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 2006年8月31日 頭髪

 いつものように家を出て会社に向かった。何気なく、違法駐車車両を見た。私が窓ガラスに映ってた。いつもと違う私がいた。

 頭髪が逆立っている!

 なぜ? 記憶回路が稼働を始めた。すぐに答えが出た。
 整髪していない!

 私の朝は犬との散歩から始まる。今朝は6時20分ごろ家を出、7時10ごろ帰宅した。その間の歩数、4283歩。それから新聞を読み、朝食を済ませ、シャワーを浴びて髭を剃る。歯を磨き、濡れた頭髪をドライヤーで乾かし、乾いたらつや出し用の整髪料を振りかけてドライヤーで形を整える。
 これが日課である。
 狂うことなく、毎日繰り返される基本動作である。
 と、昨日まで信じていた。

 稼働を始めた記憶回路は、今朝の我が行動を描き出した。シャワーは浴びた。髭も剃った。歯は確かに磨いた。髪も乾かした。整髪料も使った。
 最後の、髪型を整える課程がスッポリと抜け落ちていた。

 櫛を取り出し、違法駐車車両の窓ガラスに向かって髪型を整えた。いや、整えようとした。整わない。頭頂部分の髪が元気よく立ったままである。ほかの部分が立つのはいいが、頭髪が立っても何の役にも立たない。見苦しいだけである。

 家に戻る時間のゆとりもなく、そのまま会社に来た。いまだに頭髪は元気なままである。

 基本動作の1つが抜け落ちる。
 このような時に人は、重ねた齢を思い、忍び寄る老いに気付く。
 面白く、でもちょっぴり胸キュンの現実である。

 

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