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 2010年1月7日 これ、ミス

 「犬の力}(角川文庫)を読了した。というか、数日前に読み終えた。

 このミステリーがすごい、の海外編第1位というので期待して買ったのだが……。

 分量は、確かにすごい。上、下合わせたら1100ページを超す。ついでに、お値段も文庫本のくせに1冊1000円もするし。
 おっと、ここいらは本質的な話ではない。

 米国の、仕事中毒かもしれない真面目な麻薬捜査官と、仕事熱心なメキシコの麻薬ギャングのお話。政府側の人がギャングの手下になっていたり、ギャングがメキシコ政府を動かしていたり、都合の悪い政治家は暗殺したりと、もうやり放題。ギャングの仲間割れ、家族を巻き込んだ陰惨な殺し合いなど、全編に暴力がみなぎっている。

 でもなあ、なんとなく予定調和なのよ。あ、きっとこうなるな、と思って読み進むとやっぱりそうなってしまうというか。

 麻薬ギャングの親玉が女で失敗したり、その跡を継いだ甥っ子も、やっぱり女に裏切られて墓穴を掘ったり、この甥っ子が障害を持って生まれた娘を溺愛し、そのおかげで麻薬捜査官に居場所を割り出されたり。
 まあ、障害を持った娘を溺愛するギャング、というのは、意外といえば意外だが、それを除けば意外性がないんだよなあ。えっ、と驚く場面が、知性や感性を刺激されるシーンが、まずない
 だから、読み進むのがつらかった。だからといって、大枚2000円も投じた本を途中で放り出すのももったいない。年末に読み始めたのに、年明けまで延々と読んでいて、やっと読み終えた、というのが実感だ。

 このミステリーがすごい、は、このミス、と縮めて呼ばれることが多い。
 これなら、このミス、ではない。これ、ミス、であると思ってしまった私は、ものの価値がわからない男なのだろうか?

 

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