#76 タイムリミット― 危機管理

 不倫、不義密通、姦通、私通、邪淫、密通、よろめき、不貞、浮気。
  世に入れられぬ男女の契りは様々に呼び習わされてきた。禁じられても、あるいは禁じられるが故に燃え上がる炎は、人々の胸に鮮明な轍を残す。ある種の文化は、この轍の上に築かれてきた。

 「源氏物語」は、不倫のオンパレードである。
 不義密通なかりせば、近松門左衛門の数々の傑作は生まれなかった。
 夏目漱石の「それから」は友人の妻を奪う話である。「門」「こころ」も、限りなく不貞に近い恋を描く。
 「海鳴り」は、道ならぬ恋を描いた節沢周平の傑作である。
 読んだことはないが、フローベールの「ボヴァリー夫人」、古くは「トリスタンとイゾルデ」も姦通小説らしい。
 猥褻か否かが最高裁まで争われた「チャタレー夫人の恋人」は、チャタレー夫人の密通を描いて世界的に高い評価を得た。

 ことは人類の再生産システムとして婚姻が制度化されると同時に発生した。人間の本性に深く根ざし、一見安定した世の秩序に亀裂を入れ、普段は隠されている人間の本性をあらわにする。文学的イマジネーションをかき立て続けてきた由縁である。

 いかがであろう。不倫のない世の中って、クリープを入れないコーヒーのように味気ないとは思いませんか?

 

 

(つぶやき)
ちょっと表現が古すぎる?
ちなみに私、コーヒーにはクリープも砂糖も入れない。

 

 とはいえ、不倫が表沙汰になれば修羅場が待つ。婚姻生活がすでに実質的に破綻していても、慰謝料の高騰を招く恐れがある。いずれにしても、
 秘するが花。
 秘めたる関係には危機管理が欠かせない。

 

 「タイムリミット」の主人公、田舎警察の署長ウィトロックはいま不倫のまっただ中にいる。職場結婚をしたアレックスとうまく行かず、高校時代のガールフレンド、アンとの間で焼けぼっくいに火がついたのだ。
 アンにも夫がいる。いわゆるW不倫である。夫のクリスは、恐らく(というのは、映画ではあまりはっきりしないからだが)病院勤めだ。アンは、クリスの家庭内暴力に悩み、心と体の安らぎをウィトロックとの逢瀬に求めていた。

 なのに、アンには夫と別れる気はない。一方のウィトロックは社会の秩序を守る使命を持つ警察署長である。であれば、2人の仲は絶対に人に知られてはならない。会うのはクリスの出張の日。場所はどちらかの自宅。2人は危機管理を徹底した。何の心配もせずにベッドで情熱をぶつけ合う時間が続くはずだった。なのに……。

 アンが末期ガンの宣告を受ける。前夜から一緒だったウィトロックが付き添っていた。そこから、歯車が微妙に狂いはじめる。

 

アン:
How long?
(余命は?)
医者:
Well, that’s a…that’s a difficult question…
(そうですねえ、そいつはお答えしにくくて……)
アン:
How long?
(いつまで生きられるのよ)
医者:

Six months. I mean no one can say for sure.
(6ヶ月。断言はできないのですが)

 

 ショックのあまり、アンは部屋を出る。残されたウィトロックは医者に当然の質問をする。何か打つ手があるはずだ。そうだろ?
 医者はワクチン療法や加温療法を紹介し、パンフレットを手渡した。そして付け加えた。

 

医者:

Extremely expensive.
(ただ、かなりのお金がかかります)

 

 2人には、高額医療を受ける蓄えはない。

 数日後、アンから電話が来た。資金調達手段を見つけた。生命保険を買い取る会社がある。40万ドル(約4800万円)かけていたはずなのに、いつの間にか100万ドル(約1億2000万円)に増えていた。クリスが増額したらしい。だから、それを売れば、スイスで治療を受けられる。
 保険会社に2人で出かけた。ついた価格は75万ドル(約9000万円)。2人は舞い上がった。

 希望は、だが、すぐに絶望に変わった。その会社が、買い取りを断ってきたのだ。しかも、保険契約から1年たつと受取人の変更はできない。つまり、保険の売却が不可能になる。その日まで、あと2日しかない。2日では……。

 翌日、絶望したアンがウィトロックの自宅に来た。保険証書を取り出し、

 

