グルメに行くばい!   第19回 :鯛茶漬け

 前回、私がステーキを焼いたのも、残った牛脂とモヤシで美味しい味噌汁を作ったのも、いや、名古屋で自分で調理したものの熱源は、ほとんどが「IHクッキングヒーター」だった。電熱器のお化けである。
 なにせ、私が住んだのは単身赴任者専用の部屋だった。世の中の相場では、単身赴任者は、夜遅く、酒に酔って部屋に戻ることになっている。独り暮らしのストレスを解消するため、好きでもない酒を、苦い酒をグイグイと流し込んで、誰も待つ者のいない、明かりが消えた、冷え切った部屋に戻る。酒でも飲んでいなければやってられない。

 

 

(注)
私の場合、好きな酒、苦くない酒、ではあったが。

 

 そのまま寝てくれれば問題はない。しかし、不心得者はどこにでもいる。単身赴任者の中にもちゃんと存在する。

 酔っぱらって、千鳥足で、酔眼朦朧としながら、

 「寝る前に、ちょっとお茶でも飲みたいな」

 という輩が、必ず存在する。
 いや、存在しても構わない。その輩が、冷蔵庫の扉を開いて、ペットボトルのお茶を飲んでくれれば、この世は平穏である。

 「お茶は、やっぱり温かくなくっちゃ」

 という輩が必ずいる。
 そんな輩が、魔法瓶を備えて、その中にお湯を蓄えていれば、これも問題ない。電気ポットでもいい。電気魔法瓶なら、いつでも熱々のお湯が入っているから、なお結構である。

 問題は、このような文明の利器を用意していない輩である。このような輩がお茶を飲みたくなったらどうするか?
 お湯を沸かすしかない。お湯を沸かすにはどうする? そう、何かを熱源にする。加熱しなければ、水は湯になってくれない。通常は、ガスレンジである。
 これが危ない。この輩は、酔っぱらいなのである。火を付けたまま眠り込む、不用意に火の上に布巾を落とす、炎の中に顔を突っ込む。もう、ありとあらゆる危ないことが考えられる。

 世に、PL法というものが存在する。

 「猫を洗って電子レンジで乾かそうとしたら死んでしまった。これは メーカーの責任である」

 なんて理由でメーカーを訴え、多額の賠償金をせしめるときの根拠法になると、一般的にいわれている。

 

(注)
カッコ内の事例は、アメリカで本当にあったそうだ。こんな事例を並べ立て、日本の法律の不備や企業の危機管理の甘さを指摘したり、米国の訴訟社会の異常さをあげつらったりする文章が、一時は世に溢れた。
不思議だったのは、判決を目にしたことがないことである。電子レンジで自分の猫を殺した飼い主は、本当に賠償金が取れたのか? 私はいまだに知らない。

 だからではないだろうが、私の部屋にはガスレンジがなかった。代わりに「IHクッキングヒーター」が備わっていた。
 目にするのもさわるのも、初めてである。

 が、電気ポットも電気魔法瓶も持っていなかった私の熱源は、これしかなかった。

 手始めにお湯を沸かした。備え付けだったゴトクの上に小さなやかんを置いた。

 05分。沸かない!
 10分。沸かない!!
 15分。沸かない!!!
 20分。沸かない!!!!

