#2 Pual on Stage

 全国のPaul McCartney = ポール・マッカートニーファンに告ぐ。

 昨夜、つまり2002年11月11日、彼の3回目となる日本公演、「driving japan」のfirst nightに行ってきた事実を、私は喜びを持って報告するものである。

  5時開場、7時開演の予定が、リハーサルが長引いたとかで、開演が7時半にずれ込んだ。おかげで終了は10時10分過ぎ。彼らは日本の交通事情に疎いらしい。多分、遠くから来ている人であろう、9時半を過ぎると席を立つ人が出始め、私なんぞは

 「まあ、もったいない。かわいそう」
 
 と、主催者の不手際を非難しつつ、帰宅の途についた人々には同情を寄せた次第である。
  開演遅れの被害を受けたのは私も同じだ。最後の演奏が終わると同時に東京ドームを飛び出し、タクシーで東京駅へ走り、東海道線で帰ったが、自宅についた時は11時を過ぎていた。
  開演前におにぎりを2個食べてはいたが、とにかく

 腹が減って、腹が減って!

  自宅に着くなり、ポールのCDをかけ、ビールを飲みつつインスタント焼きそばを食べ、それが終わると寝酒を飲んで興奮を静め、布団に入ったのは午前1時。

 

 

(余談)
CDは、
「こんな遅い時間にCDかけるなんて、お父さん、バカじゃない?!」
という娘の一声の元、
♪♪ Let me roll It
   Let me ro …… 
で、突然演奏が終わった。
美食家にも似合わぬ食生活。
父親の威厳のかけらもない家庭生活。

 

 という一夜の興奮を、少しでも皆様にお分けしたい。今日は、ポール・マッカートニー日本公演の緊急レポートをお送りする。

  まず演奏曲目。

 

1.

Auraverde

 

 

(解説)
ポールが出てくるまで、サーカスが繰り広げられた。かなり上手かった。名のあるサーカスプレーヤーに違いない。観客席から登場したプレーヤーの最初の1人を見て、
「ポールが来た!」
と勘違いした方々が多かった。拍手と黄色い声が高まったのである。
  まあ、開演遅れで皆イライラしているわけだから、間違いたくなる心情も理解できないわけではない。

 

2.
 3.
 4.
 5.
 6.
 7.

 8.

Hello Goodbye
Jet
All My Loving
Getting Better
Coming Up
Let Me Roll It
Lonely Road

 

 

(解説)
私の前の席に座っていた2人連れの若い女性。最初から立ち上がってノリノリだったが、このあたりまで来ると、
「これ、なんて曲?」
なんて、2人でひそひそ。ポールが泣くぞ!
私の準備は怠りない。Driving USA Tourの演奏曲リストをプリントアウトして持参していたのである。あまりのことに、1枚プレゼントしてしまった。すると、それまで立ちっぱなし(私は座りっぱなし)だった2人が、座ったではないか!
「邪魔だから座れ!」
などと叱りつけると、きっとむくれて、あとで
「なによ、変態オヤジ! 歳のせいでのれないだけじゃない。バッカみたい!」
などと悪口を言うに決まっている類の娘たちであった。しかし、彼女らとて、親切にされると、自然に親切にしてくれた人に気を遣う。私はこのとき、「北風と太陽」という童話が、人の真実を適格に描き出していることに驚きを覚えた。。
もっとも、それから1時間少々たつと、2人はまた立ち上がったのではあるが……。
教訓:太陽の威力も、時とともに衰える。

 

9.
10.
11.
12.
13.
14.
15.
16.
17.

Driving Rain
Loving Flame
Blackbird
Every Night
We Can Work It Out
You Never Give Me Your Money〜Carry That Weight(メドレー)
The Fool On The Hill
Here Today (John Lennon Tribute)
Something (George Harrison Tribute)

 

 

(解説)
ステージ上からPaulが語ったところによると、George Harrisonはウクレレの収集家であった。家に遊びに行くとウクレレをたくさん出してきて
「ほら、これは君にあげる」
 「こいつは君に」
と、ウクレレをプレゼントしまくったそうである。この日ポールが手にしたのは、George Harrisonにもらったウクレレ。このGeorge Harrisonの名曲を1人でウクレレを弾いて、原曲とは違ったリズムで歌っておった。歌い終わると、
「こんな風にやってるとGeorgeが、『それは違うぜ』といって、こういう風に弾くに違いないよね」
などといいながら、原曲と同じリズムでさわりの部分をちょっぴり演奏してみせるサービスも。
なお、ここでポールの発言とされている部分は、私の下手な英語能力で聞き取れた気になっているポールの発言である。翻訳内容の正確さについてはいっさい保証するものではない。

 

18.
19.
20.
21.
22.
23.
24.
25.
26.