アン:

My gone away present.
(これ、私の置き土産)

 

 といって手渡した。受取人欄にはウィトロックの名前があった。明朝、私は町を出る。最後はクリスのいないところで過ごしたい。

 さて、こんな時、男はどうしたらいいのだろう? 可愛い女、愛しい女、何度も激しく愛をかわした女、これからも続けたい女。しかも、生命保険の受取人を俺にした女。その命がかかっている。こんな時、男には何ができるのだろう?
 ウィトロックは何かしたかった。必死で考えた。女に惚れるとは、そういうことである。

 ウィトロックの署は、彼が麻薬取引を摘発した際に押収した証拠金48万5000ドル(約5800万円)を保管していた。2年や3年は署で保管することになる金である。
 であれば、しばらく借り出しても支障はないだろ?

 金庫をあけ、手の切れるような札束を取り出した。アンを呼び出し、金を手渡した。俺の家に夜11時に来い。2人でスイスに行って治療を受けよう。

 W不倫の純愛物語である。だが、一度狂い始めた歯車は、愛の力でも元には戻らない。狂いが大きくなるだけだ。

 その夜、ウィトロックはジリジリしながら待った。11時33分、アンは来ない。電話にも出ない。いてもたってもいられなくなったウィトロックはアンの家に車を走らせた。携帯でアンに電話をかける。午前1時35分。誰も出ない。外に車が2台止まっている。クリスがいるのか? 家の明かりはすべて消え、真っ暗だ。2人は、アンは何をしてるんだ? 車を降り、窓から中をのぞき込もうとした。犬が吠えた。
 その時である。隣家の窓に明かりが灯った。顔を出した老婆が眼鏡をかけ、アンの家のまわりをうろつくウィトロックの姿を見た。やばい! 
 ウィトロックは車に飛び乗ると、逃げるように自宅に戻った。アンはなぜ来ない? 何が起きた? 考えているうちに眠り込んだ。

 消防車のサイレンで目が覚めたのは夜明けだった。火災はなんとアンの家。駆けつけた。プロパンのボンベの爆発が原因だという。黒こげの焼死体が2体見つかった。
 アンが死んだ? 追い打ちをかけるように、プロパンのボンベに発火装置が取り付けられていたとの報告を聞いた。
 アンが殺された。いったい誰がアンを……。ちょっと待て! 俺は昨夜、ここで姿を見られている。100万ドルの保険金の受取人は俺だ。俺にはアンを殺す動機と、殺したと疑われても仕方がない状況証拠がある! 俺が犯人になるのか?

 ウィトロックの署に捜査本部が設けられた。指揮を執るのは、別居中の妻アレックスだった。
 初動捜査で混乱を極める署に、連邦麻薬局のスターク捜査官から電話が入った。君の署に保管してある麻薬取引の証拠の金は、局が犯人に渡したものかも知れない。渡した金の番号はすべて控えてある。番号が合えば大物が逮捕できる。これから取りに行かせる。
 金。アンに渡した金はどこへ行った?
 危機が、一斉に、津波のように押し寄せた。

 危機管理とは企業や国家の活動に伴って発生する恐れのある危機を事前に把握してその発生をできる限り回避し、やむなく発生した場合は損害を最小にとどめるための経営管理手法、と私は理解している。
 理解しているのはいいが、この言葉には違和感がある。
 事前に把握できる危機なんて、そんなもん、危機か? やばい! と叫びたくなる危機は、突然、予測もつかない姿で突然現れるのではないか?

 いまウィトロックは、本物の危機に直面した。対処できなければ、待つのは破滅のみである。

 次々に現れる自分に不利な証拠を相手せざるをえない。
 愛しいアンを死に追いやった真犯人を自分の手で見つけ出さねばならない。
 どこかに行ってしまった48万5000ドルを何とかしなければならない。それも、連邦麻薬局の人間が来る前に。

 必死の闘いが始まった。

 不倫、不義密通の映画は掃いて捨てるほどある。犯人だと疑われた人間が真犯人を追い詰める映画も珍しくはない。悪徳警官だって、最近ではハリウッド映画の常連だ。
 しかし、不倫をしているのが警察署長で、殺されたのが不倫相手の女、しかも犯人だと疑われるのが警察署長となると、ほかに例を知らない。
 主人公が、姿の見えない真犯人と状況証拠に2重、3重に追い詰められる。この筋立ての秀逸さが最大の魅力である。