 数日後、仕事で知り合った中部電力の社員に、皮肉を込めて言ってやった。

 「電力会社ってさあ、『IHクッキングヒーター』を一所懸命売り込んでるけど、ダメだね、ありゃあ。ガスの方がずっといいよ」

 「えっ、どうして? そりゃあ、使い勝手は少し違うけど、我が家は電気で煮炊きしているよ」

 「嘘! あんなもんでお湯沸かしてたら日が暮れちゃうよ。だって、火力が全然違うもの」

 「おかしいなあ。だって、200W仕様のものでしょ? ガスと違う訳ないけどなあ」

 「なに言ってんの。あんた、お湯を沸かすのにどれくらい時間がかかったと思ってる? 1リットルほどのお湯を沸かすのに、1時間近くもかかってどうすんのよ」

 「えっ、1時間!? どうやって沸かした?」

 「どうやってって、熱量を最大にして、上にやかんをおいたのよ」

 「やかんは、プレートに直置きした?」

 「まさか。だって、ゴトクがあったよ」

 「まさか、ゴトクに乗せたんじゃあ……」

 「だって、最初からゴトクがあるんだから、その上にやかんを乗せるのは当たり前じゃない」

 「安堂君、IHクッキングヒーターはガスと違って、プレートの上にやかんや鍋を直置きするのよ。ガスは燃えている炎が温度が高いから、バーナーにくっつけてはダメなんだけど、IHクッキングヒーターは炎を出さず、プレート自体が熱くなるわけだから、そこにくっつけておかないと、お湯も沸かないよねえ」

 「………」

 

 

(独り言)
だとすると、あのゴトクは何のためにあったんだろう……? 私を馬鹿にするためか?

 

 数々の失敗を繰り返しながら、でも、自炊は定着した。
 食事を作ることが定番コースになると、誰しも考えるのは手抜きである。何とか、もっと素早く、簡単に、美味しい食事が作れないものか。

 

 

(余談)
電気洗濯機、電気掃除機、電気炊飯器など家電品は、家事を大幅に簡素化した。
たらいに水を張り、洗濯板と洗濯石鹸で、汚れ物をゴシゴシ洗っていた時代と比べてみるがいい。

 

   

((余談の余談))
ま、おかげで、川で洗濯する若い娘の太股に心を奪われた結果空から墜落した久米の仙人の楽しみはなくなってしまったが。

 

 

掃除も、はたきと箒しかなくては、部屋の中の埃をすべてなくすのは至難の業である。
お釜で米をとぎ、火吹き竹を使って竈に火をおこし、薪を出し入れしながら火力を調整してお米を炊いていたのが、いまは無洗米に水を加え、電気釜にセットしてスイッチを押すだけである。はじめチョロチョロ、中パッパ、は電気釜が自動的にやってくれることになっている。
これらの発明品が世に出たころ、家事は主婦がこなすものと決まっていた。「必要は発明の母」。文字通り、母の必要が生み出したのである。
ま、この場合の「必要」は、「さぼりたい」「手抜きをしたい」ということであったろうが。

 

 何がなんでも手抜きだ。俺は手抜きをしたい。俺は手抜きをする。
 そんな願望があった。願望を胸に抱きながら、ある日、名古屋・栄の書店を冷やかしていた。「ある日」というのは、いつかが特定できないからの便法である。たまに本屋に行くのなら特定するすべもあろう。だが、時間ができると書店をそぞろ歩くのが私の日課だった。

 文庫本のコーナーを歩いていた。ハードカバーの本は場所ふさぎだから、原則として買わない。

 本を沢山買っていると、私に読んでほしいと思っている本は、向こうから私の目に飛び込んでくるようになる。しばらく書店から遠ざかっていると、いくら目を凝らして背表紙を見て回っても、ちっとも頭に残らない。本とは実に不思議なものである。
 この時もそうだった。1册の本の背表紙が目に飛び込んできた。

 「システム自炊法 シングル・ライフの健康は、こう守る」

 目が釘付けになった。
 システムとは、雑多な要素で構成される全体が、うまく、合理的に、スムーズに流れるように工夫したものである。だとすると、自炊をシステム化するというこの本は、手抜きをして美味しいものを作る手引書であるに違いない。これぞ、私が求めていた本ではないか!

 迷わず、その本を抜き出した。カウンターに向かう。お金さえ払ってしまえば、私は強力な武器を手にすることになる。明日からは、いや、読むのに多少の時間がかかるだろうから、今週末からは、ふむ、遅くとも来週末からは、私はシステム化した自炊を実践し、手早く、簡単に、美味しい料理を作って食べることができる。
 お金を払った。本が私のものになった。心が弾んだ。

 

