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 2011年1月25日 エコポイント

 夕刻、ビールを飲んでいたら宅急便で封筒が届いた。何事ならん、と見ると、エコポイントで申請していた商品券とクオカードが届いたのだった。

 昨夏、横浜の自宅1階を改装し、ついでに、調子が悪かったエアコンを入れ替えた。それがエコポイント対象商品で、そのポイントがやっと届いた。8000円の商品券と500円分のクオカードである。

 「さて、どう使おうか?」

 昨年、50インチのテレビを買ったとき以来2度目のエコポイントである。ポイントが商品券に換算され、それが届けば、

 「買ってよかった、テレビとエアコン!」

 とはしゃぐほどではないとしても、それなりのお得感はある。
 それで済ませておけばいいのに、

 「だけど」

 と考えてしまう私は、天の邪鬼である。

 「これって、大変に差別的な制度ではないのか?」

 エコポイントを入手するには、対象商品を買わねばならない。ということは、買いたくても買えない人は、エコポイントなんてもらえない。
 しかも、エコポイントの原資は税金である。消費税などなかったころは、所得が低い人は税金を払わなくてもよかった。しかし、消費税導入後は所得がどれほど低かろうと、生きていく上で最低限必要な物を買うだけで税金が取られる。つまり、エコポイントの原資は、エコポイント対象商品を買えない人も負担しているのである。
 貧しい層から豊かな層にお金が流れる。これは社会正義に反する。

 今日我が家に届いた8500円のうち、欲しくても変えない方々が負担された税金でまかなわれている割合は、無視できるほどに小さいのかも知れない。だが、そのような方々が支払われた税金が含まれていることは確かである。

 「これって、極めて不平等なばらまき政策ではないのか?」

 制度を作ったのは、自民党の麻生内閣。
 いま自民党は、民主党の子ども手当などを「ばらまき」と批判している。民主党のマニフェスト、子ども手当の是非は別として、

 「だけど、自民党に批判する資格があるのか?」

 と私なんぞは考えてしまうのだが。


 昨夜は、合コンであった。同業他社の若いヤツに頼まれて私が手配したものである。
 10月中、遅くても11月中に実現するはずが、昨日までずれ込んだ。一時仕事が立て込んだことも一因である。が、最大の原因は、私に頼んできた若い衆の怠慢である。
 人に何事かを依頼しながら、依頼したことより自分の社内事情を優先して日程を先延ばしする。あってはならないことを彼は繰り返した。
 まあ、それは横に置く。

 結論を急ぐ。

 「だけど、君。私が同席して、すべての女性の関心が私に集まったらどうするつもりなんだ? そもそも、私の話を二つ返事で受ける女性だ。その可能性だって小さくはない。なあ、安堂さんをなめたら痛い目を見るぜヨ!」

 という事態は、遺憾ながら起きなかった。いや、起きなかったと思う。起きなかったと断言するには、しばらく事態の推移を見守る必要はあるが。

 が、参加者の一人、21歳のうら若き女性に涙を流させてしまった。といっても、不埒なことをしたのではない。不埒なことはしなかったが、挑発してしまった。

 彼女は、桐生が好きだといった。桐生の人口が年々減るのは許せないと憤った。桐生が好きだといいながら、都会に出て戻ってこない若者に怒りをぶつけた。
 その彼女を、私は挑発したのである。

 「だけど、市役所職員になったら、『よかったね』といわれる町に未来はあるかい? 今のままだったら、この町はじっちゃん、ばっちゃんだらけになって、やがてなくなるぜ」

 こうして始まった挑発は、酒の勢いも借りてエスカレートする。

 「桐生が好きだって? 桐生の何がいいのよ。それすら分からなかったら、桐生をどうやったら元気な町に出来るの?」

 「えっ、私は自分のやることはちゃんとやってるって? だけど、それでは足りないから桐生の人口は毎年減ってるんだろう。あんたがやるべきことだけでは足りないんだよ。もっと出来ることがないか、桐生を何とかしたいんだったら考えなくちゃ」

 「考えたって、誰もついてこないって? それは、君が考えてことが詰まらないからだろう。いや、まともなアイデアだったかも知れないけど、だったら君の情熱が足りないんだ」

 途中から、彼女はポロポロと涙を流し始めた。私に言い負かされた悔し涙なのか、知的に興奮したが故の涙なのか、それは分からないが。
 いやはや、若い女の子を虐めてどうする? と言う声が聞こえてきそうだ。

 いまやすっかり桐生の市民となった私は、この子の夢を膨らませたかったのである。

 今のままでは、桐生が好きだという若者も、仕事がないから生きて行くには都会に出るしかない。一度行けば戻ってこられなくなる。両親が桐生に残され、やがて病み、死ぬ。だが、仕事に就いた子供は、それでも桐生に戻ることは出来ない。こうして、老人家庭が増え、一人暮らしの所帯が増え、廃屋が増える。そんなだから商業施設も衰退し、詰まらない桐生になる。

 ねえ、桐生に足りないのは金なんだよ。その金を投資して、職場を作ることなんだよ。君、そのために何が出来る?

 やりたいこと、やらねばならぬことのアイデアがまとまったら話しに来いと伝えた。まともな考えだったら、私に出来る助力はする。人にも引き合わせる。

 合コンで、こんな話しをする私は、やっぱり野暮か?

 しょうがないよなあ。
 だって私、頼まれコーディネータだし、それを抜きにしても、

 「ねえ、結婚していることを前提にお付き合いしていただけます?」

 というしかない立場である。
 でえあれば、桐生の町作りの話をした方が生産的ではないか?

 いや、これは野暮の弁解であります。

 ではまた。

 

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