 捜査本部に入る情報は、どれもこれも、まっすぐにウィトロック=犯人、を指し示す。ウィトロックは自分が犯人ではないことを知りすぎるほど知っている。
 そして、我々観客もウィトロックと同じ立場にいる。
 カール・フランクリン監督は、実にテンポよく、次々とウィトロック=犯人、の証拠を登場させる。我々はいつしかウィトロックと一体化する。
  おい、このピンチをどうやってくぐり抜けるんだよ? 今度こそダメか? 我々は手に汗を握り、目はスクリーンに釘付けにならざるを得ない。

 

火事の現場。部下が、前夜、アンの家のまわりを徘徊していた不審な人物の目撃者がいると報告してきた。

アンの務め先だった歯科医。アンの同僚がいった。 アレックスと同行している時だ。
“I think she was having an affair.”
1週間前、アンに花束が届いたのだという。そういえば、アンの病気を知ったウィトロックが届けさせていた……。

アンがガンを宣告された病院。アレックスと一緒にアンの主治医に会う。主治医に会えば、あの日、俺が同行していいたことがばれる。病院に着いた。ウィトロックは下痢を装ってトイレに行こうとした。その時、受付の女性の声が耳に入った。
“Her office is….”
彼女? 俺が会った医者は男だったぞ……。

 

 署に戻ると、ウィトロック=犯人、の証拠の山が押し寄せた。

 

アンの家でウィトロックを目撃した老婦人が似顔絵を描いていた。署に入ったウィトロックを見ていった。
“He looks like him!”

アンが生命保険に加入していたことが分かった。アレックスは保険金の受取人を調べるよう部下に命じた。

電話会社から、アンの家の通話記録がファックスで送られてきた。まずい。自宅から何度も電話をしている……。

 

(そんなことできっか?)
送られてきた通信記録を
「俺宛の文書だ」
と偽って所長室に持ち込んだウィトロックは通話記録をスキャンし、パソコンに取り込んで自分の名前を消しにかかる。自分の名前がなくなった通話記録を署のファックスに送り込むためである。
不思議な光景が展開される。パソコンに取り込んだ通話記録でウィトロックの名前をクリックするとその行がハイライトし、デリートキーを押すと消えるのだ。
???
普通、スキャンしてパソコンに取り込んだものは、画像ファイルとなる。画像ファイルでは、映画に出てくるような操作は不可能だ。
OCRソフトを使えば、画像ファイルをテキストに変換することはできる。だが、テキストに変換すればもとの文書のデザインは失われる。
いずれにしても、ウィトロックがやったような文書偽造は、スキャナーとパソコンでは不可能である。
カール・フランクリン監督はあまりパソコンをいじったことがなく、上手の手から水が漏れたか?
それとも、私が知らない便利な文書偽造用ソフトがあるのか?

 

アンの携帯電話の通話記録が届いた。中に、地元の公務員に支給されている電話が何度も登場する。いうまでもなく、この電話を支給されているのはウィトロックである。アレックスはその電話番号に電話をかける。すぐ横にいるウィトロックの電話につながるとは予想もせずに。

アンが加入していた生命保険会社と連絡がとれた。保険金額は100万ドル。受取人は……。

 

 万事休す。ウィトロックは諦めかけた。だが、

 “It’s like a beneficiary listed as……….. Chris Harrison, her husband.”
 (受取人は……、クリス・ハリソン、夫ですね)

 そうか、保険会社の書類は変更されていなかったのか。助かった! と思った瞬間、電話の向こうで男がいった。

 “Wait a minutes, wait a minutes. I’ve got a note here. It’s seems that the policy holds the request to perform the change beneficiary last week.”
 (ちょっと待ってください。付箋があります。どうやら、先週、受取人変更の手続きがあったみたいだ)

 危機は去らない。ウィトロックは次から次へと襲ってくるウィトロック=犯人、を指し示す証拠を隠蔽し、ごまかし、なんとか捜査陣の目が自分に向かないようにしながら、一刻も早く真犯人にたどり着かねばならない。そして48万5000ドルにも。

 こうして映画は後半になだれ込み、ウィトロックは降りかかる火の粉、火の玉を払いのけながら、独自の、時には強引な捜査を続ける。その結果行き着いたのは、思いもよらない、いやできることなら知らずにすませたかった真相だった。それは……。

 

 このあともストーリーはテンポよく快調に進み、心地よい興奮に酔い続けた。
 だが、酔いながら、頭の一部が全く別のことを感じることもある。いつしか私の頭脳に「!」が灯った。それがやがて「!!」に育ち、ついには「!!!」となった。

 って、こんなに強くなったんだ!
 って、こんなに弱くなったんだ!