(余談)
実は、同時に1冊の本を買った。
宮沢りえヌード写真集「サンタフェ」である。
本の代金を支払うべくカウンターに行くと、カウンターの上に、このヌード写真集が平積みされていた。
はあ、これが話題の「サンタフェ」か。
「これが『サンタフェ』なんだねえ。これも全部予約済みなんだろ?」
「いえ、お買い上げいただけますよ」
???
狐につままれた感じがした。
話題の本だった。予約をしなければ買えないといわれていた。いや、予約をしても数週間待たされるという話もあった。なのに、予約もしていない私が買える?!
瞬間的に心が決まった。
「これもちょうだい」
関心がなかったわけではない。が、予約もしなかったし、買う気もなかった。なのに、予約なしで、即刻買えると聞いただけで買う気になった。不思議である。人の心とはわからないものである。
持ち帰って眺めた。ほくろの多い女の子だった。が、さすがに、美しいヌードである。でも、少しもエロチックではなかった。ただただ美かった。
あの写真集は息子が持っていった。その後の行方はしれない。
結論。
あのころのりえちゃんは天使のように輝いていた。
今は……、もう少し太った方がいい。

 

 自室に戻った。手には、「システム自炊法 シングル・ライフの健康は、こう守る」がある。
 鬼に金棒の心境である。

 

 

(余談)
たくさんの本を読む人がインテリとは限らない。
しかし、インテリはたくさんの本を読む。本には、古今東西の知識、知恵、出来事、人々の思い、ものの考え方から、未来の可能性まで、様々なものがぎっしりと詰まっている。本を読まない人をインテリとは、絶対にいわない。
ある家庭を訪問したときのことだ。ご主人が出て来られるまで、奥様と話す時間があった。
「いえねえ、先日、庭の木が伸びすぎているのに気がつきましてねえ。主人に『庭の木を切ってちょうだい』ってお願いしたんですよ。あまり当てにはしてなかったんですけど、『そうだな、最近運動不足だから、よし、僕がやるよ』って言ってくれるじゃないですか。私、喜びましたわ」
「次に、主人がしたことが何かわかります? 『じゃあ、庭木の手入れの仕方のを買ってくる』って、出かけたんです。あれあれ、と思いましたけど、まあ、主人が前向きに動き出してくれたかと。はい、主人は3、4冊の本を抱えて帰って参りまして、自宅に着くなり本を読み始めました」
「ところが、主人も、ほら、仕事が忙しいでしょ? なかなか読書が進まないんですよ。2週間たっても3週間たっても、本は読みさしのままなんですよ。『あなた、庭木はいつ切ってもらえるのかしら?』って聞くと、『素人が庭木の手入れをしようというのだから、ここにある本を全部読んできちんと理解するまでできるはずがないじゃないか』って怒るんです。『いつ頃になりそうです?』って聞いても、『そのうち暇になるから』っていうだけ。ええ、3ヶ月たっても読書は終わらず、庭木はますます伸びましてね。しょうがないから、主人が出かけているすきに植木屋さんを呼んで切ってもらいました。切ったこと、主人はまだ気づいていませんけどね。今日、庭木の話でも仕掛けてみてもらえます?」
ご主人は、中央官庁の幹部。絵に描いたようなインテリである。
インテリは、時として本に淫する。
私も自戒せねばなるまい。

 

 はやる心を抑えてページをめくる。最初の章は「外食は週11回に止めよ」とある。

 「単身赴任生活者はこの前の戦争で南洋の島々に送られた兵士のようなものといったら、あなたはどう思われるだろうか。あの極度に食料の乏しかった孤島の兵士と、飽食の時代をいわれる今日の深夜までコンビニエンス・ストアが開いている都市生活者のどこに共通点があるというのか」

 著者は芥川賞候補にもなったことがある作家であるという。なるほど、そのような素養がある人の文章は違う。堂々たるものだ。不可思議な日記を、恥じらいもなくホームページで公開し続けているどこかのトンチキ野郎に読ませてやりたいものである。

 しかも、のっけから挑戦的である。単身赴任者は南洋の島々に送られた兵士だと?! ざけんじゃあねえ! 俺様は立派な企業戦士でえ!
 そこまで挑発されたら、先を読まないわけには行かないではないか。

 「たしかに今日、我が国の大都市において、栄養学の正しい知識に基づいた家庭料理がつくられるならば、それはもう天国と地獄の違いであって、ガダルカナルとは比べようもないのはもちろん、人類史上のどの国どの時代の食事よりもはるかにすぐれた食事の内容になりうる。まさに理想的な栄養の摂取ができるのだ。有史以来、庶民がこれほど食料に恵まれた時代と国はなかったといってよいだろう。しかし、札幌であれ広島であれ、単身で赴任した場合には、栄養的にみてガダルカナルとの距離がぐんと近くなる」

