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 2011年6月16日 勉強の2

 皆さん、勉強はお嫌いなのだろうか?
 「らかす」のアクセスが伸びない。が。めげずに今日も続ける。

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 第2章 人体への影響

 放射線の影響について、「直線しきい値なし仮説」というものがある。放射線は浴びないのがベストで、浴びれば浴びた分だけ悪い影響が拡大する、という考え方である。0がベストで、1浴びれば悪影響が1出る。100浴びれば100出る。つまり、放射線とを浴びた量とそれによる悪影響は正比例する、という仮説(あくまで仮説)である。
 1958年、国連科学委員会(UNSEAR)で「原子放射線の影響」が採択された。この説を押したのは遺伝学者、反対したのは医学者であった。その後、ICRP(国債放射線防護学会)もこの仮説を採用した。

 1958年夏、テネシー州オークリッジの米国立研究所のウラン精製工場で5人が被曝する事故があった。被曝量は300ラド=3グレイ=3〜60シーベルトである。

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 ここは少し難しいかもしれない。ラドとは、人体が吸収した放射線の総量を表す古い形式の単位である。最近は、グレイという単位を使う。1グレイ=100ラドである。
 グレイを、新聞などでおなじみのシーベルト、つまり人体への影響を量る単位に直すには、放射線荷重係数をかける。これは、放射線の種類によって人体への影響が違うからである。

種類

荷重係数

X線、ガンマ線などの光子

1

ベータ線、ミューオンなどの軽粒子

1

中性子10キロ電子ボルト以下

5

中性子10-100キロ電子ボルト

10

中性子100-2000キロ電子ボルト

20

中性子2000-20000キロ電子ボルト

10

中性子20000キロ電子ボルト以上

5

反跳陽子以外の陽子でエネルギーが20000電子ボルト以上のもの

5

アルファ線

20

核分裂片

20

重原子核

20

 まあ、私にも個別の事は分からない。ここは、放射線の種類によって人体への影響度が違う、ということを理解するだけで先に進む。
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 放射線を浴びた5人は直後から吐き気、嘔吐に見舞われ、2、3日続いた。
 それから10日間は何事もなく、2週から10週の間は、放射線の影響で骨髄が減少する期間にあたる。

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なぜ骨髄が減少するかはあとで出て来る。ここは、そういう時期なのだと思って読んでいただきたい。
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 このため5人は25日〜30日にかけて出血を見た。また、感染症にかかったのは10〜15日と、30〜34日だった。
40日で全員退院した。

 1963年、中国で全員被曝事故が起きた。子供がコバルト60という金属を持ち出したために起きた事故で、6人が被曝した。
 6人については次の表を見ていただきたい。

患者

E

F

A
女44歳

B
男20歳

C
女13歳

D
男39歳

線量(ラド)

平均

8000

4000

800

600

400

200

生殖腺

 

 

1800

730

180

210

白血球最低

数/立方mm

100

55

55

297

213

6000

被曝後の時期

10日

10日

25日

17日

28日

 

出血

10日

8日

8日

15日

8日

なし

高熱

8日

8日

8日

20日

26日

なし

感染

急性症状

小腸障害?

同左

骨髄障害(重)

同左(重)

同左(中)

同左(軽)

脱毛

骨髄移植

治療結果

死(12日目)

死(11日目)

無月経

永久不妊
(性生活正常)

1男1女
(正常)

一時不妊

 これが6人の急性障害である。

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これも被曝単位がラドになっているので分かり難いかもしれない。
 ウィキペディによると、 コバルト60は、ベータ崩壊をしてニッケル60になる。このとき放出されるベータ線のエネルギーは0.318メガ電子ボルトである。そして、崩壊生成物のニッケル60がガンマ崩壊をして1.17メガ電子ボルトと1.33メガ電子ボルトの2本のガンマ線を放出する。
 つまり、コバルト60ベータ線とガンマ線を出す。
 これで計算すると、ベータ線もガンマ線も荷重係数は1だから
 8000ラド=80グレイ=80シーベルト
 4000ラド=40シーベルト
 800ラド=8シーベルト
 600ラド=6シーベルト
 400ラド=4シーベルト
 200ラド=2シーベルト
 となる。
 新聞で見るのはミリシーベルト、マイクロシーベルトである。ミリに直すには、これを1000倍する。80シーベ ルト=8万ミリシーベルト。ちょっと想像もつかない被曝線量である。
 それでも、4人は助かっている。
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 X線をマウスに照射する実験をした。X線の荷重係数は1である。
 
