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 2008年4月6日 舌の根

 朝日新聞の社説を虚心坦懐に読む。今日で4日目である。3日坊主ではないことが今日証明できる。まずはめでたい。
 ま、4日坊主で終わる危険もあるわけだが……。

 まずはいつものように、こちらで本日の社説をご確認頂きたい。その上で我が愚考をお楽しみ頂く。私が無理難題をふっかけているのかどうか。ご感想などいただけるとありがたい。

 【日銀総裁人事―新提案で決着のときだ】
 驚いた。舌の根も乾かぬうちに、というのはこのようなことをいう。
 明日の国会に、政府は3度目となる日本銀行総裁人事案を出す。さて、2度にわたって政府案を潰してきた民主党さんよ、もう同意してもいいんじゃない? 一定の成果もあったことだし。というのが社説の趣旨である。
 だが、少し待って頂きたい。
 前の2案に民主党が反対したのは、日銀総裁に予定されていた人物が旧大蔵省出身者だったからだ。財政と金融はそれぞれ独立していなければならないとという大所高所からの理由もある。だが、何よりも説得力があったのは、大蔵省出身者と日銀出身者が交互に日銀総裁に就任するのはおかしくはないか? という民主党の主張である。必ず財務省・旧大蔵省に割り当てられるポストは天下りポストなのである。
 自民党よ、高級官僚の天下りをやめろ。それは朝日新聞社説の主張でもあったのではないか? 「公務員改革―国会で大論争を見たい」という昨日5日の社説は、天下りを含めた官のシステムを抜本的に見直す議論をしろというのではなかったのか?
 明日国会に出てくる案は、総裁にはすでに副総裁に就任している日銀出身者だが、副総裁に財務省出身者を当てるものだ。やっぱり、財務省出身者が天下りするのである。そして、副総裁は、次の総裁の有力候補となる。
 なのに、
 「日銀が独立を保てるよう、次は若返った日銀首脳陣を国会から後押ししたらいい。もう歩を進めるときだ」
 という。
 これに呆れずして、何に呆れたらいいのだろう?
 日銀総裁は先月20日から空席となっている。「らかす日誌 2008年3月19日 空席」で書いたように、いまのところさしたる影響は出ていない。
 日銀総裁はしばらく空席でもいい。この際、財政と金融の分離問題、高級官僚の天下り問題に明確な結論を出すべきだ、なんていう主張はできないものかね?
 そろそろ幕の引き時、なんていかにも事情通の調整役みたいな社説はお断りである。筋を通すのが説の仕事なんじゃないの?

 なお私は、官僚の天下りに全面的に反対するものではない。腹に据えかねる事例を多々知ってはいるが、時と場合によってはあってもいいともう。
 だが、財政と金融は分離すべきものだと考える。
 経済動向を監視し、コントロールできるのは財政と金融しかない。
 財政は景気が悪くなると支出を増やす。景気対策の公共事業が代表例である。そして日銀は金利を引き下げ、双方から景気にてこ入れする。
 だが、いまは財政が不自由だ。出そうにも金がない。だから、財政は自分は動かずに、あるいは動けないものだから、金融に過度の出動を要請する。日銀が独立していないと金利が下がりすぎ、経済がひずむ。
 一方、景気が過熱すれば財政は支出を抑えるのが筋である。だが、官は政に弱い。一度広がった財政出動はなかなか絞れない。だから、ここでも金融が過度の登場するしかなくなる。金利の引き上げすぎである。
 何事にも「適度」があるのに、財政と金融がくっついていると、「適度」を実現するのが難しくなる。
 と私は思う。

 【猟銃の所持―保管施設で厳しく管理を】
 珍しく、まっとうな主張である。保管施設を整備して銃の個人管理をやめさせろとの主張は、まあ、元々は警察庁で検討された上で廃案になったものらしいが、その復活を唱えているのは頷ける。
 だから、無い物ねだりをしてみよう。
 警察庁は
 「経済的に破綻(はたん)した場合や自殺の恐れがある場合も所持を認めない」
 ことも検討してるらしいが、そんなことできるのかね? かつては住民の情報をこまめに集めていた派出所は、いまやないも同然である。そんな警察に、経済的に破綻した銃所有者や、自殺の恐れがある銃所有者の情報がどこまで集まるのか? に言及しても良かった。
 社説子の案らしいが、
 「まず弾だけでも、猟友会や射撃団体などの責任で保管することを考えた方がいい」
 というのは実現できるのか? 弾は銃所有者が購入する。購入して猟友会などに預けることがどこまで期待できるか? 大部分は預けたとしても、一部は手元に置くのではないか? なにしろ面倒なのだ。それに、いざ銃を使おうというときに、手元に弾がないのは大変不便なのだ。不便さを我慢しても弾を預けるほどの人なら、もともも犯罪の恐れはほとんどないのではないか?
 そして、最大の懸念は銃と弾が1箇所に集まることにある。市井の銃犯罪防止には効果があるだろうが、大量に銃を必要とする連中にとっては、1箇所を襲えば必要な武器が手に入る環境が整うことになる。
 ゲバ棒に始まり、武器をエスカレートさせた1970年代の、革命運動と本人たちが思っていた運動は、武器の調達方法として自衛隊の武器庫を襲撃することを考えていたと記憶する。自衛隊は武装集団だ。滅多なことで武器を奪われることはないと思うが、さて、民間の銃保管設備の警備はどうしたらいいのか?
 いっそ、警察あたりに保管庫を作るのも一案だとは思うが。

 この原稿を書きながら、過去3回の日誌を点検していて大変なことに気がついた。
 私のつまらない原稿を読む前にお読み下さいと、asahi.comの社説にリンクを張っていたのだが、それがすべて切れていたのである。すべてクリックした日の社説しか出てこない。今日、4月3日の日誌を見て、もとになった社説を読もうとしても6日の社説しか出てこない。困った。
 困っていて、一つ思いついた。朝日、読売、日経が共同で立ち上げた「あらたにす」である。念のために調べてみると、1週間分の社説はここにあった。今日、リンクを張り替えたので、今のところ問題は解決した。
 しかし、1週間が過ぎてしまうと社説が読めなくなる。困った。全文転載していたら、行数が長くなるしなあ……。

 何かいい案を思いつかれた方は、是非ご教授願いたい。

 

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