 いったい、これは何の本なのだろう? 現代都市生活の陥穽を知りたくて買った本ではない。単に、手抜きをしながら美味しいものを作って食べたいだけの読者なのである。
 著者は、そうした読者の事情は全く斟酌しない。勝手に、書きたいことを書く。

 以下、適宜拾ってみる。

 「豊かさがブルドーザーのように世界中の食の伝統を圧しつぶしていっているのだが、ではこの高脂肪・高蛋白・低自然食は我々にどういう結果をもたらすのだろうか」

 「我が国でも多くの家庭がこのパターンの食事になってきているのだが、かんたんにいうと脂肪と砂糖とタンパク質をとりすぎる食事である」

 「このパターンの食事はカルシウム、マグネシウム、カリウム、ビタミンB6、ビタミンE、葉酸などの微量栄養素と食物繊維を不足させることになる」

 「外食料理の欠陥をまず考えてみよう。わが国の外食では果物は完全に、野菜は甚だしく軽視されている。それは大衆食堂から高級料亭まで変わりない」

 「今ひとつの外食料理の大きな欠陥は揚げものに偏している点である」

 えっ、これって栄養学の本?
 そうなのである。ほかの本で、著者は

 「私は現代栄養学を勉強してきた者である」

 と書いているのである。現代日本の食事は、家庭料理を含めて体系が崩れてきた。この体系を再構築しないと、健康な食、健康な体は作り得ない。さあ、一緒に食の再構築を始めましょう、という警醒の書だったのでる。

 いくつかの料理の作り方はあった。
 単身赴任者の朝食は、小さなすり鉢でゴマを擂り、そこに玄米か3分づきの冷や飯を入れて多種類の基本菜をつまみながら食べればよろしい。作るのはみそ汁だけでよいとある。基本菜の作り方も、いくつか書いてある。そして、基本菜のコアとしてわかめ、ちりめんじゃこ、トキ鮭、たらこを常備せよとあった。

 目次を紹介しよう。
 「外食は週11回に止めよ」
 腹一杯食べながらの栄養不良/なぜ適切な栄養の摂取ができないのか/高脂肪・高蛋白食は何をもたらすか/豊かになると主婦が怠けられる料理に/自分で朝食をつくるのがカギ/外食料理の欠陥は/天国と地獄の住人が陥る同じ栄養不良/伝統食が持っていた知恵

 「冷や飯のうまさ」
 健康な状態ではなくなるキッカケ/単身赴任者が知るべき冷や飯の味/タンパク質をとりすぎるとカルシウムが不足する/食事のコアを確立する/まず丸底鍋と弁当型容器を用意する/クリスプ・ブレッドを常備しておく/基本装備となりうる四つの食品

 「だし汁なしではつくれない料理をつくる」
 一人でつつくのに最適トキ鮭の味/魚は解体処理してから冷凍する/第一線が破られるとズルズルと落ちこむ/「きゅうりもみ」で塩梅をマスターする/だし汁なしにはできない料理をつくる/多種類の野菜で「おひたし」をつくる

 「ニシンを食べて元気を出す」
 体が送ってくる信号を見逃すな/野菜不足に馴れることの危険/男性に不可欠な亜鉛を含んだ食事/学ぶべきイギリス式朝食/野菜を水なしで蒸す/保存が可能な野菜料理

 「なぜ、彼は一月で中国料理に飽きたか」
 胃癌、食道癌が多発する地域/食のシステムが満たしているべき条件/油っこい料理に参る/生ものに飢えてくる/冷菜を主体にシステムをつくれ/その土地の産物で基本装備する/中国料理のスープは薄くて、軽いのが特徴

 「寮の食事にシステムを導入すれば」
 おいしい味噌汁をつくるための四原則/味噌汁は芸術である/独身寮に入った場合(Wさんのケース)/昇進への意欲と家族の支え/寮の食事をこう合理化する/基本のシステムにプラスするもの/完全食品の花粉を弁当に/どうしても食事が不規則になる場合