 この映画、終始主導権を取るのは女性である。男は女性に振り回され、その目を盗んでコソコソ動き回っているに過ぎない。警察署長というマッチョの典型のような仕事についているというのに、ウィトロックさん、なんとまあ、情けない男なのである。

 結婚が破綻したのは、妻のアレックスが愛想をつかしたからである。アレックスが刑事に昇進したのがきっかけだった。妻は華やかな職場に移った。自分はたった4人しか署員がいない田舎警察の署長だ。

 

ウィトロック:

You think your job is more important than my job.
(君の仕事の方が、俺のよりずっと重要だと思ってるんだろ)

 

 いじけた男には魅力がない。だからアレックスは家を出た。
 見切りを付けられた男は、さらにいじける。家に置き去りにしてある自分の荷物を取りに行きたい、とアレックスが所長室にやってきた。

 

アレックス:
I need your keys.
(鍵を貸して)
ウィトロック:
I’m fine. Thanks for asking. How about you?
(俺は快調さ。お願いしてもらえるなんてありがたいな。君の調子はどうなんだ?)
アレックス:
I need your keys. I’ve left a couple of things.
(鍵がいるのよ。いくつか荷物を取ってきたいの)
ウィトロック:
OK. I’ll go with you.
(ああ、そうなの。俺も行ってやるよ)
アレックス:

No.
(冗談じゃないわ)

 

 いじけたウィトロックは話をそらす。未練。お前の臭いが染みこんだものを俺の部屋に残しておいてくれ! 通じないと、自分も行くという。そしてにべもなく拒否される。そうすると鍵を渡さないのだ。女々しい男である。

 アンとの不倫はやけのやんぱちで始めたのかも知れない。だが、ここでも主導権を持つのはアンである。冒頭の愛欲場面はその象徴だ。それはこんな風に始まる。
 署で勤務中のウィトロックに電話が来る。

 

アン:

Chief Whitlock, it’s Ann, Ann Merai Harrison. Somebody broke into my house.
(ウィトロック署長ね。私、アン、アン・ハリソンよ。強盗に入られたの)

 

 ウィトロックは現場に急行するのだが、実はこれ、アンからの呼び出し電話なのだ。ウィトロックが強盗になり、被害者のアンが乱暴されるという想定の「強盗プレイ」を盛り上げる前戯なのである。
 その後何度も2人は会うが、いつ会うか、どこで会うかを決めるのはアンだ。恐らく、正常位かバックスタイルか、それとも女性上位か、セックスのスタイルを決めるのもアンなのに違いない。
 ウィトロックは、アレックスに未練をたっぷり残したままアンの発するフェロモンでフニャフニャになり、いわれるがままに踊ってご褒美にありつくペットなのである。
 ま、ごっこ遊びも楽しかろう。女のフェロモンに酔うのも男の醍醐味だ。できることならあやかりたい、ペットにもなってみたい、と心から思う。でもねえ……。
 おい、男って、もっと強いもんだろ? 強くなきゃいけないもんだろ?

 と思っていた。ところが。

 私の職場に、北海道・北広島生まれの若い女性がいる。
 冬、学校の校庭はスッポリと雪に覆われる。子供は元気の塊だ。氷点下の気温に臆することもなく、校庭で雪合戦に興じる。

 「男の子を捕まえて、背中に雪入れたりするんですよね。面白かった〜」

 ???
 女の子が男の子を捕まえて背中に雪を入れる? それ、じゃないか? 男の子が、気になっている女の子の背中に雪を入れていじめて楽しむんじゃないの? 男の子の愛情表現って、ほら、ひねくれてるから。

 「どうしてですか? 雪を入れるのは女の子、入れられるのが男の子に決まってます!」

 男の子が女の子の背中に雪を入れることはないの?

