか……。


 昨日は忙しかった。

 朝、を洗った。天候不順で、もう2ヶ月内外洗車をしていなかった。天気予報で3日後に雨が降るというのに洗車をするバカはいないのである。

 綺麗になった愛車を見ていて、思い出した。

 「今日は、健大高崎と桐生商業の野球の試合が桐生球場であるんだったな」

 健大高崎=高崎健康福祉大学高崎高等学校、はこの夏、群馬代表として甲子園に出場した。有力視されていた桐生商業を倒して甲子園切符を手にした。
 あれから2ヶ月。桐生の住民として来夏を占う上でも、この試合は見逃せない。試合開始は正午の予定。妻殿ににぎりめしをこしらえてもらい、球場までピカピカになった車を飛ばした。
 健大高崎が勝った。このままでは、来夏も苦しいぞ、桐生商業。励め!

 午後3時半からは、JP桐生駅前のクラブ「バロック」に足を運んだ。3.11の震災で、地元の文化財も多数被災した。文化財修復に僕たちも役立ちたい、と地元の若者がチャリティ・コンサートを企画、実行した。 顔を出さないわけにはいんだろう。
 地下のクラブ。客は30〜40人か。隣のみどり市大間々町出身のお笑いタレントが司会を務め、午後4時前にコンサート開始。
 絶叫するエレキギターと、打ち鳴らされるドラムに鼓膜が痛くなった。
 クラブで聞くロックには、もう耐えられない年齢になったか?
 早々に退散。寄付はしたからいいだろう?

 午後5時には、無鄰館へ。知り合いが絵の展覧会を開いている。それだけならわざわざ出かけることもないが、私の大好きなロッカーが、突然のライブをやると聞かされていた。

  頭脳警察PANTAである。
 武力革命を歌で煽ったとの嫌疑で、頭脳警察の1枚目のアルバムが発売即発禁、2枚目が発売1ヶ月後に発禁、まともに店頭に並んだのは3枚目から、という経歴を持つ。
 まあ、それはどうでもいい。私は、ある種のリリシズムに溢れた彼らの音が大好きなのだ。PANTAが桐生に来る。ギター1本でライブをやる。万難を排して駆けつけるしかない。

 午後6時前に始まったライブは、7時過ぎまで続いた。さて、何曲歌ってくれたのだろう? 数えることも忘れて聞き惚れていた。妻殿も横でご満悦であった。

 コンサートの前、PANTAと顔を合わせた。

 「ねえ、太ったんじゃない?」

 「もうビッグバンよ」

 「どうしたの? 羨ましいほどスリムだったのに」

 「ほら、去年肺炎をやったじゃない。それで、しょうがなくてタバコをやめたのよ。そしたら、見る見るうちに、って感じで」

 「酒飲まなかったよね。その上、タバコまでやめて。健康志向のロックンローラーって、ねえ……」

 「それが、このところ風邪ひいちゃって。喉は痛いわ、鼻水は出るわで……」

 それでも彼は歌った。さすがにプロである。


 今朝は6時半に目が覚めた。何となく体が不調である。喉が痛い。鼻水が出る。くしゃみも飛び出す。

 「あれ〜、風邪だよ!」

 PANTAにうつされたか。
 ま、大好きな頭脳警察のPANTAにうつされたとあっては文句も言えぬ。
 とはいえ、せっかくなら、あの娘にうつされたかった……。

 夜、ルルを3錠飲んだ。明日目が覚めたら治っていてほしい。

 

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