 「単身赴任の食事の問題点をめぐって」
 塩辛い味つけ/腹いっぱいになりゃいい/ワラジのようなとんかつを三枚/スーパー食品に限られる/単身赴任で食に目覚める/魚は野菜と一緒に食べたい/うまくできる豆のもやし/コレステロール改善食の基本/どうやって総脂肪の摂取量を減らすか/天ぷら蕎麦よりもり蕎麦二枚/かつお節とこんぶのだしが塩を減らす

 「買いそろえなければならないもの」

 以上である。おおむねの内容はご想像いただけると思う。

 「何だよ、これ」

 で始まった読書だった。が、読み進むうちに、引き込まれた。栄養学が面白いのである。「サンタフェ」は一度眺めただけで部屋の片隅に放り出したが、「システム自炊法」は、一行一行を脳に刻み込むようにして読んだ。

 考えてみれば、最高に複雑な人間の体というシステムを作り上げる原材料は、すべて口から入れる食べ物、飲み物である。いい原材料を使わずに、いい体をつくれるはずがない。

 では、いい原材料とは何か? それをどのようなバランスで取り込めばいいのか? 体の中でどのように変化をして血となり肉となり、生命を支えるのか?
 中学の授業では退屈で仕方がなかった「アミノ酸」「ビタミン」「ミネラル」などが、急に面白くて仕方がない勉強の対象になった。

 この本を読み終えると、丸元さんの本を漁りに行った。書店に並んでいる本はすべて買ってきた。その中に、
  「丸元淑生 家族をヘルシーにする 新・家庭料理」(中央公論社)
 「丸元淑生 続新家庭料理」(同)
 「丸元淑生のシンプル&ヘルシー 毎日の料理」(同)
 「丸元淑生のシンプル料理」(講談社)

 が含まれていた。4冊とも、いわゆるレシピの本である。

 私の自炊生活が本格化した。

 というわけで、私の単身生活は新しい局面に入るが、今回のレシピは、単身生活の局面に関わらず、好きで、よく作っていた「鯛茶漬け」を選んだ。東京駅前の丸ビルの地下に「銀水」(現在は近くのビルに移転)という鯛茶漬けの店があり、よく昼食を食べに行った。その味を再現しようと自宅で作ったものだ。

 材料
      鯛 切り身で十分。できれば天然物と言いたいところだが、養殖でも十分に美味しい。背側の身でも腹身でもお好きな方を。こいつを、刺身にするときの半分程度の厚さに切る。背側の身を使うときは筋があるので、筋と直角に切るようにする。
     ご飯 言うまでもない。
    三つ葉 適当な長さに切っておく。
     ノリ 短冊状に切っておきたい。
    わさび できれば、本物を。

 作り方

 

1,
薄く切った鯛を、醤油4、酒2、みりん3を混ぜ合わせたたれに漬ける。漬ける時間は7〜8分程度。
2,

茶碗にご飯を8分目によそい、たれに漬け込んであった鯛の切り身を5〜6片乗せる。その上から三つ葉、ノリ、わさびを乗せ、最後に番茶をかけていただく。

 

 これだけである。鯛の旨みが番茶と混ざり合って、実にいいハーモニーを奏でる。

 鯛茶漬けというと、お店によっては、番茶ではなくだし汁をかけるところがある。上品な感じがするし、コストもかかっていそうだが、実は番茶の方が美味しい、と私は思う。また、ほうじ茶をかけるという手もある。ただし、煎茶は苦みが出るので避けた方が賢明だ。

 この料理は、旬の魚であれば、すべての魚に応用できる。
 私の行きつけの店、原宿の「小菊」では、

 「安堂礼人茶漬け」

 と注文すると、旬の魚を使った茶漬けを出してくれる。

 なんで「安堂礼人茶漬け」なんだって?

 「魚で茶漬けを作ってよ」

 と最初に注文したのが私だったためです。
 残念ながら、まだメニューに掲載されるまでには至っていないが、注文すればマーちゃんが、美味しく作ってくれます。

 自宅でも、「小菊」でもお試しあれ。



【初出2003年12月5日】

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