 当たり前です! そんなことされたら、冷たいじゃないですか! 絶対に許しません!!」

 ウィトロックのような情けない男が主人公になるのも、世相の反映らしい。

 情けない男が増えた……。

 そうそう、今回は危機管理の話だった。不倫、なかでもW不倫の最大の危機は、露見である。
 アンの家で密会中に、帰宅するはずのないクリスが突然帰宅した。危機一髪で裏口から逃げ出した。2人が諍いを始めたので、パトロール中を装って玄関から入り、素知らぬ顔で話をした。危機管理は立派に完遂していたはずだった。
 ところが後日、クリスが酒場でウィトロックを見つけ、強引にビールをおごり、話しかけてきた。

 

クリス:
I had feeling when I got home. Ann was with some other guy.
(あの日、俺が戻ったとき、アンは誰か他の男といた気がするんだ)
ウィトロック:
Really?
(そうか?)
クリス:
Yes. I think he sneaked out from the back of my home.
(男はきっと裏口から逃げたんだ)
ウィトロック:
Uh. No, I didn’t, I didn’t see anybody.
(いや、俺は誰も見なかったぞ)
クリス:
Tell you, Whitlock, next time I ???? little pussy comes around、
(もしあのへなちょこ野郎がもう一度現れたら)
ウィトロック:
Little pussy?
(へなちょこ野郎、か?)
クリス:
Sure. Guy was scary out at the back door the second he hears my voice.
(そうさ、俺の声を聴いたら腰を抜かして裏口からとんずらしたんだからな)
ウィトロック:
Scary?
(腰を抜かして?)
クリス:
Yeah. You know I can almost respect a man who is so bold to confront me. Tell me  “yeah, I’m banging your wife”.
(そうさ、俺は、俺と殴り合う根性のあるヤツは尊敬する。言っちゃえよ、「俺はお前の女房とやってるぜ」って)
ウィトロック:
Maybe this, this, this guy, maybe this nothing he would rather do than, you know, tell you that you are lousy husband and Ann won’t deserve and maybe these nothing he would rather do than walk up in your face, look right in your eyes and say you “Chris, I’m banging your wife. Good.“ Maybe, maybe your wife won’t that.
(多分、多分なんだが、そいつはこういうんじゃないか。お前はつまんない旦那で、アンがかわいそうだ。それからそいつはお前の前に出て、まっすぐお前の目を見ながら言うんじゃないか。「クリス、俺はお前の女房とやってるぜ。なかなかいいぜ」ってな。お前の女房が言わせないのさ)
クリス:
I respect him at least.  ?????????, then I ????,  looking his eyes and say, “Just come near her again, and I’ll kill you.”
(そうかい。じゃあ、少なくともそいつを尊敬はできるわけだ。そん時は俺もそいつの目を見て言ってやるさ。「女房に2度と近寄ってみろ。殺してやる」ってな)
ウィトロック:
Oh, Chris, you talk to a wrong guy.  Because as a police officer, I can’t let you go around ???? people ????, I mean, if you are serious, then I would be obligated to do something about it.
(クリス、誰に話しているつもりだ? 俺は警官だ。もしお前が本気なら、俺は法的義務を執行しなければならない)
クリス:
Really?
(本気か?)
ウィトロック:
That’s right. Thanks for the beer and conversation.
(そうだとも。ビールをどうも。話も楽しかったぜ)
クリス:

Thanks for listening.
(聴いてくれてありがとよ)

 

 寝取り男と寝取られ男の対決。通常は寝取った方が分が悪い。ウィトロックも追い詰められ賭けた。そこを、俺は警官だ、なんて逆に脅し挙げる。この呼吸こそが、危機管理である。
 まあ、身に覚えのある果報者の貴方、管理しなければならない危機を抱えていらっしゃる貴方には、ここいらのテクニックをじっくりと吸収して頂きたい。

 「タイムリミット」は、男に数々の有益な勉学の機会を与えてくれる映画でもある。私には関係なさそうなのが、寂しいといえば寂しいが……。

 

 【メモ】
タイムリミット(OUT OF TIME)
 2004年10月公開、105分

監督:カール・フランクリン Carl Franklin 
出演:デンゼル・ワシントン Denzel Washington=ウィトロック
   エヴァ・メンデス Eva Mendes=アレックス
   サナ・ラッサン Sanaa Lathan=アン
   ディーン・ケイン Dean Cain=クリス
   ジョン・ビリングスレイ John Billingsley=チェイ

 

【初出2007年4月13日】
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