Eleanor Rigby
Here There And Everywhere
Michelle
Band On The Run
Back In The USSR
Maybe I'm Amazed
Let Me Roll It
My Love
She's Leaving Home

 

 

(解説)
この曲をライブでやるのは初めてだとPaulがいった。初鰹、初孫、初夜……。初物好きは、我が国民性らしい。会場はいやがうえにも盛り上がった。オリジナルと比べると、テンポがややゆっくりしていた。
 どうでもいいことだが、この曲では、家出した女の子は、金曜日の午前9時に “a man from the motor trade” に会うことになっておるが、これがどのような職業かご存じか? “a man from the motor trade”とは、スラングで売春の斡旋人なのである。
つまり、親から自立をしたくて家出をした女の子は、暮らしていくために、売春という職業を選択する。
やはり、洋の東西を問わず、親の愛を振り切って自立をするというのは、それほどのリスクがあるのか?
それとも、暑苦しい「親の愛」を押しつけてきた、それまでの育て型に問題があって、こんな娘に育ってしまったのか?
いや、古くさい親の世代の道徳観を照らし出すために、彼女はあえて売春という職業を選択したのか?
ひょっとしたら、彼女は自分の一番好きなことを職業として選んだのか?
そもそも、「売春」という職業が、なぜ他の職業と違った目で見られなければならないのかという問いかけか?
なかなかに、哲学的な問題である。

 

27.
28.
29.
30.

Can't Buy Me Love
 Live And Let Die
Let It Be
Hey Jude

 

 これよりアンコール 。

 

31.
32.
33.

Long And Winding Road
Lady Madonna
I Saw Her Standing There

 

 これより2度目のアンコール 。

 

34.
35.

Yesterday
Sgt.Peppers Reprise〜The End(メドレー)

 

 Driving USA Tourで演奏した曲目と比べると、

 




Mother Natureユs Sun
Vanilla Sky
C Moon
Freedom

 

 の4曲が落ち、

 



Michelle
Let Me Roll It
She's Leaving Home

 

 の3曲が入っていた。

  なんか、1曲減って損したような気にもなるが、Driving USA Tourでは、

 Live And Let Die〜Let It Be

  がメドレーになっていて1曲と計算されているので、総曲数は同じか……?

 「で、ご感想は?」

 













腹減った。とにかく腹減った

8枚もチケット買ってしまったので、金がなくなった(家族分7枚+予約の関係上、本当は必要なかった1枚)。

寄る年波には勝てない。ん? 俺のこと? それともPaul?

偉大なるマンネリ

ビートルズ時代の曲の方が、拍手が大きかった。Paulの心境や如何に?

9年前のコンサートでもそうだったが、舞台に立ったPaulが鉛筆、あるいは爪楊枝ぐらいの大きさにしか見えない。ドームでコンサートとは、悪しき商業主義の象徴である。今回のPaulのギャラは、なんと、32億円と聞いた。32億円を回収するには、ドームに人を集めて、1人あたり1万4000円をふんだくるしかあるまい。1回5万人入るとして、現金収入は7億円。5回公演だから、すべての席が売れて総収入35億円。会場費や人件費、事務所の経費を考えれば、完売しても採算は厳しい。
 それにしても、せめて顔が見えるところに座りたかった!

そういえば、場内で13日、14日の公演の前売り券を売っていた。ということは、チケットは完売していないのだなァ。いまごろ主催者は、収支勘定をして青くなっているに違いない。ま、どうでもいいが。

Freedom、どうして日本公演から削ってしまったのかね?

 

 もっとも私は、あの歌詞にやや違和感を覚えている。

 This is my right

 A right given by God
 To live a free life
 To live in freedom

  ってねえ……。自由な生活をする、自由の中で生きる権利って、神様がくれたものかい? どの国の歴史でもいいけど、ちょっと調べてみれば、どこにも、そんなに親切な神様はいなかったって判る筈ではないか。勉強不足である。

  なんて文句をたれながら、やはり私は、ポールの最新ライブCD、「バック・イン・ザ・U.S.? ライヴ2002」を買ってしまう。
  あ、そうだ、DVDも出たんだな。こいつも買わざるを得ない。
  ということで、財布が軽くなる。飲み代がなくなる。我が老後資金が底をつく。
  
  面白うてやがて悲しき 鵜舟かな(松尾芭蕉)


【初出2004年11月12日】
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