500ラド=5グレイ=5シーベルト以下では、マウスはまったく死ななかった。
 800ラド=8シーベルトでは50%が死んだ。
 8シーベルトを浴びたマウスに骨髄移植をすると、1匹も死ななかった。
 900ラド=9シーベルトを浴びせると100%が死んだが、骨髄移植をしたら90%が生きた。

 以上からいえるのは、中程度の被曝をすると。一時的に急性症状が出るものの、やがて回復するということである。ただ、精細胞だけは回復に時間がかかる。要する時間は白血球が回復する10倍ほどである。

 白内障は、150ラド=1.5グレイ=1.5〜30シーベルト以下では起きなかった。それ以上なると多発する。

 染色体の異常は半永久的に残る。しかし、それが健康に影響があるかは別の話である。

 放射線を浴びると短命になるという説に、今のところ証拠はない

 がん死亡率は、60ラド=0.6グレイ=0.6〜12シーベルト以上被曝すると、被曝量に比例して増える。しかし、20ラド=0.2グレイ=0.2〜4シーベルト以下の被曝では、全く問題ない。
 放射線の種類によるが、200ミリシーベルト以下の被曝には問題はないと見られる。

 チェルノブイリでも10ラド=0.1グレイ=0.1〜2シーベルトではがんのリスクは全くなかったことが分かっている。

 胎児に関しても、被曝リスクが最大になる8〜15週の間でも、20ラド=0.2グレイ=0.2〜4シーベルト以下は無害というデータがある。

 奇形児に関しては、次のようなデータがある。

調査した遺伝的異常

異常頻度(異常個体数/調査個体数)

対照

被曝

親の被曝量

周産期異常

4.99

5

36

早期死亡

7.35

7.08

40

平衡型染色体再配列

0.31

0.22

60

性染色体異常

0.3

0.23

60

突然変異

100万分の6.4

100万分の4.5

41

遺伝性がん

0.05

0.05

43

 周産期異常とは、死産、奇形、新生児死亡
 早期死亡とは17歳までの死亡
 平衡型染色体再配列とは、全身の細胞に発生する染色体異常
 突然変異とは、末梢血液細胞全体に見つかった変異遺伝子の割合
 遺伝性がんとは、20歳までに発病したがんの中で、遺伝的要素が大きいと考えられているもの
 数字は%である。

 被曝量の単位はレム。100レムが1シーベルトですから、36レムは360ミリシーベルトである。

 つまり、このデータは、被曝と子供の先天性異常には関係がないことを語っている。


 第3章 人体は放射繊維弱くて強い

 放射線の人体への影響
 X線が身体の組織に当たると、その中で2次電子が発生して、それが細胞をよぎると細胞内にイオン化(電離)の作用を起こす。細胞は大部分が水であるので、主に水分子がイオン化する。正の電荷を持った水分子(H2O+)は普通の水と反応して水酸遊離基(OH)を作り出す。これは強い化学反応力を持つ毒物で、放射線作用の主役である。

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 化学に弱い私には難しい説明である。ここは、放射線が人体に当たると、そのために細胞内に水酸遊離基という毒物ができる、程度の理解しかできない。
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 体重50kgの人は、体内に100gのカリウムがある。このカリウムの1万分の1、つまり0.01g放射性カリウムで、放射線を出している。3000ベクレルの能力を持つ。つまり、体重50sの人の体内では、毎秒3000の放射線が発射されている。主にベータ線で、10分の1がガンマ線。ベータ線は250個の細胞を通過すると消滅する。これで計算すると、毎秒75万個の細胞が被曝しており、被曝の量は0.1ラド=0.001グレイ=0.001シーベルト=1ミリシーベルトとなる。
 つまり、日常生活の中で、私たちは被曝を続けている。

