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 2009年4月26日 悪戦苦闘

 いやはや、習慣とは恐ろしいものである。
 東京にいた頃は、3日も「らかす」を書かないと、何だか手持ちぶさたであり、加えて人生の充実感がなかった。罪を犯しているような気さえした。待っていてくれる人がいる。追われるように、あれもこれも「らかす」に書いた。

 ところが、桐生に来てからはちっとも筆、いやキーボードが進まない。だけでなく、書かなくてもちっとも不安にならない。待ってる人がいる? だったら、待っていただけば? てなものである。
 こういう態度を、人は怠惰と呼ぶ。加えて、傲慢ではないか、と非難する人もいるかも知れない。
 まあ、確かにそう言われても仕方がないか……。

 とりあえず弁明する。

 桐生での仕事が、意外に時間をとるのである。公共交通機関がほとんど頼りにならない桐生だから、仕事の足はすべてマイカーである。
 午前9時前にマイカーで家を出る。お昼頃戻って昼食をとり、1時過ぎに再び出かける。戻ってくるのは5時半か6時。それから風呂に入り、ビール2本で晩酌して食事。
 東京にいるときの5倍ぐらい働いているのではないか?
 毎日の走行距離は、平均で50kmほどにもなる。毎月20日働くとしても月間1000km。桐生は買い物の便が悪いから、休日は太田市やみどり市、伊勢崎市のショッピングセンターまで買い物に出かける。それを加えれば、月間走行距離は1200〜1300kmに上る。
 このような暮らしだから、昼間は原稿を書く時間がなかなか見つからない。夜は疲れている。ボーっとした時間が多く、いつの間にか布団に入って寝付いている。

 では、休日に書けばいいではないか。
 確かにそうである。休日は買い物に出かけるのを除けば、古女房と2人だけで家にこもる。とりたててやることもない。だったら、パソコンに向かってキーボードを叩けばいいではないか?
 
 ところが、そうはいかないのだ。録画済みのDVDとブルーレイの整理に追われているのである。
 我が家に貯蔵されているDVDとブルーレイは、すでに2000枚前後に膨れあがっている。これほど増えると、歳のせいもあるかも知れないが、とても記憶だけでは整理がつかない。記憶に頼って録画したら、すでにストック済みだった、なんていうことは日常茶飯事である。
 そうなのだ。パソコンの力を借りなければ、明日放映される映画が、果たしてストック済みであったかどうかの判断も難しいのが、いまの私なのである。

 というわけで私は、マイクロソフトは大嫌いだが、ほかに選択肢もないためエクセルを使って整理をしている。いや、正確に言うと整理をしていた。

 そのファイルがどこかに行ってしまったのに気がついたのは、桐生に来てからのことだ。
 私のiMacには、データのバックアップ用に外付けのHDDを接続しているが、そいつとの間でファイルをやりとりしているうちに、DVDとブルーレイを整理した最新のファイルが消えてしまった。どこかのフォルダに入れてしまったのかと探してみたが見つからない。どう探しても発見できないという結論に達したとき、私にできることは1つしかなかった。
 もう一度作り直すことである。2000枚にも達しようというDVDとブルーレイのデータベースを作り直すには膨大な作業が必要だが、ほかに選択肢がなければ仕方がない。

 というわけで、やっと桐生での暮らしが落ち着き始めた2週間前から、データベースの再構築に取りかかった。
 エクセルを開く。DVDとブルーレイの現物を横に置き、1枚ずつタイトルを入力する。入力したタイトルを元にネットで検索して、必要なデータをコピーし、エクセルにペーストする。そんな作業が延々と続いている。

 今は、ハリウッドの映画を五十音順に整理している。昨日の土曜日は「か」でタイトルが始まる映画から始め、「し」まで進んだ。今日は「す」から始めて「の」まで終わった。使える時間のほとんどを注ぎ込んで、この程度の進み具合である。五十音順に整理された現物を見ながらタイトルをエクセルに打ち込むのだが、

 「おっ、これは人物別の方で整理しよう」

 「これはハリウッドの映画ではないではないか。国別に移さなくちゃ」


 というヤツが結構見つかるのだ。その作業にも時間gなとられる。その結果、1日の労働時間は8時間をはるかに超えている。給料をいただく仕事には、それほどの時間は使ってないのだが……。
 次の休みは「は」から作業を開始する。「ほ」まで行ければ御の字である。

 五十音順の整理がすめば、次は人物別の整理である。さらに、国別もある。まだまだ、残る作業は膨大だ。

 ちょっと待て。エクセルで整理するんだろ? だったら、五十音順とか人物別とかではなく、とにかくすべて打ち込んでしまえばいいではないか。あとは、検索機能を使えばいいだろう?

 と疑問を持たれる方もおられるであろう。これにもお答えしておく。

 まず、我が家にはパソコンが使えない時代遅れの女が1人いる。都合の悪いことに、この1人が映画好きなのだ。だから、エクセルで整理したデータベースはすべてプリントアウトし、製本しなければならない。

 それに、エクセルとは実に困ったソフトである。入力したデータが増えると、極端に処理速度が落ちる。快適に使おうと思えば、エクセルのファイルをいくつかに分けるしかない。だからハリウッド映画の五十音順を2つのファイルに分け、人物別、国別、日本の映画、とそれ別のファイルにしなければならないのである。

 という困難な作業を続けながら、よかったな、と思うことが1つだけある。
 なくしたのが、エクセルのファイルだったことだ。
 DVDとブルーレイの現物を引っ越しのどさくさでなくしていたら、こんな作業をする必要はなかったが、映画の世界に浸ることができなくなっていた。なにしろ、エクセルで作ったファイルは、映画を見せてはくれないのである。
 いや、いまのところ、作業に追われて映画など見る時間はないのだが。

 というわけで、「らかす」にアクセスして下さる方々には不義理を続けている。だが、私を執筆から遠ざけている障害が解消されれば、できるだけ頻繁に更新したいと思っている。日誌だけでなく、「シネマらかす」だって書き続けたい。
 なにしろ、「らかす」を閉鎖するのは、私の遺族の仕事である、と考えているほどなのだ。

 伏してお願いする。いましばらく寛容の心を持って見守って頂きたい。

 

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