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 2011年4月9日 エネルギー

 昨夜、群馬大学工学部の教授と飲んだ。
 1年以上間から飲む約束をしていたのだが、年中暇な私と違って彼は忙しい。昨日、突然メールが来て、電話をしたら

 「今日の午後8時からだったらあいている」

 否も応もない。自宅で夕食を済ませて飲みに出かけた。 

 まあ、おおむねは雑談である。だが、東日本大震災から間もなく1ヶ月。雑談も自ずからそちらに向かう。


 せっかくの機会である。しかも、相手は理科系の専門家。この間、気になっていたことを問いただした。

 あのさ、地震以来、いろんな情報にアクセスしてるけど、何で? ってことがあるの。

 「それ、何?」

 今回の原発事故で、まあ、当面は電力の供給が需要に追いつかない状態が続くよね。で、だったら原発を新しく作りましょうって提案したって、当面通りそうにない。そこで、代替電源、って話が出始めた。
 私が目にした範囲では、地熱発電小水力発電太陽光発電、うーん、潮汐発電もあったかな? それはいいんだけど、都市ガスを利用した燃料電池の普及、って話が全く出てこない。
 都市ガスから水素を取り出して、空気中の酸素を化合させて電力を取り出す。水の電気分解の逆をやろうというのが燃料電池だよね。酸素と水素を結合させるわけだから、出てくるのは電力と水だけ。究極のクリーンエネルギーってことで、しばらく前にはずいぶん話題になった。
 しかも、各家庭がガスの供給を受けて燃料電池で電力を生み出すことにすれば究極の分散発電で、危機対応能力もある。どこかで集中して発電したものを配るシステムをとっているから大規模な停電が起きるわけで、だから、いまこそ燃料電池を普及させよう、って声が出てもいいはずなんだけど、出ない。何故なの?

 「発電量が小さいんだよね。とてもじゃないけど、電力需要をまかないきれない」

 あ、そう。だったら、どうしたらいいの? やっぱ、太陽光? NHKなんかがよくやってるけど。

 「私、自宅にはつけちゃったんだけど、それも、無理

 地熱も小水力も発電量は限られてるし、究極のエネルギー源fだといわれてきた人口太陽、核融合の研究は頓挫しているし、困ったもんだね。

 とすると、これから進む方向は2つしかないことになる。
 1つは、原子力はやっぱり危ないから、代替エネルギー源の開発に血道を上げること。核融合、地熱、太陽光発電のエネルギー変換効率アップ、燃料電池の性能向上。とにかく、そちらに全勢力を注ぐ。
 もうひとつは、やっぱり原子力に頼るしかないという道だね。俺、ひょっとしたらこちらの方が現実的ではないかとも思う。だって、今回は「想定外」の地震と津波で「想定外」の事故が起きたわけでしょ。すでに1000年に1度の規模の地震と津波は「想定」になったわけで、だとすれば、これからの原発はずっと安全な物になる可能性がある。ねえ、マグニチュード9.0が「想定内」になったわけだから、だったらマグニチュード12を設計基準にすればいい。20mの津波が「想定内」なら、30mの津波を想定すればいい。
 それだけじゃない。補助電源が水に浸かって動かなくなったのなら、水に浸からないようにすればいい。これだけの経験をしたのだから、失敗をすべてを将来に生かすと考えれば、原発はずっと安全な物になる。科学とか技術とかいったって、経験値の積み重ねじゃない。つまり失敗を繰り返した結果がいまのレベルということ。より大きな失敗をすれば、科学、技術は大きく飛躍する可能性がある。

 「恐らく、現実はそういう方向に動くのでしょうね」


 福島原発も、表面的には落ち着きを取り戻しているように見える。
 であれば、これから先のエネルギーはどうあるべきかを、そろそろ腰をすえて考える時期ではないかと思っている。


 3時過ぎに。

 「ねえ、明日病院に連れて行ってくれる?」

 発声者は、専属運転手である私のご主人様である。

 「どうしたんだ?」

 「膀胱炎じゃないかと思って」


 そういえばここ1.2日、体調はよくないようだ。今朝は、足が重いというので、必要物資をメモさせて私が買い出しに行った。

 「体調が悪いのなら、いまから行けばいいじゃないか」

 「明日でいいの」


 体調がすぐれないのなら、一刻も早く医者に診せた方がいい。全く理屈が通らないことを平然と口にするのは、我がご主人様の日常である。
 そういえば数日前、足にグルグルと布を巻き付けて縛っていた。

 「どうしたんだ、それ?」

 「静脈瘤で足が重いから、縛ってるの」


 ……。

 理屈が通らないことをいう相手に向かっても、理屈が通る反応しか示せないのは私の欠点だろうか。

 「お前、アホか」

 土曜日の午後開いている内科医を、何故か私が捜した。見つけて、ご主人様を車に積み込み、お連れした。
 駐車場で1時間半は待っただろうか。

 「丁寧に診てくれるお医者さんでね。尿をとって血液を採って、血圧を測って、静脈瘤まで見てくれて」

 おい、お前は膀胱炎だといってこの病院に来たのではなかったか? 最初に私に告げるべきは、その診断結果ではないのか?

 「あ、それは、まだそこまで行ってないんだって」

 だったら、何だったんだ?


 夕方、4歳の瑛汰からショートメールが来た。

 「ボスえほんいぱいかてね」

 まだ、促音の表記が不得手らしい。句読点の知識もない。まあ、仕方ないか。
 でも、よくキーボードを操作したものだ。瑛汰、偉い!

 早速、Amazonに絵本を2冊注文した。
 Zが、小学校に入学する前に読んでおきたい絵本100という冊子を出している。その中から定期的に2冊ずつ送っているのだが、それを早めた。Zは、私が大学入試に備えて、唯一頼りにしたところである。

 啓樹にもZのパンフを見て絵本を送った。だが、啓樹の時は推薦図書は20冊だった。いまは100冊。
 時代は急速に変わる。ちと、財布と相談したい心境である。

 

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