 話は変わりる。
 女性が妊娠すると、受精卵は6日目に数十個まで増え、子宮壁に着床する。 それから1週間たつと、母胎から栄養をもらう準備が整う。
 3週から7週にかけてを胚子期という。この期間に、各種の器官、つまり神経、心臓、手、足、目、耳、口、外部生殖器のもとができる。この時期に母胎が放射線や薬物に曝されると、高率で奇形が発生する。
 8週から37週は胎児期で、胎児は人の形になり、放射線や薬物にも抵抗力を持つようになる。

 妊娠から出産まではこのような経過をたどる。
 では、なぜ胚子期吐き軽発生の危険が高いのだろうか。それは、細胞が活発に分裂を繰り返す時期だからである。各器官の原型に小さな傷ができると、細胞分裂で細胞の数が増えるにしたがって目にみえる奇形になると考えられている。

 しかし、放射線被曝の影響を知るためにこの時期を観察するのは容易ではない。だから、成人になってからも細胞が活発に分化している血球組織で放射線の影響を調べる。

 体内で、赤血球は毎秒200万個生産されている。もとになる細胞が12回細胞分裂し、赤血球になる。
 白血球の主要成分である顆粒球は、13回から14回の分裂で生産される。

 分裂する細胞は放射線に弱い、というのが経験法則である。だから、放射線を浴びると、これほどの回数分裂を繰り返して作り出されている赤血球、白血球の生産が中断する。
 放射線を被曝をすると、白血球は10日後と30日後に減少する。しかし、赤血球はほとんど減らない。これは白血球の寿命が数日と短いのに対し、赤血球の寿命は120日もあるためである。寿命が短い白血球は被曝で生産が止まると、すぐに減り始める。しかし、寿命が長い赤血球は一時的に生産が止まっても、ほとんど減らない。

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 本にはここまでしか書かれていない。やや分かり難いので、以下は私の解釈である。
 この文章の趣旨は

 1,分裂しない細胞では、放射線の影響は出ていないこと
 2,放射線の影響を受けて一時的に赤血球、白血球の生産は止まるが、その後生産は再開されること

 だと思う。
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 精子の減少は200ラド=最低2シーベルト(最低と書いたのは放射線によって荷重係数が違うからである)の被曝で現れる。この場合、約半年後に精子数が最低になり、回復には1年〜2年かかる。
 精子の生産には13〜14回の細胞分裂が必要である。その中でも減数分裂(難しいので、説明は省略するが、知りたい方はリンク先を見ていただきたい)の時期が一番放射線に弱くなる。
 健康な子孫を残すための精子は人類にとって極めて大切なものである。このため、欠陥精子をつくらないように、精子をつくる過程では何回も検査があり、少しでも傷ついた細胞があると、その細胞の自爆装置のスイッチが入り、その細胞を殺す。この作用をアポトーシスという。

 皮膚や胃、腸、肺などの表面の細胞の入れ替えも、細胞分裂で行う。しかし、沢山の細胞で分担する体制をとっているため、精子ほど放射線に弱くはない。中でも皮膚は強く、致死量の放射線を浴びても皮膚に障害は起きない。
 放射線に弱いのは@生殖腺A骨髄B腸C皮膚、の順序である。

 では、分裂期の細胞は、なぜ放射線に弱いのだろう。
 それは、細胞内のDNAの2本の鎖が2本とも切られてしまうからだと考えられている。200ラド=2シーベルトの放射線を浴びると、1つの細胞で2本ともDNAの鎖を切られる箇所が60ほどできる。このうち90%は身体が直してしまうが、 修復が完成しなかった1割の傷を持ったまま細胞分裂するのでその傷が拡大され、致命傷になると考えられている。

 しかし、このように、傷ついた細胞が自動的に死んでしまう(アポトーシス)ため、我々は生き続けていける。
 放射線だけでなく、私たちの細胞は紫外線や薬物で、毎日数千個の傷ができている。それでも元気で生き続けているのは、まず、修復できるところは修復する。修復できないものはアポトーシスで自動的に殺し身体から出してしまう、という働きのためである。

 マウスに放射性水素入りの水を飲ませ続けたところ、年間の被曝量が30ラド=300_シーベルトまでではがんは全くできなかった。300_シーベルトを超えると強い発ガン力があった。

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 いかがでしょうか。専門家はこんな研究をしているんですねえ。
 この先生があくまで正しいとは申しませんが、研究の成果は生かさなければならないと思います。

 次回は第4章から、ということになります。

 

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